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第4章 人生をやり直すためなら、人は悪魔にもなれるのか
4-4 「慎重派」な行動が最善とは限らないが……
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それから数日後、未夏たちは『永遠の輪廻の都』の近くまで来ていた。
「ほら、未夏? ぐずぐずしないでください!」
「ち、ちょっと待ってくださいよ……」
同行者は未夏とラジーナのほかはエイドだけだ。
未夏の言う通り、このあたりにはモンスターは出ない。そのため、護衛は連れて行っていない。
……というより、国交が改善しつつあるとはいえ、他国の要人であるラジーナが、ぞろぞろと護衛を連れていくわけにもいかないためでもあるが。
「はあ……はあ……」
「未夏、ちょっと荷物を持たせてくれるか?」
「あ、ありがとうございます、エイド様……」
未夏はあまり運動が得意ではない。
そのこともあり、ラジーナやエイドの体力にはまるでついていくことができず、へとへとになっていた。
護身用の武器をのぞいて、未夏は着替えなどの荷物をエイドに渡す。
「それにしても、暑くなってきたわね……」
「ああ。そろそろ夏が近づいているからな……」
空を見ると、初夏の日差しが燦燦と輝いている。
そして未夏はつぶやく。
「今年の夏は……ラジーナ様や、エイド様と一緒に海にでも行きたいですね……」
「ああ、いいな! テルソスやディアナ様も誘おうか。勿論ウノーもな」
「……ウノー様は先約があるから……今年の彼は、海に行く予定ばっかりになりそうですね」
「やっぱり、そうだったか。あいつらしいな」
「どっちにしても……『因果律の鎖』を確保しないと、それも叶わないですからね」
万が一『因果律の鎖』がオルティーナの手に渡ったら、最悪この世界がまたやり直しということになる。
その場合、元々もこの国の住民ではない未夏がどうなるかは分からない。だが、少なくともろくなことにはならないだろう。
……未来に訪れる夏を思いながら、未夏は山を上っていった。
それからしばらくののち。
「見えましたわ、未夏! ほら、あそこ!」
「え?」
ラジーナがそんな風に指さした先には『永遠の輪廻の都』があった。
「このあたりは確か単なる盆地だったのに……確かに、都市が現れているな。それに、あの街並みのつくりは……俺たちの国のものとまったく異なる……」
聖ジャルダン国の文化に詳しいエイドはそう少し驚いたようにつぶやいた。
「どうされます、ラジーナ様? 『永遠の輪廻の都』を見つけたことですし、一度引き返してはいかがでしょう?」
「ああ。俺もそのほうがいいと思う。改めて護衛と仲間を連れて訪れないか?」
だがラジーナは首を振った。
「いえ。念のため『因果律の鎖』が存在するかだけでも確認する必要がありますので。……すみませんが、ついてきてくださる?」
そういわれたら、二人は断るわけにはいかない。
「……私がいないと、どの建物に『因果律の鎖』が安置されているか分からないですよね?」
「俺は……どこまでもラジーナ様にお供するよ」
そういって、都の内部に入っていった。
「祭壇はこちらです、ラジーナ様? 分かりにくいところにありますが……」
「流石ですね、未夏。一度も訪れたことのない街を自分の街のように案内できるなんて」
「いえいえ」
実際にゲーム本編では何度もこの街を訪れていたので未夏にとってはここは初めてじゃない。
そのように恐縮しながらも、未夏は祭壇の方に急いだ。
……だが、祭壇の前には見知った顔の男がいた。
「フォスター将軍……?」
大変身なりのいい、端麗な容姿を持つその男はフォスター将軍。
未夏にとっては『最推し』の相手だ。
とはいえ、今世では彼は未夏のことを『天才薬師』としか思っておらず、特に感情をこめる様子もない。
彼は冷静な口調で、未夏たちにつぶやく。
「来るとは思っていた。オルティーナ様が、あなたたちを警戒していたからな」
「フォスター将軍……やっぱり、先についていたのね?」
「そうだ。……悪いが、ここは通せない。……今すぐ立ち去ってくれないか?」
あえて剣を抜かずに警告するところがフォスター将軍らしいというところだろう。
「……祭壇の奥に向かったのは、オルティーナね? 狙いは……因果律の鎖ね?」
「……そうだ。あなたたちも同様だとは思うがな……」
言い逃れをすることは出来ないと思ったのだろう、フォスター将軍はそうつぶやいた。
だが、それを見てラジーナは激昂する。
「あなた……自分が何をしているのか分かっているの?」
「何が、とは?」
「もしあの子が『因果律の鎖』を手にしたら……やることなんて分かっているでしょ?」
オルティーナが周囲から疎まれていたことは、すでにラジーナの耳にも届いている(当然伝えたのはエイドだが)。
この状況で彼女が因果律の鎖を手にしたら『もう一度、人生をやり直そう』といってこの世界そのものを消滅させるに違いない。
……というより、前世でも同じことを彼女は行ったのだから当然だが。
だが、フォスター将軍は当然のようにうなづいた。
……その眼は、今までに何度も見てきた『転生者の眼』をしている。
「今私が『前世の記憶』を持っているのだから、察しはつく。……私を含む世界が……消滅するということくらいは分かるさ。恐らく今度は『前世の記憶』は持たないだろうこともな」
「じゃあ、なんで戦うのよ!?」
「……私はオルティーナ様を守るもの……。前世でオルティーナ様を守れなかったのだから……今世ではせめて、最後の最後まで彼女の味方になると決めたのだ!」
そう叫びながら剣を構えるフォスター将軍。
「説得は……無理そうね……」
「エイド……頼みますわ?」
「はい……」
そういうとエイドは一歩前に出て、剣を抜く。
「フォスター……。久しぶりだ。恩人のあなたと、こんなところで戦うことになるのは悲しいよ」
「私もだ。……どうしてこんな風になったのだろうな……私は、君とラジーナが幸せに暮らしていたことを喜んでいたのに……」
「ああ……」
そうつぶやきながらも、フォスター将軍は剣を抜く。
「いくぞ!」
そして神速の速さで飛び込んできた。
「ぐ……!」
その一撃を魔法でいなすエイド。
だが、両者の力の差は歴然だ。
エイドはフォスター将軍の剣に、一方的に押し込まれていた。
「お前が一度でも私に勝ったことがあったか? 諦めてそこを退くんだ!」
「そういうわけには……いかなくてね!」
そういいながらも必死で反撃するが、やはりエイドには勝利の目は薄い。
(どうするの、これ……って、ラジーナ様?」
だが、その隙にラジーナは後ろに回り込んでいた。
それを見て未夏は気づいた。
……今にして思うと、先ほどエイドには『勝て』とは言っていなかった。
あれは、単に囮として役立ってほしいという意味だったのだ。
「エイド、よくやりましたわ! くらいなさい!」
そう叫ぶと、オルティーナは懐から薬瓶を取り出し、フォスター将軍に投げつける。
「させるか!」
だが、フォスター将軍は一瞬早くその薬瓶が割れないようにキャッチし、
「はあ!」
ブン、と、はるか彼方に放り投げ、遠くで薬瓶が割れる音がした。
「……悪いが、その方法は通じない。戦術はすでに、私の国にも伝わっている」
そういうと、フォスター将軍はドカッとエイドを蹴り飛ばす。
「ぐ……」
肋骨が折れたのだろう、エイドはすぐには立ち上がれない。
そしてラジーナの方をにらみつけ、冷静な口調でつぶやく。
「あなたは重要な身柄……殺しはしませんが……多少痛い目に会っていただくことになりますよ?」
「……あら……」
そう凄むフォスター将軍に対して、ラジーナは驚いた様子も見せずに笑みを浮かべる。
「……驚きましたわね?」
「なにがだ?」
「あなたがまだ動けることが……ですよ? 薬瓶の『中』に毒を詰めたなんて誰も言ってませんわよね?」
「なに……ぐ……!」
そういうなり、フォスター将軍は急にふらりと膝をついた。
「な、何をした……」
「気づきませんの? 一度、手袋を外して御覧なさい?」
「む……く……そういうことか……」
初夏の日差しが強い時期ということもあり、フォスター将軍は薄手の手袋をつけていた。
だが、その手袋を外すと右手だけ異常なほど変色していたことに気が付いたのだ。
「薬瓶そのものに……薬を塗っていた、ということ……か……」
「ええ。あなたのような方に、まともに攻撃が通じるとは思いませんもの。皮膚吸収でも効く、強力な奴ですわ?」
また、この薬は強力な『不眠治療』にこの世界で使われているものだ。
即ち『毒』ではないので、フォスター将軍にも効果がある。
ラジーナはその隙に、護身用の剣を持ち、鞘ごと振りかぶった。
「よ、よせ、やめろ!」
朦朧としてろれつが回らないのだろう、だがフォスター将軍は異常なほど取り乱した様子で叫んだ。
ラジーナはフン、と笑みを浮かべた。……このあたりは『冷血の淑女』と言った様子だろう。
「今更将軍が泣き言なんて、らしくありませんわね? ……しばらく眠っていてくださいね!」
「だめだ! 私が倒れたら……!」
だが、ラジーナは渾身の力とともにガン! と彼の顎を揺らすように剣を振りぬいた。
「がは……」
そういうと、フォスター将軍は倒れこむ。
「……さて……いきましょうか、みな……」
「下がれ、ラジーナ!」
だが、その瞬間にエイドは飛び出し、ドン! とラジーナを突き飛ばす。
「きゃあ! 何するの、エイド……」
「くそ……! 魔力が足りるか……!?」
エイドはそう叫ぶと、フォスター将軍を包むように魔法障壁を展開した。
「え、あなたは何を……」
「未夏、伏せろ! ラジーナ! 全力で防御魔法を展開しろ!」
未夏は、彼の身体が徐々に光を発していることに気が付いた。
(あれは確か……原作でやった非道の法……まさか、オルティーナ!)
未夏が伏せた次の瞬間、ドガアアアアン……という凄まじい音と閃光があたりに響いた。
「ほら、未夏? ぐずぐずしないでください!」
「ち、ちょっと待ってくださいよ……」
同行者は未夏とラジーナのほかはエイドだけだ。
未夏の言う通り、このあたりにはモンスターは出ない。そのため、護衛は連れて行っていない。
……というより、国交が改善しつつあるとはいえ、他国の要人であるラジーナが、ぞろぞろと護衛を連れていくわけにもいかないためでもあるが。
「はあ……はあ……」
「未夏、ちょっと荷物を持たせてくれるか?」
「あ、ありがとうございます、エイド様……」
未夏はあまり運動が得意ではない。
そのこともあり、ラジーナやエイドの体力にはまるでついていくことができず、へとへとになっていた。
護身用の武器をのぞいて、未夏は着替えなどの荷物をエイドに渡す。
「それにしても、暑くなってきたわね……」
「ああ。そろそろ夏が近づいているからな……」
空を見ると、初夏の日差しが燦燦と輝いている。
そして未夏はつぶやく。
「今年の夏は……ラジーナ様や、エイド様と一緒に海にでも行きたいですね……」
「ああ、いいな! テルソスやディアナ様も誘おうか。勿論ウノーもな」
「……ウノー様は先約があるから……今年の彼は、海に行く予定ばっかりになりそうですね」
「やっぱり、そうだったか。あいつらしいな」
「どっちにしても……『因果律の鎖』を確保しないと、それも叶わないですからね」
万が一『因果律の鎖』がオルティーナの手に渡ったら、最悪この世界がまたやり直しということになる。
その場合、元々もこの国の住民ではない未夏がどうなるかは分からない。だが、少なくともろくなことにはならないだろう。
……未来に訪れる夏を思いながら、未夏は山を上っていった。
それからしばらくののち。
「見えましたわ、未夏! ほら、あそこ!」
「え?」
ラジーナがそんな風に指さした先には『永遠の輪廻の都』があった。
「このあたりは確か単なる盆地だったのに……確かに、都市が現れているな。それに、あの街並みのつくりは……俺たちの国のものとまったく異なる……」
聖ジャルダン国の文化に詳しいエイドはそう少し驚いたようにつぶやいた。
「どうされます、ラジーナ様? 『永遠の輪廻の都』を見つけたことですし、一度引き返してはいかがでしょう?」
「ああ。俺もそのほうがいいと思う。改めて護衛と仲間を連れて訪れないか?」
だがラジーナは首を振った。
「いえ。念のため『因果律の鎖』が存在するかだけでも確認する必要がありますので。……すみませんが、ついてきてくださる?」
そういわれたら、二人は断るわけにはいかない。
「……私がいないと、どの建物に『因果律の鎖』が安置されているか分からないですよね?」
「俺は……どこまでもラジーナ様にお供するよ」
そういって、都の内部に入っていった。
「祭壇はこちらです、ラジーナ様? 分かりにくいところにありますが……」
「流石ですね、未夏。一度も訪れたことのない街を自分の街のように案内できるなんて」
「いえいえ」
実際にゲーム本編では何度もこの街を訪れていたので未夏にとってはここは初めてじゃない。
そのように恐縮しながらも、未夏は祭壇の方に急いだ。
……だが、祭壇の前には見知った顔の男がいた。
「フォスター将軍……?」
大変身なりのいい、端麗な容姿を持つその男はフォスター将軍。
未夏にとっては『最推し』の相手だ。
とはいえ、今世では彼は未夏のことを『天才薬師』としか思っておらず、特に感情をこめる様子もない。
彼は冷静な口調で、未夏たちにつぶやく。
「来るとは思っていた。オルティーナ様が、あなたたちを警戒していたからな」
「フォスター将軍……やっぱり、先についていたのね?」
「そうだ。……悪いが、ここは通せない。……今すぐ立ち去ってくれないか?」
あえて剣を抜かずに警告するところがフォスター将軍らしいというところだろう。
「……祭壇の奥に向かったのは、オルティーナね? 狙いは……因果律の鎖ね?」
「……そうだ。あなたたちも同様だとは思うがな……」
言い逃れをすることは出来ないと思ったのだろう、フォスター将軍はそうつぶやいた。
だが、それを見てラジーナは激昂する。
「あなた……自分が何をしているのか分かっているの?」
「何が、とは?」
「もしあの子が『因果律の鎖』を手にしたら……やることなんて分かっているでしょ?」
オルティーナが周囲から疎まれていたことは、すでにラジーナの耳にも届いている(当然伝えたのはエイドだが)。
この状況で彼女が因果律の鎖を手にしたら『もう一度、人生をやり直そう』といってこの世界そのものを消滅させるに違いない。
……というより、前世でも同じことを彼女は行ったのだから当然だが。
だが、フォスター将軍は当然のようにうなづいた。
……その眼は、今までに何度も見てきた『転生者の眼』をしている。
「今私が『前世の記憶』を持っているのだから、察しはつく。……私を含む世界が……消滅するということくらいは分かるさ。恐らく今度は『前世の記憶』は持たないだろうこともな」
「じゃあ、なんで戦うのよ!?」
「……私はオルティーナ様を守るもの……。前世でオルティーナ様を守れなかったのだから……今世ではせめて、最後の最後まで彼女の味方になると決めたのだ!」
そう叫びながら剣を構えるフォスター将軍。
「説得は……無理そうね……」
「エイド……頼みますわ?」
「はい……」
そういうとエイドは一歩前に出て、剣を抜く。
「フォスター……。久しぶりだ。恩人のあなたと、こんなところで戦うことになるのは悲しいよ」
「私もだ。……どうしてこんな風になったのだろうな……私は、君とラジーナが幸せに暮らしていたことを喜んでいたのに……」
「ああ……」
そうつぶやきながらも、フォスター将軍は剣を抜く。
「いくぞ!」
そして神速の速さで飛び込んできた。
「ぐ……!」
その一撃を魔法でいなすエイド。
だが、両者の力の差は歴然だ。
エイドはフォスター将軍の剣に、一方的に押し込まれていた。
「お前が一度でも私に勝ったことがあったか? 諦めてそこを退くんだ!」
「そういうわけには……いかなくてね!」
そういいながらも必死で反撃するが、やはりエイドには勝利の目は薄い。
(どうするの、これ……って、ラジーナ様?」
だが、その隙にラジーナは後ろに回り込んでいた。
それを見て未夏は気づいた。
……今にして思うと、先ほどエイドには『勝て』とは言っていなかった。
あれは、単に囮として役立ってほしいという意味だったのだ。
「エイド、よくやりましたわ! くらいなさい!」
そう叫ぶと、オルティーナは懐から薬瓶を取り出し、フォスター将軍に投げつける。
「させるか!」
だが、フォスター将軍は一瞬早くその薬瓶が割れないようにキャッチし、
「はあ!」
ブン、と、はるか彼方に放り投げ、遠くで薬瓶が割れる音がした。
「……悪いが、その方法は通じない。戦術はすでに、私の国にも伝わっている」
そういうと、フォスター将軍はドカッとエイドを蹴り飛ばす。
「ぐ……」
肋骨が折れたのだろう、エイドはすぐには立ち上がれない。
そしてラジーナの方をにらみつけ、冷静な口調でつぶやく。
「あなたは重要な身柄……殺しはしませんが……多少痛い目に会っていただくことになりますよ?」
「……あら……」
そう凄むフォスター将軍に対して、ラジーナは驚いた様子も見せずに笑みを浮かべる。
「……驚きましたわね?」
「なにがだ?」
「あなたがまだ動けることが……ですよ? 薬瓶の『中』に毒を詰めたなんて誰も言ってませんわよね?」
「なに……ぐ……!」
そういうなり、フォスター将軍は急にふらりと膝をついた。
「な、何をした……」
「気づきませんの? 一度、手袋を外して御覧なさい?」
「む……く……そういうことか……」
初夏の日差しが強い時期ということもあり、フォスター将軍は薄手の手袋をつけていた。
だが、その手袋を外すと右手だけ異常なほど変色していたことに気が付いたのだ。
「薬瓶そのものに……薬を塗っていた、ということ……か……」
「ええ。あなたのような方に、まともに攻撃が通じるとは思いませんもの。皮膚吸収でも効く、強力な奴ですわ?」
また、この薬は強力な『不眠治療』にこの世界で使われているものだ。
即ち『毒』ではないので、フォスター将軍にも効果がある。
ラジーナはその隙に、護身用の剣を持ち、鞘ごと振りかぶった。
「よ、よせ、やめろ!」
朦朧としてろれつが回らないのだろう、だがフォスター将軍は異常なほど取り乱した様子で叫んだ。
ラジーナはフン、と笑みを浮かべた。……このあたりは『冷血の淑女』と言った様子だろう。
「今更将軍が泣き言なんて、らしくありませんわね? ……しばらく眠っていてくださいね!」
「だめだ! 私が倒れたら……!」
だが、ラジーナは渾身の力とともにガン! と彼の顎を揺らすように剣を振りぬいた。
「がは……」
そういうと、フォスター将軍は倒れこむ。
「……さて……いきましょうか、みな……」
「下がれ、ラジーナ!」
だが、その瞬間にエイドは飛び出し、ドン! とラジーナを突き飛ばす。
「きゃあ! 何するの、エイド……」
「くそ……! 魔力が足りるか……!?」
エイドはそう叫ぶと、フォスター将軍を包むように魔法障壁を展開した。
「え、あなたは何を……」
「未夏、伏せろ! ラジーナ! 全力で防御魔法を展開しろ!」
未夏は、彼の身体が徐々に光を発していることに気が付いた。
(あれは確か……原作でやった非道の法……まさか、オルティーナ!)
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