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好き、じゃない?欲望と本能に揺れる夜
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「この……感じ、また……!」
レイナは、胸の奥がじわじわ熱くなるのを感じていた。
まるで、身体の中心が誰かを求めてうずいているような――そんな奇妙な感覚。
何もしてないのに、息が上がり、足がふらつく。
(まただ……。誰かに近づかれると、身体が反応する……)
原因はわかっていた。
それは“選ばれた聖女の身体”が、周囲の“強い感情”に共鳴してしまうという現象。
「ライアス様が睨むとゾクっとして、カイン様が触れると震えが止まらなくなって……
ジーク様が笑うだけで、心臓が跳ねる……」
そして――
誰かが触れれば触れるほど、レイナの中に眠る“聖女の力”は、強く目を覚まそうとしていた。
「……レイナ」
「っ――ライアス様……!」
振り返ると、冷ややかな金の瞳が見下ろしていた。
しかしその表情には、どこか揺らぎがあった。
「昨夜はカインに、また触れられていたな」
「い、いきなり何ですか……?」
「顔が真っ赤だった。反応していた。……否定するか?」
「う……それは……!」
言い返せない。身体は正直すぎて、ちょっと手を握られただけで震えてしまった。
「やっぱり……今のお前は、誰にでも反応する」
ライアスの指が、頬をなぞる。
熱い。触れてない場所まで、火がついたみたいだった。
「今のレイナは、“求められるほど力を引き出す”……そういう状態なんだ」
「そ、それって……どういう……」
「つまり、“迫られれば迫られるほど”で、お前自身の聖女の力が開花する」
「――!」
「俺は止めない。むしろ……誰よりも深く、お前に触れたい」
甘く囁かれた瞬間――
(ダメ……このままじゃ……)
少しの理性が吹き飛び、レイナの心の奥底で何かが強烈に弾けた。
それは脚がすくむほどの快感と恐怖だった。
(ほんとに、私、どうなっちゃうの……!?)
「あっ、あああ、あっひぃ、やあああん」
「――これは、まずいです……!」
ミリアが聖具を取り落とした。
レイナの身体から、淡く光の波が放たれている。
揺らめく髪、浮かび上がる魔紋、そして潤んだ瞳。
「レイナの“感情”が、聖女の力を引き寄せてるの……!」
それは怒りでも悲しみでもなかった。
誰にも言えない葛藤と、素直になれない心。
それらが複雑に絡み合い、レイナの中で爆発しそうになっていた。
「なんで……! どうして……!」
力を制御しきれず、空間がきしむ。
まるで、心の叫びがこの世界に影響を与え始めているようだった。
そこへ――
「……落ち着け、レイナ!」
最初に飛び込んだのは、ライアスだった。
強く抱きしめられ、レイナは息を呑んだ。
「やめてください……触らないで……! こんな姿、見られたくないの……!」
「だったら、なぜそんなに震えてる?」
「分からないの……もう、どうしたら……!」
「だったら……俺が一緒に受け止めてやる」
「……!」
彼の声は冷静で、強かった。
それだけで少しずつ、力が収まりかけた――が。
「……でも足りない」
ミリアが口を開いた。
「今のレイナは“本能”が開きかけてる。ライアス様一人じゃ……抑えられない」
「なんだって……?」
「彼女が誰かに惹かれて、揺れて、拒んで……その複雑な感情に反応して、力が暴れてるのよ。
でもそれって、逆に言えば……」
「……受け止める人が多いほど、安定するってことか」
静かに言葉を継いだのは、ジークだった。
普段は茶化してばかりの彼が、真剣な目でレイナを見つめていた。
「レイナ。お前、強がってるけどさ。
本当は、ひとりじゃ立ってられないくらい、必死なんだろ?」
「っ……やだ……そういうの、やめて……!」
「じゃあ、言わせるなよ。黙って俺たちに、甘えとけ」
そう言って、彼もレイナの肩に手を添えた。
力が、またひとつ静まる。
さらに――
「……まったく、お姫様は手がかかるな」
最後にカインが、ぼそりと囁いた。
けれどその手つきは誰よりも優しく、レイナの背を支えていた。
「な、なんで……みんな……」
「当たり前だろ」
「お前は、俺たちの――」
「……守りたいって、思ったんだよ」
「好きだからさ」
四方から包まれたレイナの力は、やがて静かに収まっていった。
レイナは、胸の奥がじわじわ熱くなるのを感じていた。
まるで、身体の中心が誰かを求めてうずいているような――そんな奇妙な感覚。
何もしてないのに、息が上がり、足がふらつく。
(まただ……。誰かに近づかれると、身体が反応する……)
原因はわかっていた。
それは“選ばれた聖女の身体”が、周囲の“強い感情”に共鳴してしまうという現象。
「ライアス様が睨むとゾクっとして、カイン様が触れると震えが止まらなくなって……
ジーク様が笑うだけで、心臓が跳ねる……」
そして――
誰かが触れれば触れるほど、レイナの中に眠る“聖女の力”は、強く目を覚まそうとしていた。
「……レイナ」
「っ――ライアス様……!」
振り返ると、冷ややかな金の瞳が見下ろしていた。
しかしその表情には、どこか揺らぎがあった。
「昨夜はカインに、また触れられていたな」
「い、いきなり何ですか……?」
「顔が真っ赤だった。反応していた。……否定するか?」
「う……それは……!」
言い返せない。身体は正直すぎて、ちょっと手を握られただけで震えてしまった。
「やっぱり……今のお前は、誰にでも反応する」
ライアスの指が、頬をなぞる。
熱い。触れてない場所まで、火がついたみたいだった。
「今のレイナは、“求められるほど力を引き出す”……そういう状態なんだ」
「そ、それって……どういう……」
「つまり、“迫られれば迫られるほど”で、お前自身の聖女の力が開花する」
「――!」
「俺は止めない。むしろ……誰よりも深く、お前に触れたい」
甘く囁かれた瞬間――
(ダメ……このままじゃ……)
少しの理性が吹き飛び、レイナの心の奥底で何かが強烈に弾けた。
それは脚がすくむほどの快感と恐怖だった。
(ほんとに、私、どうなっちゃうの……!?)
「あっ、あああ、あっひぃ、やあああん」
「――これは、まずいです……!」
ミリアが聖具を取り落とした。
レイナの身体から、淡く光の波が放たれている。
揺らめく髪、浮かび上がる魔紋、そして潤んだ瞳。
「レイナの“感情”が、聖女の力を引き寄せてるの……!」
それは怒りでも悲しみでもなかった。
誰にも言えない葛藤と、素直になれない心。
それらが複雑に絡み合い、レイナの中で爆発しそうになっていた。
「なんで……! どうして……!」
力を制御しきれず、空間がきしむ。
まるで、心の叫びがこの世界に影響を与え始めているようだった。
そこへ――
「……落ち着け、レイナ!」
最初に飛び込んだのは、ライアスだった。
強く抱きしめられ、レイナは息を呑んだ。
「やめてください……触らないで……! こんな姿、見られたくないの……!」
「だったら、なぜそんなに震えてる?」
「分からないの……もう、どうしたら……!」
「だったら……俺が一緒に受け止めてやる」
「……!」
彼の声は冷静で、強かった。
それだけで少しずつ、力が収まりかけた――が。
「……でも足りない」
ミリアが口を開いた。
「今のレイナは“本能”が開きかけてる。ライアス様一人じゃ……抑えられない」
「なんだって……?」
「彼女が誰かに惹かれて、揺れて、拒んで……その複雑な感情に反応して、力が暴れてるのよ。
でもそれって、逆に言えば……」
「……受け止める人が多いほど、安定するってことか」
静かに言葉を継いだのは、ジークだった。
普段は茶化してばかりの彼が、真剣な目でレイナを見つめていた。
「レイナ。お前、強がってるけどさ。
本当は、ひとりじゃ立ってられないくらい、必死なんだろ?」
「っ……やだ……そういうの、やめて……!」
「じゃあ、言わせるなよ。黙って俺たちに、甘えとけ」
そう言って、彼もレイナの肩に手を添えた。
力が、またひとつ静まる。
さらに――
「……まったく、お姫様は手がかかるな」
最後にカインが、ぼそりと囁いた。
けれどその手つきは誰よりも優しく、レイナの背を支えていた。
「な、なんで……みんな……」
「当たり前だろ」
「お前は、俺たちの――」
「……守りたいって、思ったんだよ」
「好きだからさ」
四方から包まれたレイナの力は、やがて静かに収まっていった。
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