8 / 16
第3章 彼女には、やりがいがあって楽しい仕事をあてがおう
3-1 女性の幸福は男性に比べると定義が難しい
しおりを挟む
「よし、男性の幸福度が急上昇! これで問題ないな……!」
そう、セドナは彼らの状況を見て笑みを浮かべていた。
無論、ミカやリエルのような女を「あてがわれた」のは彼だけではない。
世界中の独身男性に、彼女たちのような異性をあてがった。
これによって男性たちの幸福度が上がり、ネットなどでもいわゆる『女叩き』に精を出すようなものは居なくなった。
それを見てセドナはつぶやく。
「やっぱり男性は、ああいう『家事も仕事も任せられる美少女』を二人あてがえば、みんな幸せになるんだな。うん。これで『人類の発展』に一歩近づいたな」
因みにセドナは、ネットの情報を参考に『人類の永劫たる発展』を目指している。
そのため、
「世の人々が皆満たされ、他者に優しくするだけの余裕を持った世界であれば、人々は子どもを持ちたがり、科学技術も発展し、そして永遠の繁栄に繋がっていく」
と考えている。
これが正しいかどうかは、すぐに分かるのだが。
「……よし、じゃあ次は女性を幸福にする番だ!」
そういいながらセドナはパソコンを開いて再度、女性の人生について調べ始めた。
だが、しばらく考えた後セドナは頭を搔きながらつぶやく。
「……なるほど。女性は男性より複雑だな」
そして、少し考え込むような様子を見せ、つぶやく。
「……女性は必ずしも『男をあてがう』ことだけじゃ、幸せにならないみたいだな……。幸福の形が「若い美人と添い遂げる」に偏りがちな男性に比べると多様ってことだな……」
そういいながらセドナは「幸福そうな女性」の姿を頭に思い浮かべた。
一生懸命に現在の仕事に邁進している女性。
愛する我が子を抱きかかえながら、夫と子育てをしている女性。
仲のいい女友達と二人で街を練り歩きながら、クレープを食べている女性。
アイドルとして周りからちやほやされながら、人気と注目を集めている女性。
そんな姿を見ながらも、
「けど共通しているのは……3つかな」
「『他者に対してどんな態度をとっても、受け入れてもらえること』。
『自分のやりたいことを思いっきりやって、それを周りから褒めてもらえること』
『周りから凄い、かっこいいと言われるような人と親友や恋人になること』
……っていうことが幸福に寄与するのは、みんな大体同じか」
そういいながらも、セドナは男性との違いを改めて感じ取った。
たとえば、
『自分がそっけない態度をとっても、相手は自分にベタぼれしてくれる』
『自分の趣味や興味に100%理解を示してくれる上に、それを評価してもらえる』
という都合のいい関係を望むのは男女共通だ。
だが、
「自分の恋人を友人に見せて『凄い』『羨ましい』と言われたい」
という気持ちについては、女性のほうが強いとセドナは感じた。
このような男女の価値観の違いを(表面上は)理解したセドナは、また気合いをこめ始める。
「よし、決めたぞ! はああ……」
そして「やあ!」という音とともに、また3人の『天使』を呼び出した。
中年の男性が1名、そして若い女性が2名。いずれも美しい容姿をしている。
「造物主セドナ様。ご命令を」
そしてその中年の男性は恭しい態度で尋ねた。
「まず、君は会社を作るんだ。『クリエイティブで楽しい仕事』を生み出して「この子」を雇って?」
そういいながらセドナは今回のターゲットになる女性の写真を見せた。
分厚く、学生時代から使っているのであろう眼鏡を身に着けた、あまり身なりに気を使っていない女性だ。
職業はフリーターだが、他者の立場を尊重した会話が苦手ということもあり、トラブルをあちこちで起こしているため、仕事は長続きしていない。
だが、この『天使』の男性は、そんなことを気に留めたりしない。
「仰せのままに」
そうやや大仰に頭を下げる。
更にセドナは、隣にいた別の女性にも声をかける。
「そして君は、その職場で『面倒な雑務』を全部やるんだ」
「清掃やコピー紙の補充とかね? 任せて!」
彼女はそうにっこりと笑って胸を叩いた。
そしてセドナは最後の女性に声をかけようとする。
だが彼女はやや興奮した様子でセドナに尋ねる。
「ご主人様、私に娯楽を! 小説でも漫画でも映画でも、何でもいいです!」
自分で作った『天使』だが、彼女のそんな態度を見て少し呆れた表情を見せながらも、セドナは答える。
「君はとにかく小説や漫画を見て『いい感想』を沢山残してね?」
「小説や漫画をたっくさん読んで、たっくさん作家さんを応援すればいいのよね?」
「そう。頑張ってね」
「おっけー! 私、どんな作品も大好きだから楽しみ~!」
そういうと彼女は楽しそうに拳を振り上げた。
そう、セドナは彼らの状況を見て笑みを浮かべていた。
無論、ミカやリエルのような女を「あてがわれた」のは彼だけではない。
世界中の独身男性に、彼女たちのような異性をあてがった。
これによって男性たちの幸福度が上がり、ネットなどでもいわゆる『女叩き』に精を出すようなものは居なくなった。
それを見てセドナはつぶやく。
「やっぱり男性は、ああいう『家事も仕事も任せられる美少女』を二人あてがえば、みんな幸せになるんだな。うん。これで『人類の発展』に一歩近づいたな」
因みにセドナは、ネットの情報を参考に『人類の永劫たる発展』を目指している。
そのため、
「世の人々が皆満たされ、他者に優しくするだけの余裕を持った世界であれば、人々は子どもを持ちたがり、科学技術も発展し、そして永遠の繁栄に繋がっていく」
と考えている。
これが正しいかどうかは、すぐに分かるのだが。
「……よし、じゃあ次は女性を幸福にする番だ!」
そういいながらセドナはパソコンを開いて再度、女性の人生について調べ始めた。
だが、しばらく考えた後セドナは頭を搔きながらつぶやく。
「……なるほど。女性は男性より複雑だな」
そして、少し考え込むような様子を見せ、つぶやく。
「……女性は必ずしも『男をあてがう』ことだけじゃ、幸せにならないみたいだな……。幸福の形が「若い美人と添い遂げる」に偏りがちな男性に比べると多様ってことだな……」
そういいながらセドナは「幸福そうな女性」の姿を頭に思い浮かべた。
一生懸命に現在の仕事に邁進している女性。
愛する我が子を抱きかかえながら、夫と子育てをしている女性。
仲のいい女友達と二人で街を練り歩きながら、クレープを食べている女性。
アイドルとして周りからちやほやされながら、人気と注目を集めている女性。
そんな姿を見ながらも、
「けど共通しているのは……3つかな」
「『他者に対してどんな態度をとっても、受け入れてもらえること』。
『自分のやりたいことを思いっきりやって、それを周りから褒めてもらえること』
『周りから凄い、かっこいいと言われるような人と親友や恋人になること』
……っていうことが幸福に寄与するのは、みんな大体同じか」
そういいながらも、セドナは男性との違いを改めて感じ取った。
たとえば、
『自分がそっけない態度をとっても、相手は自分にベタぼれしてくれる』
『自分の趣味や興味に100%理解を示してくれる上に、それを評価してもらえる』
という都合のいい関係を望むのは男女共通だ。
だが、
「自分の恋人を友人に見せて『凄い』『羨ましい』と言われたい」
という気持ちについては、女性のほうが強いとセドナは感じた。
このような男女の価値観の違いを(表面上は)理解したセドナは、また気合いをこめ始める。
「よし、決めたぞ! はああ……」
そして「やあ!」という音とともに、また3人の『天使』を呼び出した。
中年の男性が1名、そして若い女性が2名。いずれも美しい容姿をしている。
「造物主セドナ様。ご命令を」
そしてその中年の男性は恭しい態度で尋ねた。
「まず、君は会社を作るんだ。『クリエイティブで楽しい仕事』を生み出して「この子」を雇って?」
そういいながらセドナは今回のターゲットになる女性の写真を見せた。
分厚く、学生時代から使っているのであろう眼鏡を身に着けた、あまり身なりに気を使っていない女性だ。
職業はフリーターだが、他者の立場を尊重した会話が苦手ということもあり、トラブルをあちこちで起こしているため、仕事は長続きしていない。
だが、この『天使』の男性は、そんなことを気に留めたりしない。
「仰せのままに」
そうやや大仰に頭を下げる。
更にセドナは、隣にいた別の女性にも声をかける。
「そして君は、その職場で『面倒な雑務』を全部やるんだ」
「清掃やコピー紙の補充とかね? 任せて!」
彼女はそうにっこりと笑って胸を叩いた。
そしてセドナは最後の女性に声をかけようとする。
だが彼女はやや興奮した様子でセドナに尋ねる。
「ご主人様、私に娯楽を! 小説でも漫画でも映画でも、何でもいいです!」
自分で作った『天使』だが、彼女のそんな態度を見て少し呆れた表情を見せながらも、セドナは答える。
「君はとにかく小説や漫画を見て『いい感想』を沢山残してね?」
「小説や漫画をたっくさん読んで、たっくさん作家さんを応援すればいいのよね?」
「そう。頑張ってね」
「おっけー! 私、どんな作品も大好きだから楽しみ~!」
そういうと彼女は楽しそうに拳を振り上げた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる