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第28話 地底湖に潜む影 【配信回】
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水門を開け、地底湖を奥へと進む。途中何度か部屋のような空間を通り、宝箱からアイテムを入手した。そして、壁に模様が刻まれた部屋を抜けた所で、パタリと道が途切れた。道は無く、その奥に広い広い地底湖が続くだけの空間に。
「あれ? 道が無くなったわよ?」
「これで終わりなのかにゃあ? ブリッツアンギラの情報は嘘だったのかにゃあ……」
ナーゴが大袈裟な仕草で肩を落とした。
俺の勘が告げている。あれほど入り組んだ構成だったんだ。これで終わりのはずがない。
照明魔法を放ち、周囲を見渡す。すると、宝箱が置いてあるのが目についた。
「あ、宝箱よ!」
アイルが駆け寄り宝箱を開ける。中には青い宝石の付いたアミュレットが一つ入っていた。
「えぇ~? こんな立派な宝箱なのにこれだけしかないのぉ?」
「ここに来るまでにあった宝箱の方がよっぽど良かったにゃ!」
プンプンと怒る2人。アイルの手にある青い宝石を見た時、何か違和感を覚えた。
「そのアミュレット鑑定してやるよ」
「え?」
アイルのアミュレットに手をかざし、鑑定魔法を発動する。アミュレットがキラリと光り、俺の脳内に情報が流れ込む。
流れてきたのは3つのワード。普通の装備品ならあり得ないような短い情報だった。
鑑定魔法はそのアイテムに宿った記憶を読み取る魔法……符呪や効果を持っていればその情報が記憶として残る。もっと大量の情報が頭に流れ込むはずだ。
鍵。地底湖。道。
「んん? これ……なんかの鍵みたいだな」
そういえばこの違和感。このアミュレットの形。ここに入る直前の部屋で見た模様と同じじゃねぇか。
3人で1つ前の部屋に戻る。気になっていた壁の模様を見ると、アミュレットの輪郭にそっくりな見た目をしていた。
「何見てるの?」
「これ、もしかしたらギミックかもな。アミュレットを貸してくれ」
アイルからアミュレットを借り、模様に宛てがう。すると、壁の模様にアミュレットが吸い込まれていった。
「消えたにゃ!?」
ナーゴが驚いた直後。ダンジョン内に轟音が響き渡った。
「きゃああああ!?」
「だ、ダンジョンが崩れるのかにゃ!?」
「落ち着け。多分違うぞ」
もう一度、地底湖への空間へと向かう。すると、先ほどまで湖しかなかった空間に、橋が現れていた。
「すご! さっきは何も無かったのに!?」
「魔法みたいだにゃ!」
「やっぱりな。さっきまで水を抜いて進んできただろ? この湖も水位が下がったんだよ。アミュレットはこのデカい地底湖の水を抜く装置の鍵だったみたいだ」
凝ってるなぁ……これは、想像以上に良いダンジョンだぜ。
よく見ると、橋の奥に小さな島のような物がある。青い炎が灯り、うっすらと湖の中心に平坦な空間があることだけは分かった。
「あそこがボス戦のフィールドみたいだな」
ボス戦、と聞いてアイルのテンションが一気に上がる。彼女はスマホを操作して配信の準備を始めた。
「よーし! そろそろ配信始めちゃうわよ~! ボス戦は私のチャンネルで配信するけど大丈夫?」
「ナーゴはお料理の配信だけさせてもらえばいいにゃん♡」
「オッケー。じゃあナーゴにもコメント見えるようにするわね。ヨロイさんは?」
「俺はいい。集中したい」
「いっつもそれよねぇ。分かったわよぉ」
子供っぽく頬を膨らませたアイル。彼女は不貞腐れた様子で配信を始めた。
俺なんか変なこと言ったか?
しかし、ドローンに赤いランプが灯るとその表情は笑顔になる。一瞬の切り替え。ホントにこういう所はプロだよな。
「ツェッターの告知通り、これからボス戦に挑むわよ~!」
〈アイルちゃんかわいい〉
〈がんばえ~〉
〈461さんは?〉
〈後ろでなんか準備してるw〉
「今日は461さんと~この子もいまーす♡」
アイルが大袈裟な動きでナーゴを紹介する。着ぐるみの猫は、ドローンに向かってあざといポーズをキメた。
「にゃ! みんなよろしくにゃ♡」
〈なんだコイツ!?〉
〈猫の着ぐるみがいる〉
〈ネコネコナーゴちゃんねるのナーゴ:wotaku〉
〈ウォタクニキやん!〉
〈詳しいな~〉
〈モンスター食を紹介してる配信者:wotaku〉
「にゃにゃ! 詳しい人がいるにゃ♡ 嬉しいにゃ~」
ナーゴが高速でウネウネする。恥ずかしいのか、両手で顔までスリスリと撫で回しながら。
〈なんかイラッとするな〉
〈ぶん殴りたくなるンゴ〉
〈可愛いじゃん〉
〈可哀想なこと言うのやめろよ〉
〈ナーゴはイラ可愛いでコアな人気がある:wotaku〉
〈イラ可愛いとかwww〉
「にゃにゃ~! ナーゴはイラ可愛いじゃないのにゃ! 普通に可愛いのにゃ~!」
ナーゴの悲痛な叫びが周囲にこだました。
◇◇◇
照明魔法を灯しながら、地底湖の橋を進む。橋から地底湖を見つめると、真っ暗な水面がどこまでも続いていた。
〈雰囲気ヤバ〉
〈いかにもボス手前って感じじゃん〉
〈品川のボスって何なん?〉
〈ブリッツアンギラ。電撃攻撃が得意なウナギ:wotaku〉
〈電気ウナギか〉
〈戦いにくそうだな~〉
「あ! 橋の終わりが見えてきたわよ!」
「青い炎が不気味だにゃ~」
橋の終着点にある小島に到着する。石畳みの床に足を置いて辺りを見渡す。円形の広い足場。4箇所に設置された青い炎の燭台。いかにもな造形だな。
「え、何この音……?」
アイルが湖の方を見る。
「アイルちゃん。何かどうしたのかにゃ?」
「何か波みたいな音が……」
波みたいな音? 周囲に耳を澄ます。すると、確かに音が聞こえた。
ザザ──。
ザザザザ──。
〈怖え……〉
〈ビビりw〉
〈電気ウナギだけにって?〉
〈おっさんウザ〉
ザザザザザザ──。
〈ワクワク〉
〈461さんなら苦戦はせんよなぁ~?〉
〈またアンチ〉
〈来るぞ:wotaku〉
ザザザザザザザザザザザザザザザザッ──。
波の音が大きくなったと思った直後。
水面が爆発したような音が響き、巨大なヘビのようなシルエットが見えた。
「アアアアアアアアアアアアアアアアァァァア!!」
〈!?!?!!?!?〉
〈デケエエエエェェェ!?〉
〈ブリッツアンギラは体長5mほどのはず:wotaku〉
〈いやもっとデケェよ!!〉
〈10m以上あるだろアレ!!〉
〈あ~これは終わったわ……〉
〈アイルちゃん丸呑みされるん?〉
〈縁起でもないこと言うな〉
〈アイルちゃん逃げてぇ……〉
「み、みんなデカいって言ってるにゃ!? ブリッツアンギラってあんなにデカいのかにゃ!?」
「顔の両サイドにあるのは電気袋だ……六本木の時と同じ、成長したんだろうな」
あのサイズを相手にするのは中々手こずりそうだな。
「だけどなんとかなるさ」
「にゃにゃ!? なんでそんな落ち着いてるのにゃ!?」
「見たところ海竜系モンスターに似たモーションのボスだ。なら、ある程度は応用が利く。デカくなってもやることは変わらない」
チラリとアイルを見ると、彼女は杖を握りしめて頷いた。
「大丈夫。ヨロイさんにもみんなにも、良いところ見せてみせるから」
強い意志が籠った瞳。アイルのヤツ。この前のクイーンスパイダー戦でまた成長しやがったな。
「ははっ。そういうの嫌いじゃないぜ。よっしゃ!! ブリッツアンギラ攻略と行くか!」
「にゃああああ!? 心の準備があああ!」
「アアアアアアアアアアァァァ!!」
電撃迸るブリッツアンギラへ向け、俺達は武器を構えた。
「あれ? 道が無くなったわよ?」
「これで終わりなのかにゃあ? ブリッツアンギラの情報は嘘だったのかにゃあ……」
ナーゴが大袈裟な仕草で肩を落とした。
俺の勘が告げている。あれほど入り組んだ構成だったんだ。これで終わりのはずがない。
照明魔法を放ち、周囲を見渡す。すると、宝箱が置いてあるのが目についた。
「あ、宝箱よ!」
アイルが駆け寄り宝箱を開ける。中には青い宝石の付いたアミュレットが一つ入っていた。
「えぇ~? こんな立派な宝箱なのにこれだけしかないのぉ?」
「ここに来るまでにあった宝箱の方がよっぽど良かったにゃ!」
プンプンと怒る2人。アイルの手にある青い宝石を見た時、何か違和感を覚えた。
「そのアミュレット鑑定してやるよ」
「え?」
アイルのアミュレットに手をかざし、鑑定魔法を発動する。アミュレットがキラリと光り、俺の脳内に情報が流れ込む。
流れてきたのは3つのワード。普通の装備品ならあり得ないような短い情報だった。
鑑定魔法はそのアイテムに宿った記憶を読み取る魔法……符呪や効果を持っていればその情報が記憶として残る。もっと大量の情報が頭に流れ込むはずだ。
鍵。地底湖。道。
「んん? これ……なんかの鍵みたいだな」
そういえばこの違和感。このアミュレットの形。ここに入る直前の部屋で見た模様と同じじゃねぇか。
3人で1つ前の部屋に戻る。気になっていた壁の模様を見ると、アミュレットの輪郭にそっくりな見た目をしていた。
「何見てるの?」
「これ、もしかしたらギミックかもな。アミュレットを貸してくれ」
アイルからアミュレットを借り、模様に宛てがう。すると、壁の模様にアミュレットが吸い込まれていった。
「消えたにゃ!?」
ナーゴが驚いた直後。ダンジョン内に轟音が響き渡った。
「きゃああああ!?」
「だ、ダンジョンが崩れるのかにゃ!?」
「落ち着け。多分違うぞ」
もう一度、地底湖への空間へと向かう。すると、先ほどまで湖しかなかった空間に、橋が現れていた。
「すご! さっきは何も無かったのに!?」
「魔法みたいだにゃ!」
「やっぱりな。さっきまで水を抜いて進んできただろ? この湖も水位が下がったんだよ。アミュレットはこのデカい地底湖の水を抜く装置の鍵だったみたいだ」
凝ってるなぁ……これは、想像以上に良いダンジョンだぜ。
よく見ると、橋の奥に小さな島のような物がある。青い炎が灯り、うっすらと湖の中心に平坦な空間があることだけは分かった。
「あそこがボス戦のフィールドみたいだな」
ボス戦、と聞いてアイルのテンションが一気に上がる。彼女はスマホを操作して配信の準備を始めた。
「よーし! そろそろ配信始めちゃうわよ~! ボス戦は私のチャンネルで配信するけど大丈夫?」
「ナーゴはお料理の配信だけさせてもらえばいいにゃん♡」
「オッケー。じゃあナーゴにもコメント見えるようにするわね。ヨロイさんは?」
「俺はいい。集中したい」
「いっつもそれよねぇ。分かったわよぉ」
子供っぽく頬を膨らませたアイル。彼女は不貞腐れた様子で配信を始めた。
俺なんか変なこと言ったか?
しかし、ドローンに赤いランプが灯るとその表情は笑顔になる。一瞬の切り替え。ホントにこういう所はプロだよな。
「ツェッターの告知通り、これからボス戦に挑むわよ~!」
〈アイルちゃんかわいい〉
〈がんばえ~〉
〈461さんは?〉
〈後ろでなんか準備してるw〉
「今日は461さんと~この子もいまーす♡」
アイルが大袈裟な動きでナーゴを紹介する。着ぐるみの猫は、ドローンに向かってあざといポーズをキメた。
「にゃ! みんなよろしくにゃ♡」
〈なんだコイツ!?〉
〈猫の着ぐるみがいる〉
〈ネコネコナーゴちゃんねるのナーゴ:wotaku〉
〈ウォタクニキやん!〉
〈詳しいな~〉
〈モンスター食を紹介してる配信者:wotaku〉
「にゃにゃ! 詳しい人がいるにゃ♡ 嬉しいにゃ~」
ナーゴが高速でウネウネする。恥ずかしいのか、両手で顔までスリスリと撫で回しながら。
〈なんかイラッとするな〉
〈ぶん殴りたくなるンゴ〉
〈可愛いじゃん〉
〈可哀想なこと言うのやめろよ〉
〈ナーゴはイラ可愛いでコアな人気がある:wotaku〉
〈イラ可愛いとかwww〉
「にゃにゃ~! ナーゴはイラ可愛いじゃないのにゃ! 普通に可愛いのにゃ~!」
ナーゴの悲痛な叫びが周囲にこだました。
◇◇◇
照明魔法を灯しながら、地底湖の橋を進む。橋から地底湖を見つめると、真っ暗な水面がどこまでも続いていた。
〈雰囲気ヤバ〉
〈いかにもボス手前って感じじゃん〉
〈品川のボスって何なん?〉
〈ブリッツアンギラ。電撃攻撃が得意なウナギ:wotaku〉
〈電気ウナギか〉
〈戦いにくそうだな~〉
「あ! 橋の終わりが見えてきたわよ!」
「青い炎が不気味だにゃ~」
橋の終着点にある小島に到着する。石畳みの床に足を置いて辺りを見渡す。円形の広い足場。4箇所に設置された青い炎の燭台。いかにもな造形だな。
「え、何この音……?」
アイルが湖の方を見る。
「アイルちゃん。何かどうしたのかにゃ?」
「何か波みたいな音が……」
波みたいな音? 周囲に耳を澄ます。すると、確かに音が聞こえた。
ザザ──。
ザザザザ──。
〈怖え……〉
〈ビビりw〉
〈電気ウナギだけにって?〉
〈おっさんウザ〉
ザザザザザザ──。
〈ワクワク〉
〈461さんなら苦戦はせんよなぁ~?〉
〈またアンチ〉
〈来るぞ:wotaku〉
ザザザザザザザザザザザザザザザザッ──。
波の音が大きくなったと思った直後。
水面が爆発したような音が響き、巨大なヘビのようなシルエットが見えた。
「アアアアアアアアアアアアアアアアァァァア!!」
〈!?!?!!?!?〉
〈デケエエエエェェェ!?〉
〈ブリッツアンギラは体長5mほどのはず:wotaku〉
〈いやもっとデケェよ!!〉
〈10m以上あるだろアレ!!〉
〈あ~これは終わったわ……〉
〈アイルちゃん丸呑みされるん?〉
〈縁起でもないこと言うな〉
〈アイルちゃん逃げてぇ……〉
「み、みんなデカいって言ってるにゃ!? ブリッツアンギラってあんなにデカいのかにゃ!?」
「顔の両サイドにあるのは電気袋だ……六本木の時と同じ、成長したんだろうな」
あのサイズを相手にするのは中々手こずりそうだな。
「だけどなんとかなるさ」
「にゃにゃ!? なんでそんな落ち着いてるのにゃ!?」
「見たところ海竜系モンスターに似たモーションのボスだ。なら、ある程度は応用が利く。デカくなってもやることは変わらない」
チラリとアイルを見ると、彼女は杖を握りしめて頷いた。
「大丈夫。ヨロイさんにもみんなにも、良いところ見せてみせるから」
強い意志が籠った瞳。アイルのヤツ。この前のクイーンスパイダー戦でまた成長しやがったな。
「ははっ。そういうの嫌いじゃないぜ。よっしゃ!! ブリッツアンギラ攻略と行くか!」
「にゃああああ!? 心の準備があああ!」
「アアアアアアアアアアァァァ!!」
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