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第1章【閻魔の息子・輪廻】
【閻魔の息子】9
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「輪廻様が参りました」
「うむ、後はよい下がっておれ」
重苦しい空気の中、閻魔が先にやさしい口調で切り出した。
「眠れたか?」
「…。いや、寝てない、友人に会って来た」
「そうか…。どうだ、気持ちは整ったか?」
「…。そんな急に気持ちを切り替えろって、無理に決まってるし…。なるようにしかならないだろ。何とかやってみるさ」
「うむ、そうだな」
手前味噌だがプレッシャーには強い息子だと日々感心に思う閻魔であった。
「誰かおらぬか!」
「お呼びですかな」
「爺か、輪廻の出発の準備じゃ、衛兵に天城門を開けるように指示してくれ。帰生穴には誰も近づかせない様に」
「かしこまりました」
輪廻が緊張してると思い、爺が輪廻の耳元で囁く。
「緊張せずとも大丈夫ですよ、輪廻様なら立派にこの命はやり遂げられますです。人間の女子にも中々可愛い~のがいるみたいで…あ~うらやましい~この、このぉ」
ふざけた話のカド爺に閻魔の一喝が飛ぶ。
「なーにをごちゃごちゃ言っとる。はよせんか!」
「ありゃ、はい、ただいまー。」
「よいか輪廻、人間界にはこちらの案内人がいてお前の身体となる人間を手配してもらっている。まず人間界に着いたら案内人の指示を仰ぎ、人間の姿で行動するのだ」
「人間の身体!?じゃこの身体は?」
「ここに残す、でなければ帰ってこられぬからな」
「残す?残すって…」
「人間になると、一時的ではあるが天魔人としての能力も弱まってしまう、霊波動が極端に落ちている時に人間の身体を傷つけるとお前の魂も傷つき衰退していく、しいてはお前自身が死んでしまう恐れがあるから、くれぐれも無茶な行動は控える様に」
「ああ…。わかった」
素直に受け入れたような返事だったが内心は。
“な、無茶苦茶不安な事を聞かせやがってー。”
すると、閻魔がなにやらヘンテコな機械を奥から出してきた。マイクのようなものを持って本体のダイヤルを回してる。
「あー、あー。聞こえるか、沙羅、聞こえたら返事を」
「“は~い、大王様。沙羅で~す。”」
「うむ、輪廻の身体は見つかったか?」
「“え~と、どうなのよ!あんたた達!見つかったの?どうなのよ!は~い、只今こちらに出稼いでいます死神どもを締め上げて、上等な身体をあたっていま~す。どんなのでもいいから、早く~”」
「聞こえてるって…」
続く
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