1 / 14
プロローグ 超絶ナルシストの錬金術師「朱美」
プロローグ 青森に転生した、超絶ナルシストの錬金術師
しおりを挟む
「ここは……どこ? ……えっと……なに、ここ……」
私はある日目が覚めると、自分が見ず知らずの民家にいることに気が付いた。
「この家は、木製……? 寝床は、綿でできているのね……。後は足元には大量のビン……? けど、材質はガラスじゃないわね……」
見慣れた錬金術のための道具がそこには存在せず、代わりに木製の天井や壁、不気味なほど精巧で滑らかな材質の容器、それから見たことのないゴミに囲まれていた。
「それに、この手……私、小さくなっている?」
私の手を見ると、美しい子どもの手のようにすべすべとしている。
……小さくなったというより、子どもに戻ったような気がする。
「……あら、何かまぶしいわね……」
そして周囲を見渡している中でひときわ気になったのは、部屋の隅に置いてあるガラス製の透明な板だ。そこに人間の姿が映っている。
「ん。これは何……? ガラスに映っているのは、人……? えっと……わかった、天気の話をしているのね!」
どうやら、この地方についての話をしていることが分かった。
(言葉や文字は読めるわね……不思議だけど……)
そして周囲に置かれた事物から、ここが「青森県」という地域だということは理解できた。
多分『県』というのは、自治都市につく共通の単語だろう。
「青森……ということは……そうよ『日本』とかいう場所よね……じゃあこれは『てれび』ということね……!」
私は20年ほど前『日本人』とかいう、異世界から転生したと称する民族と出会って話をしたことがあったことを思いだした。
……この部屋は、彼らが話していた文化構造に酷似しているのだ!
(嗚呼……さすがは天才の私ね! あんな昔に見聞きしたことを克明に覚えているなんて! そして、こんなわずかな手がかりから、現在地を推測できるなんて!)
私は自身の未だ衰えない才覚に恐怖しながらも、現在私が「青森県」にいる理由を考えた。
といっても、天才の私をもってしても導き出せる答えは一つしかなかったが。
「そうよ、私は確かこの間……死んだのね……?」
そして私は、自分が置かれてきた状況を少しずつ理解してきた。
確か私は、錬金術の研究をセドナお父様と一緒にやっていたはずだ。
しかし、ある日の夜の実験の最中、突然の轟音がなったとともに記憶が薄れていったのが最後に覚えている記憶だ。
世界一完璧で崇高で、そして素晴らしき頭脳を持つこの私が、よもや調合ミスなどするはずがない。
セドナお父様も、私に足元くらいには及ぶ天才だ。やはりミスなど起こすわけがない。
ということは、恐らく私は何者かに爆殺されたのだろう。
そしてこの世界に転生したと考えれば、説明はつく。
「けど……ということは、私が元の世界で、あまりに素晴らしい発明をしたことで嫉妬を買ってしまったってことなのね……嗚呼、私が天才すぎるせいで人殺しを生んでしまうなんて! おお、神よ、彼らの罪を許したまえ……は!」
その瞬間、私は自分という人間の恐ろしさに改めて気が付いた。
(『自分を殺した相手』に対して最初に思ったことが、憎しみではなく『憐れみ』だなんて! な、なんてこと……私は優しすぎる人よね……! )
私はその、自らの果てしない慈悲深さに感動し、涙をこぼしそうになった。
だが、私は持ち前の精神力でそれを我慢し、立ち上がる。
「とにかく、今の私の状態はわかったわ。転生したということは、たぶん容姿も変わったはずよね」
そう思った私は、早速部屋の隅にあった鏡をみるべく立ち上がった。
……それにしてもなんて精巧な作りなのだろう。この世界には『錬金術』はもうないと聴いたが、代わりに『科学』という技術が発展していると、日本人から聞いたのを思い出した。
そう思って私は鏡を覗き込むと、そこには恐ろしい物が映っていた。
「な、なんてこと……信じられないわ……」
映っていたのは10歳程度の年齢をした、絶世の美少女だったのだ。
「な、なんてこと……これは、絵本の世界に出る妖精か女神様……ううん、女神様ですら、私のこの美貌の前にはただの醜女でしかない……」
なんてことなの!
ただでさえ美しかった私が、前世より※さらに可愛くなっているなんて!
(※彼女がそう思い込んでるだけで、実際の彼女の容姿は、特徴のない『地味顔』です)
さらに、私は周囲に散らばっている不思議な円筒状の容器を手に取り、その材質に衝撃を受けた。
これは飲み物の容器だろう。
そして、炭素と水素、そして酸素を重合させた物体だ。つまり……
「そうよ……この材質は、私たちの世界では伝説の道具とされた素材「ペットボトル」じゃない!」
ガラスより軽量で丈夫、そして何より私が発明したホムンクルスにとっては格好の餌となる材質『プラスチック』。それを用いた容器『ペットボトル』は、私たちの世界では、転移物に頼らなければ手に入らない貴重品だった。
……こんな恐ろしい代物が、この世界ではありふれたもののようである。
そしてとどめに、私は足元にある筒状の家具を見て、神を呪った。
「ま、まさか! ……こ、この掃除機に使われているのは……『銅線』? しかも、これほど細く精巧なものが出来るなんて!」
元の世界でも私は、日本人から聞いた話を元に掃除機を作ったことはある。、
だが、錬金術においてマナ誘導を行い、力学的な動作を行うための※ベルトローグリット効果を生み出す上で重要な役割を持つ銅は、私の大陸では希少品だった。
(※作中に彼女が口にする『専門用語』は覚えなくて問題ありません)
しかも、銅を細く伸ばして曲げられるようにした「銅線」は、その精錬の難しさも相まって、10メートルもあれば家が立つ代物だ。
(見たところ、この家は裕福ではない集合住宅……。にも関わらず、こんな宝物を当たり前に買えるのね! お、恐ろしすぎる世界ですわね……)
これなら、全ての人類に『理想の美少女ホムンクルス』でも『最高のお料理マシン』でも何でも製造してあげることが出来るくらいだ。
(ああ、なんてこと...ただでさえ天才的な頭脳を持ち、優しくて慈愛に溢れた私が……絶世の美少女としての容姿を持った上に、こんな宝物を簡単に手に入れられる世界に転生するなんて……もう、『チート』という言葉すらおこがましいわ!)
私は思わず涙しつつ指を組みながら、神を呪った。
「おお、神よ! あなたは残酷ですわ! 私のような性格も能力も完璧な天才に、これほどの恵まれた環境と肉体を与えたうえで、この世界に解き放つとは! 私と同じ時代に生まれた、全ての人間が哀れではないですか!」
とはいえ、しょうがない。
神が無能だというのは常識だ。
……さればこそ! 私は神のしりぬぐいをせねば!
「無能なる神よ! であれば私はこの世界で、あなたの失敗を正す『美しき殉教者』となりますわ! 神よ、感謝するのですわね!」
私よりはるかに愚かで冷たく、そして哀れな人々のため、この神にも勝る素晴らしい頭脳、美の象徴とも言えるこの肉体、そして何より温かく美しい心を惜しみなく使わなければ!
そしてこの世界に息づく様々な社会問題を……私の手で全て解決しなくては!
……私はそう心の中で誓った。
私はある日目が覚めると、自分が見ず知らずの民家にいることに気が付いた。
「この家は、木製……? 寝床は、綿でできているのね……。後は足元には大量のビン……? けど、材質はガラスじゃないわね……」
見慣れた錬金術のための道具がそこには存在せず、代わりに木製の天井や壁、不気味なほど精巧で滑らかな材質の容器、それから見たことのないゴミに囲まれていた。
「それに、この手……私、小さくなっている?」
私の手を見ると、美しい子どもの手のようにすべすべとしている。
……小さくなったというより、子どもに戻ったような気がする。
「……あら、何かまぶしいわね……」
そして周囲を見渡している中でひときわ気になったのは、部屋の隅に置いてあるガラス製の透明な板だ。そこに人間の姿が映っている。
「ん。これは何……? ガラスに映っているのは、人……? えっと……わかった、天気の話をしているのね!」
どうやら、この地方についての話をしていることが分かった。
(言葉や文字は読めるわね……不思議だけど……)
そして周囲に置かれた事物から、ここが「青森県」という地域だということは理解できた。
多分『県』というのは、自治都市につく共通の単語だろう。
「青森……ということは……そうよ『日本』とかいう場所よね……じゃあこれは『てれび』ということね……!」
私は20年ほど前『日本人』とかいう、異世界から転生したと称する民族と出会って話をしたことがあったことを思いだした。
……この部屋は、彼らが話していた文化構造に酷似しているのだ!
(嗚呼……さすがは天才の私ね! あんな昔に見聞きしたことを克明に覚えているなんて! そして、こんなわずかな手がかりから、現在地を推測できるなんて!)
私は自身の未だ衰えない才覚に恐怖しながらも、現在私が「青森県」にいる理由を考えた。
といっても、天才の私をもってしても導き出せる答えは一つしかなかったが。
「そうよ、私は確かこの間……死んだのね……?」
そして私は、自分が置かれてきた状況を少しずつ理解してきた。
確か私は、錬金術の研究をセドナお父様と一緒にやっていたはずだ。
しかし、ある日の夜の実験の最中、突然の轟音がなったとともに記憶が薄れていったのが最後に覚えている記憶だ。
世界一完璧で崇高で、そして素晴らしき頭脳を持つこの私が、よもや調合ミスなどするはずがない。
セドナお父様も、私に足元くらいには及ぶ天才だ。やはりミスなど起こすわけがない。
ということは、恐らく私は何者かに爆殺されたのだろう。
そしてこの世界に転生したと考えれば、説明はつく。
「けど……ということは、私が元の世界で、あまりに素晴らしい発明をしたことで嫉妬を買ってしまったってことなのね……嗚呼、私が天才すぎるせいで人殺しを生んでしまうなんて! おお、神よ、彼らの罪を許したまえ……は!」
その瞬間、私は自分という人間の恐ろしさに改めて気が付いた。
(『自分を殺した相手』に対して最初に思ったことが、憎しみではなく『憐れみ』だなんて! な、なんてこと……私は優しすぎる人よね……! )
私はその、自らの果てしない慈悲深さに感動し、涙をこぼしそうになった。
だが、私は持ち前の精神力でそれを我慢し、立ち上がる。
「とにかく、今の私の状態はわかったわ。転生したということは、たぶん容姿も変わったはずよね」
そう思った私は、早速部屋の隅にあった鏡をみるべく立ち上がった。
……それにしてもなんて精巧な作りなのだろう。この世界には『錬金術』はもうないと聴いたが、代わりに『科学』という技術が発展していると、日本人から聞いたのを思い出した。
そう思って私は鏡を覗き込むと、そこには恐ろしい物が映っていた。
「な、なんてこと……信じられないわ……」
映っていたのは10歳程度の年齢をした、絶世の美少女だったのだ。
「な、なんてこと……これは、絵本の世界に出る妖精か女神様……ううん、女神様ですら、私のこの美貌の前にはただの醜女でしかない……」
なんてことなの!
ただでさえ美しかった私が、前世より※さらに可愛くなっているなんて!
(※彼女がそう思い込んでるだけで、実際の彼女の容姿は、特徴のない『地味顔』です)
さらに、私は周囲に散らばっている不思議な円筒状の容器を手に取り、その材質に衝撃を受けた。
これは飲み物の容器だろう。
そして、炭素と水素、そして酸素を重合させた物体だ。つまり……
「そうよ……この材質は、私たちの世界では伝説の道具とされた素材「ペットボトル」じゃない!」
ガラスより軽量で丈夫、そして何より私が発明したホムンクルスにとっては格好の餌となる材質『プラスチック』。それを用いた容器『ペットボトル』は、私たちの世界では、転移物に頼らなければ手に入らない貴重品だった。
……こんな恐ろしい代物が、この世界ではありふれたもののようである。
そしてとどめに、私は足元にある筒状の家具を見て、神を呪った。
「ま、まさか! ……こ、この掃除機に使われているのは……『銅線』? しかも、これほど細く精巧なものが出来るなんて!」
元の世界でも私は、日本人から聞いた話を元に掃除機を作ったことはある。、
だが、錬金術においてマナ誘導を行い、力学的な動作を行うための※ベルトローグリット効果を生み出す上で重要な役割を持つ銅は、私の大陸では希少品だった。
(※作中に彼女が口にする『専門用語』は覚えなくて問題ありません)
しかも、銅を細く伸ばして曲げられるようにした「銅線」は、その精錬の難しさも相まって、10メートルもあれば家が立つ代物だ。
(見たところ、この家は裕福ではない集合住宅……。にも関わらず、こんな宝物を当たり前に買えるのね! お、恐ろしすぎる世界ですわね……)
これなら、全ての人類に『理想の美少女ホムンクルス』でも『最高のお料理マシン』でも何でも製造してあげることが出来るくらいだ。
(ああ、なんてこと...ただでさえ天才的な頭脳を持ち、優しくて慈愛に溢れた私が……絶世の美少女としての容姿を持った上に、こんな宝物を簡単に手に入れられる世界に転生するなんて……もう、『チート』という言葉すらおこがましいわ!)
私は思わず涙しつつ指を組みながら、神を呪った。
「おお、神よ! あなたは残酷ですわ! 私のような性格も能力も完璧な天才に、これほどの恵まれた環境と肉体を与えたうえで、この世界に解き放つとは! 私と同じ時代に生まれた、全ての人間が哀れではないですか!」
とはいえ、しょうがない。
神が無能だというのは常識だ。
……さればこそ! 私は神のしりぬぐいをせねば!
「無能なる神よ! であれば私はこの世界で、あなたの失敗を正す『美しき殉教者』となりますわ! 神よ、感謝するのですわね!」
私よりはるかに愚かで冷たく、そして哀れな人々のため、この神にも勝る素晴らしい頭脳、美の象徴とも言えるこの肉体、そして何より温かく美しい心を惜しみなく使わなければ!
そしてこの世界に息づく様々な社会問題を……私の手で全て解決しなくては!
……私はそう心の中で誓った。
0
あなたにおすすめの小説
失礼ながら殿下……私の目の前に姿を現すな!!
星野日菜
ファンタジー
転生したら……え? 前世で読んだ少女漫画のなか?
しかもヒロイン?
……あの王子変態すぎて嫌いだったんだけど……?
転生令嬢と国の第二王子のクエスチョンラブコメです。
本編完結済み
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
精霊に愛される(呪いにもにた愛)少女~全属性の加護を貰う~
如月花恋
ファンタジー
今この世界にはたくさんの精霊がいる
その精霊達から生まれた瞬間に加護を貰う
稀に2つ以上の属性の2体の精霊から加護を貰うことがある
まぁ大体は親の属性を受け継ぐのだが…
だが…全属性の加護を貰うなど不可能とされてきた…
そんな時に生まれたシャルロッテ
全属性の加護を持つ少女
いったいこれからどうなるのか…
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる