【完結】目覚めたら、そこは"攻略対象(イケメン)しかいない世界"でした 〜18禁乙女ゲーム転移録〜

Nekoyama

文字の大きさ
1 / 7

推しが現実になった夜

しおりを挟む
「え、ちょっと待って。なんで私、裸で森の中にいるの?」

草むらの中、目覚めた私――白河玲奈(しらかわれいな)は、自分の状況を理解するのに数秒かかった。肌寒い空気、見知らぬ星空、そして、横に落ちていた一冊の本。

表紙にはこう書かれていた。

『愛と快楽の幻想騎士団(ファンタジアナイツ)』

「これって……私が昨夜、寝落ち寸前までプレイしてた、新作18禁乙女ゲームじゃない……?」

ゲームでの私の推しになったのは、王国騎士団の冷酷剣士ライアス。最初は塩対応だけど、攻略が進むとベッドでは――いやいや!今はそんなこと考えてる場合じゃない!

だが、事態はさらに混乱を極める。

「……君、大丈夫か?」

森の奥から聞こえてきたその声に振り返ると、そこには――金の髪、青い瞳、鎧をまとった超絶美形の男が立っていた。

まさに、ライアス本人。

「き、きゃああああああああ!!(ガチで来たああああ!!)」


「……着ろ」

「え?」

彼が差し出したのは、厚手のマント。金糸で縁取られたそれは、明らかに上等なのものだった。

「ありがとうございます、ラ……じゃなくて! あの、あなたのお名前を聞いてもいいですか?」

名前を知ってるのがバレたらヤバい、とい無意識で感じた。彼は驚くほど静かに私を見つめ返し、答えた。

「ライアス・グレイフォード。王国近衛騎士団副団長だ。……君は?」

ああ、やっぱり本人だ――。ゲーム中、一番人気の攻略キャラ。CVが神谷○浩だったせいで、あのボイスで「お前を壊したい」と言われたときには理性が飛んだのを思い出す。

「私は……レイナ。記憶が少し混乱していて……気づいたら森にいて……」

「なら、保護する義務があるな」

「え?」

突然、彼が腰を落とし、私の脚に手を伸ばした。

「ッ!?」

「……裸足で歩くな。傷がつく」

彼の指先が、優しく私の足に触れる。かすかに震えた私の反応を見て、彼は一瞬だけ口元をほころばせた。

「君は、俺のものだ」

「はっ……?」

「この森で拾った。つまり所有権は俺にある。異議は?」

異議しかない。でも――彼の瞳は、氷のように冷たいのに、どこか熱い。

「馬車に案内する。」

彼は私を抱き上げ、馬車に向かって歩き出した。




馬車には先に2人の男性がいた。

ひとりは、褐色肌の無愛想な魔法使い。もうひとりは、赤い瞳をもつ美しき吸血貴族。

(え……この2人も攻略対象じゃん!?)


「まさか、またライアスの拾い物か?」

馬車の中で先に待っていた男の一人が、あからさまにため息をついた。

「……あんた、誰かを拾うたびにこうやって王都に連れてくるのかよ。もう三人目だぞ」

彼は褐色の肌に銀のピアス、肩まで流れる黒髪。目つきは鋭く、口調は乱暴。でも、ゲームでは彼――ジーク=フォルンは、プレイヤーが唯一「主人公の魔力」を解放できる鍵となる重要キャラだった。

「黙れ、ジーク。今回は本当に偶然だ。……だが彼女は、"魔力を持っている"」

ライアスの言葉に、車内の空気が変わる。

ジークの目が細められ、私をじろりと見た。

「……確かに。魔力の流れがおかしい。人間のくせに、妙に純粋すぎる」

「人間のくせに?」

「まるで……まだ何にも染まってない処女結晶の魔核みたいだ。……あー、こりゃ面倒なことになるぞ」

(処女……結晶……魔核……!?)

意味がわからない。
でも、そんな中、もう一人の男が静かに口を開いた。

「静かに。彼女が怖がっている」

その声は、どこか甘く響いていた。見ると、長い睫毛に紅い瞳、そして人外の美貌。
彼はこのゲーム最難関ルートのキャラ――カイン=ラフェルド。吸血鬼の公爵で、主人公の血に「執着」するヤンデレルート担当だった。

「……君の血は、まだ誰にも吸われていないんだね」

「え?」

「分かるよ。香りで。未熟で、甘くて……深夜に熟れた果実のような匂いだ」

カインは私の手をそっと取り、指先に唇を寄せてきた。

「この旅が終わる頃には、君はもう、誰のものでもない――"僕のもの"になるんだろう?」

(えっ、こ、これってもうルート確定演出じゃない!?)

混乱する私をよそに、馬車は夜の森を駆け抜けていく。
この世界に転移してわずか数時間。私は既に、3人の攻略対象に囲まれ、心臓は破裂しそうなほどドキドキしていた。。



城の外れ、騎士団の客間に案内された私は、すっかり疲れて、ふかふかのベッドを目にした途端、急に眠くなった。

案内してくれた侍女も退出したし、今日はもう寝ても良いよね?

と、思っていたら
部屋の扉がそっと開き、そこにライアスが立っていた。
もう、鎧は脱ぎ、黒いシャツとズボンだけの姿――鍛え抜かれた身体の輪郭がはっきりと分かる。

「君に、毛布を届けに来た。……寒いだろう?」

そう言いながら、彼は部屋の中に入ってくる。
手には確かに毛布。でも、それをベッドの上に置いたあとは、ただ私を見つめていた。

「……目が赤い。もう眠いのか?」

彼の指が、私の頬に触れる。ひんやりとした手が、熱を持った肌に滑り込むように。

「……ライアス様……」

名前を呼ぶと、彼の目がわずかに細められる。

「いい声だ。」

耳元に囁かれたその瞬間、背中がビクリと震える。

「……今日はゆっくり休め。お前はオレの所有物だ。明日にしっかり分からせてやろう」

そう言い残して、ライナスは去っていった。

きゃー!!あんな、、あんなセクシーな声で言われたら、もう、もう、腰が砕けそう。でも冷静にならなきゃ。

そっと灯りを消して、ベットに横になった。


が、だめだ、全然寝れない。

少し夜風にあたりに行こう。

バルコニーのドアを開けて、外を眺めていると

「……なにやってんだ、こんな夜更けに」

振り返ると、ジークがいた。
鍛錬場から戻ってきたらしく、汗を滲ませたタンクトップ姿。魔力の熱をまとったような視線が、私をじっと見ていた。

「……眠れなくて」

「……ライアスの魔力を感じるな」

「……それは……」

「チッ……あいつ」

そう言って、ジークは私の前に立つと、急に顎を掴んだ。

「……なんで、そんな顔してんだ?」

「ジーク様……?」


急に、唇を塞がれる。
キスは乱暴で、熱かった。舌が強引に押し入り、口内を蹂躙するように絡めてくる。

「ッ……んっ……!」

「反応いいな。」

ドンッ、と背中が壁に押し付けられた。
彼の手が太腿の裏に滑り込むと、身体が軽々と持ち上げられ、足が勝手に彼の腰に絡みつく。

「なぁ……俺にしないか?」

すぐに理解ができなかった。18禁ゲームとはいえ、展開早過ぎない!?

「濡れてる。……へぇ、言葉責めも効くんだな」

スカートを捲られ、下着越しに指先が秘所をなぞる。
濡れていた。自分でも引くほどに、彼の強引さに興奮していた。

「挿れてもいいか?」

は?え?いきなり早過ぎる。急に無理なんですけど!

「無理無理!あなたには情緒がないんですか!いきなり挿れようとしないでください!」

前途多難のようだ。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

魚人族のバーに行ってワンナイトラブしたら番いにされて種付けされました

ノルジャン
恋愛
人族のスーシャは人魚のルシュールカを助けたことで仲良くなり、魚人の集うバーへ連れて行ってもらう。そこでルシュールカの幼馴染で鮫魚人のアグーラと出会い、一夜を共にすることになって…。ちょっとオラついたサメ魚人に激しく求められちゃうお話。ムーンライトノベルズにも投稿中。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

聖女を解雇された私のハーレム奮闘記

小村辰馬
恋愛
聖女として召喚されて3年が経過したある日、国の邪気は根絶されたので、城から出ていくように告げられた。 ついでに新たな命として、隣国の王子の妃候補として、住み込みで入城するよう言い渡される。 元の世界へ帰ることもできず、かと言って働きたくもない。というか、王宮で散々自堕落を繰り返していたので今更働くのとか無理! だったら入ってやろうじゃないのハーレムへ! 働くことが嫌いな怠惰な主人公が、お付きの騎士と一緒に他国の女の園で頑張ったり頑張らなかったりするお話。

襲われていた美男子を助けたら溺愛されました

茜菫
恋愛
伯爵令嬢でありながら公爵家に仕える女騎士イライザの元に縁談が舞い込んだ。 相手は五十歳を越え、すでに二度の結婚歴があるラーゼル侯爵。 イライザの実家であるラチェット伯爵家はラーゼル侯爵に多額の借金があり、縁談を突っぱねることができなかった。 なんとか破談にしようと苦慮したイライザは結婚において重要視される純潔を捨てようと考えた。 相手をどうしようかと悩んでいたイライザは町中で言い争う男女に出くわす。 イライザが女性につきまとわれて危機に陥っていた男ミケルを助けると、どうやら彼に気に入られたようで…… 「僕……リズのこと、好きになっちゃったんだ」 「……は?」 ムーンライトノベルズにも投稿しています。

処理中です...