奴隷少女は公爵夫婦に助けられました

ニチカ

文字の大きさ
7 / 10

7

しおりを挟む
「ベティ、入ってそうそうほかのメイドに水をかけるだなんて、なんてことをするのよ」

メイド長は俯き口をとんがらせるベティを長々と叱っていた。そこにちょうどリリスが通りかかった。

「どうかした?」

「奥さま、ベティったら入ってそうそうメイド達に水をかけたんですよ!奥さまからも言ってやってください」


リリスはベティの方を優しい目でまっすぐと見た。 

「ベティ、どうして水なんかかけたの?」

「ソフィーの悪口を言っていたんです。それにソフィーの部屋だけホコリだらけだったんです!」

リリスはメイド長を見た。メイド長はギクッと肩を震わせた。 
 
「本当かしら?メイド長」

「いえ、そんなことは私は一つ一つ部屋を見ることも出来ませんし、部屋の担当は個々に任せておりましたので」 

メイド長は深く頭を下げた。リリスは、小さくため息を吐いた。

「私が見たわけじゃないし、ベティの話を丸々信じることも出来ないから、メイド長、しっかりとメイド達に目を光らせてくださいね」

メイド長は「はい!」とハッキリとそういい、その場から立ち去った。

「奥様!ソフィーは…」

「分かってるわ、私も誰かはきちんと。でもね、まだ早いわよ」

リリスは顔には出さずとも憤りを感じているのがベティはよく分かった。



「それじゃあ、私達は出かけてくるよ」

アーサーとリリスはソフィーに手を振って、屋敷から出ていった。

ソフィーは2人が出掛けてから部屋で本を読んでいた。

「ねぇ、あの奴隷の子を置いていくなんて珍しいわよね」

「ほんとほんと、いつもぬいぐるみみたいにどこにでも連れていくのにね。奥様はもうあの奴隷に飽きたのかしら」

ベティに水をかけられた2人のメイドはソフィーの部屋の廊下でくすくすと笑っていた。

「今ならバレないんじゃない?」

「メイド長は仕事してるしね」

その2人のメイドはソフィーの部屋に入り、ソフィーの長い髪を掴んだ。

「家畜がなんでこんな所で本を読んでるのよ。家畜なら家畜らしく外にいたら?」

ソフィーは抵抗はせずにいた。

「口もきけないんだからほんと動物じゃない!あはは!」

もう1人のメイドがソフィーを叩こうとした時、部屋にリリスとアーサーが入ってきた。

メイドは2人とも一瞬固まってから、顔を青くしていった。リリスはそんな2人の頬を「パン!」と平手打ちした。アーサーはソフィーを抱きしめていた。

「ソフィーちゃん、大丈夫!?」と焦りながらリリスが聞いた。

ソフィーがコクリと頷き、ソフィーの無事が分かると、リリスとアーサーは怖気ずく2人を睨みつけた。

「お…奥様……旦那様……出かけていらっしゃったはずじゃ……」 

「そうね、出かける予定だったけど、やっぱりソフィーちゃんがいた方がいいと思って。それにしてもあなた達。私がソフィーちゃんをぬいぐるみと思っていると思っていたの?」

2人とも首をブンブンと横に振った。

「そう……あなた達は解雇よ」

「……だ…旦那様!私達を見捨てないでください!」

「そうだな。君達の転職先は紹介しよう。そうだルーイズ家なんてどうだい ?」

ルイーズ家とは家主がとてつもなく厳しく、メイド達の仕事もとてもキツいと有名な所であった。

「ソフィーちゃんはどうしたい?」

「…もうしないならここに居ていいよ」

ソフィーはそう言い、メイド2人に近寄った。

「ソフィーちゃん、このメイドはソフィーちゃんを傷つけたのよ!」

リリスはソフィーの考えに全く納得していなかった。

「ここまでされて、私にまた傷をつけられるほどあなた達はお馬鹿じゃないでしょ?それに、ここにいた方が緊張感が持てるんじゃない?」

ソフィーは怖い笑顔を2人に向けた。2人が、初めて見る笑顔であった。


程なくしてその2人のメイドは自主的にこの家を辞めていった。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない

二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。 ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。 当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。 だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。 ――君の××××、触らせてもらえないだろうか?

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

前世の記憶しかない元侯爵令嬢は、訳あり大公殿下のお気に入り。(注:期間限定)

miy
恋愛
(※長編なため、少しネタバレを含みます) ある日目覚めたら、そこは見たことも聞いたこともない…異国でした。 ここは、どうやら転生後の人生。 私は大貴族の令嬢レティシア17歳…らしいのですが…全く記憶にございません。 有り難いことに言葉は理解できるし、読み書きも問題なし。 でも、見知らぬ世界で貴族生活?いやいや…私は平凡な日本人のようですよ?…無理です。 “前世の記憶”として目覚めた私は、現世の“レティシアの身体”で…静かな庶民生活を始める。 そんな私の前に、一人の貴族男性が現れた。 ちょっと?訳ありな彼が、私を…自分の『唯一の女性』であると誤解してしまったことから、庶民生活が一変してしまう。 高い身分の彼に関わってしまった私は、元いた国を飛び出して魔法の国で暮らすことになるのです。 大公殿下、大魔術師、聖女や神獣…等など…いろんな人との出会いを経て『レティシア』が自分らしく生きていく。 という、少々…長いお話です。 鈍感なレティシアが、大公殿下からの熱い眼差しに気付くのはいつなのでしょうか…? ※安定のご都合主義、独自の世界観です。お許し下さい。 ※ストーリーの進度は遅めかと思われます。 ※現在、不定期にて公開中です。よろしくお願い致します。 公開予定日を最新話に記載しておりますが、長期休載の場合はこちらでもお知らせをさせて頂きます。 ※ド素人の書いた3作目です。まだまだ優しい目で見て頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。 ※初公開から2年が過ぎました。少しでも良い作品に、読みやすく…と、時間があれば順次手直し(改稿)をしていく予定でおります。(現在、146話辺りまで手直し作業中) ※章の区切りを変更致しました。(9/22更新)

いや、無理。 (本編完結)

詩海猫(8/29書籍発売)
恋愛
細かいことは気にせずお読みください。 一旦完結にしましたが、他者視点を随時更新の間連載中に戻します。 もはや定番となった卒業パーティー、急に冷たくなって公の場にエスコートすらしなくなった婚約者に身に覚えのない言い掛かりをつけられ、婚約破棄を突きつけられるーーからの新しい婚約者の紹介へ移るという、公式行事の私物化も甚だしい一連の行動に、私は冷めた瞳をむけていたーー目の前の男は言い訳が終わると、 「わかってくれるだろう?ミーナ」 と手を差し伸べた。 だから私はこう答えた。 「いや、無理」 と。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...