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呪気と邪気
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「それは、俺の天眼が開くかどうかにかかっています」
「天眼って?」
「病気のモトがどこにいるか見通す能力です。
俺には、その能力があるはずなんですけど、今は見えない。
自分でも、どうしていいか、わからないんです」
「病気のモトって、何なの?」
「爺ちゃんは、呪気だって言ってました。
蠱という虫を作って、呪いをかけると、呪気が憑りついて病気になるんです」
「それって、院長の奥さんが言ってた邪気と関係あるのかな」
「院長の奥さんが軽井沢に引っ越したのは、三年前でしょう?」
「そうだけど」
「だったら、関係ありませんよ。
由香里ちゃんが入院したのは、一か月くらい前なんだから」
「そうか、そうだよね」
「とにかく、天眼が開くまでは、応急処置で体力を温存するしかありません。
これからもちょくちょく来るので、よろしくお願いします」
「わたしは構わないけど、早く治してもらわないと、ちょっと困るんだな」
「何かあったんですか?」
「ついさっきのことなんだけどね、わたし、部長と事務長の会話を聞いちゃったの。
もし由香里ちゃんの病気が治らなかったら、皮膚科の高木先生のせいにして、高木先生を病院から追い出そうって相談してた」
「今は部長が主治医になっているんでしょう?
由香里ちゃんの病気が治らなかったら、部長の責任じゃないですか」
「高木先生の治療が間違っていたから、治るものも治らなくなったっていう理屈よ」
「相変わらず、ワルガシコイいな」
「高木先生がいなくなったら、みんな部長の言いなりになっちゃう」
「そうなったら、この病院も終わりですね」
「だから、はやく由香里ちゃんを何とかして」
「わかりました。考えてみたら、ダイジョウブです」
「どうして?」
「だって、俺、天才だから」
「……」
星野さんは、俺の迫力に圧倒されて、口がきけなくなったみたいだ。
それにしても、俺の天眼はいつ開くんだ?
「天眼って?」
「病気のモトがどこにいるか見通す能力です。
俺には、その能力があるはずなんですけど、今は見えない。
自分でも、どうしていいか、わからないんです」
「病気のモトって、何なの?」
「爺ちゃんは、呪気だって言ってました。
蠱という虫を作って、呪いをかけると、呪気が憑りついて病気になるんです」
「それって、院長の奥さんが言ってた邪気と関係あるのかな」
「院長の奥さんが軽井沢に引っ越したのは、三年前でしょう?」
「そうだけど」
「だったら、関係ありませんよ。
由香里ちゃんが入院したのは、一か月くらい前なんだから」
「そうか、そうだよね」
「とにかく、天眼が開くまでは、応急処置で体力を温存するしかありません。
これからもちょくちょく来るので、よろしくお願いします」
「わたしは構わないけど、早く治してもらわないと、ちょっと困るんだな」
「何かあったんですか?」
「ついさっきのことなんだけどね、わたし、部長と事務長の会話を聞いちゃったの。
もし由香里ちゃんの病気が治らなかったら、皮膚科の高木先生のせいにして、高木先生を病院から追い出そうって相談してた」
「今は部長が主治医になっているんでしょう?
由香里ちゃんの病気が治らなかったら、部長の責任じゃないですか」
「高木先生の治療が間違っていたから、治るものも治らなくなったっていう理屈よ」
「相変わらず、ワルガシコイいな」
「高木先生がいなくなったら、みんな部長の言いなりになっちゃう」
「そうなったら、この病院も終わりですね」
「だから、はやく由香里ちゃんを何とかして」
「わかりました。考えてみたら、ダイジョウブです」
「どうして?」
「だって、俺、天才だから」
「……」
星野さんは、俺の迫力に圧倒されて、口がきけなくなったみたいだ。
それにしても、俺の天眼はいつ開くんだ?
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