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第171話 勝者ファイト
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~461さん~
勝者マンに会いに行こうとコクーンタワー周辺まで行った俺達。ビル周辺ではリザードマンが数体徘徊している。近くを見た限りラムルザはいなそうだが、アイルの提案で念のため偵察にドローンを飛ばすことにした。
「全員が映像に気を取られるのは危険だろう。俺は周囲を警戒して来る」
「ありがとな。ジーク」
ジークが周囲を警戒に行ったのを確認してからアイルがコクーンタワーに向かってドローンを飛ばす。スマホ画面に映像を表示させ、残った全員で画面を覗き込む。
「ビルの前にリザードマンが2体いるにゃ」
「指示を出す竜人はいなそうだねぇ」
「後から竜人が来るかもしれないわよ」
スマホを覗き込んで口々に思った事を言い出すアイル達。画面の中ではリザードマン達がキョロキョロと周囲を見回していた。
『グアグア!』
『グググア!』
「リザードマン達がコクーンタワーに入って行くわ。後をつけるわね」
アイルが画面内のリザードマン2体をタップする。すると画面に「撮影対象を固定しますか?」という選択肢が出た。アイルが「はい」をタップすると、ドローンがリザードマンを追って建物の中に入っていく。ビルの中にドローンが入ると、木々が生い茂るビル内が映し出された。
「中まで木が侵入してるにゃ~」
「ここだけでもダンジョンに見えるかも!」
「あの2体……何かを探しているようね」
探している……か。そういえば先ほど見た掲示板に勝者マンがコクーンタワーに潜伏していると書いていた。
「なら、あのリザードマン達は勝者マンを探してるってことか?」
ヤツはリザードマン狩りをしてるらしい。リザードマンにこれほど警戒させる実力……見てみたい。
画面に視線を戻す。中まで樹木に覆われたコクーンタワーのフロア。その中を槍を持った2体のリザードマンが進んで行く。そして3階に着いた時、ヤツは現れた。
『グッグア!!』
『グアグア!!』
木の影から現れた奇妙な灰色スーツの男。そのスーツはビジネススーツのように見えたが、黒い水玉のような模様があった。
ソイツは一見するとサラリーマンのように見える。しかし、アイルが画面を拡大するとその異様さがハッキリと分かる。所々スーツに模様ができていたのは赤黒い血の跡だ。
しかもあの目……意思疎通の取れなそうなイかれた目をしてる。どんな戦い方をするヤツなんだ?
『ググッ!! ググアグググア!!』
『ググググアアッ!!』
槍を向ける2体のリザードマン。その姿は、どことなく怯えているようにも見える。それだけで、勝者マンが奴らにとってどれほどの脅威なのか見てとれた。
『勝者ファイッ!!!』
突然、何事かを叫んだ勝者マンがリザードマン達に向かって走り出す。
「あ! 勝者マンが走り出したよ~」
「ナイフ? ダガー? なんか変な武器持ってるにゃ」
「ミナセさん、勝者マンの経歴スマホで調べてくれない?」
「おっけー♪」
『勝者ナイフッ!!』
勝者マンがその手に持ったナイフを構える。それは異様な武器だった。ナイフにしては刃渡が長い。ここから見ても30センチほどありそうだ。一見するとダガーを飛び越えショートソードに近い印象を受けるが、その幅広な刃が武器をデフォルメしたように見せる。さながら、両刃のナイフをそのまま大きくしたような武器だ。
『グア!?』
勝者マンが片方のリザードマンに狙いを付ける。槍で迎え撃つリザードマン。しかし、勝者マンはナイフで槍先を弾き、リザードマンに飛びかかった。そのままリザードマンを押し倒し、胸元を滅多刺しにする。
『グギャアアアアアア!?』
「強いわねこの人!」
「あっという間に1体倒しちゃったにゃ!」
勝者マンがリザードマンを滅多刺しにする。
『グギャアアアアアア!?』
「まだ刺してる……?」
「も、もう勝ってるんじゃないかにゃ?」
叫びながら逃れようとするリザードマン。その姿を逃がさないように両脚で固定し、なおも勝者マンはナイフを滅多刺しにした。
「ギャ……ッ……ア゛ッ……」
リザードマンの手がパタリと大地に落ちる。それでもナイフで滅多刺しにする勝者マン。もう片方のリザードマンはそのあまりに執拗な攻撃に恐怖を抱いたのか、ゆっくりと後ずさった。
『グギャ……ア……!?』
「ちょっ……やりすぎでしょ……?」
「もう1体のリザードマンも怯えてるにゃ!?」
勝者マンの戦い方にドン引きする2人。画面の中の勝者マンは敵の返り血で真っ赤に染まっていた。灰色のスーツが赤くなるほど……。
「なるほどな。「赤いアイツ」とわざわざハンドルネームにしてるのはこの戦闘スタイルからか」
「ちょっとヨロイさん! 何納得してるのよ!」
「殺人鬼みたいな戦い方するやつにゃ!? 怖いにゃ!?」
……アイルとナーゴがすっかり怯え切ってるな。流石にこの戦闘スタイルは刺激強すぎるか? いつもモンスターを倒してはいるが、ここまで執拗に攻撃するヤツなんていなかったからな。
『グ……グ……グアアアア!?』
画面内のリザードマンも恐怖の方が優ったのか、背を向けて走り出してしまう。ナイフを刺していた勝者マンは、ゆらりと立ち上がると片手を天に突き上げた。
『勝者アロー!! ……』
叫んだ後にボソボソと小さく何かを呟くと、何処からともなく赤い槍が現れた。
あの槍……爆槍魔法か。ヤバイ魔法使うな、アイツ。
「知ってるのヨロイさん!?」
「武器を出す魔法何てあるのかにゃ!?」
「アレは爆槍魔法。投擲専用の武器を召喚する魔法だ」
「え、エクスプロージョン、ランス……?」
「勝者アローって言ってたにゃ」
投擲するからアローって名前付けてるのか? 変なヤツだな。
勝者マンが、逃げるリザードマンに爆槍魔法……勝者アローを投げ付ける。身体能力が相当高いのか、槍は空中で加速し、リザードマンの背中に突き刺さった。
『ギャ』
リザードマンが小さな悲鳴を上げる。突き刺さった槍が猛烈な光を放つ。
『グギャアアアアアアアアア!!?』
直後、勝者アローが大爆発を引き起こし、リザードマンを粉微塵に吹き飛ばしてしまった。
「な、何よこれぇええええ!」
「オーバーキルにも程があるにゃ!!」
2人が叫んでいると、先ほどまでスマホで勝者マンの事を調べていたミナセが声を上げた。
「勝者マンのプロフィールをまとめてるサイトがあったよ~」
ミナセがサイトに書かれたプロフィールを読み上げる。
C級探索者「勝者マン」
かつて大手商社に勤めていたサラリーマン。リストラされたことで自分の存在価値を見失い発狂。自分探しのため探索者となる。モンスターに対して執拗に攻撃を加える様はリストラの怒りをぶつけるようにも見えるという。いつの頃からか、昔放送されていたヒーロー番組の戦闘スタイルを真似るようになる。
モンスターに対して非常に残虐。配信も行っていたが、その戦闘スタイルからDチューブをアカウントBANされてしまった。
一部にコアなファンがおり、その卓越した戦闘技術からファンの間では「本当にC級か?」と噂される。
「や、ヤバそうな奴ね……」
「協力してくれるのかにゃ……?」
「私は人のこと言えないからなぁ」
顔面蒼白になるアイル。怯えた表情になるナーゴ。唯一ミナセだけはいつも通りの調子だった。
『……』
勝者マンがゆっくりとドローンを見上げる。無表情な顔。しかしその瞳には未だ戦闘が続いているような狂気の色が見えた。
「ヒッ!? こっちに気付いたわよ!?」
「同じ探索者同士何だから別に何ともないだろ。よし! 勝者マンに協力頼みに行くぞ!」
「ちょ、一旦考え直さない!?」
「まだ心の準備ができてないにゃ!?」
「大丈夫だって! 多分」
怯えるアイルとナーゴ、いつも通りのミナセを連れ、俺たちは勝者マンの元へ向かった。
……。
勝者マンはすぐに協力してくれることになった。ナーゴをモンスターと見間違えた時はヒヤヒヤしたが。
というか勝者マンって……。
「勝者〇〇!!」しか話さないんだな。
勝者マンに会いに行こうとコクーンタワー周辺まで行った俺達。ビル周辺ではリザードマンが数体徘徊している。近くを見た限りラムルザはいなそうだが、アイルの提案で念のため偵察にドローンを飛ばすことにした。
「全員が映像に気を取られるのは危険だろう。俺は周囲を警戒して来る」
「ありがとな。ジーク」
ジークが周囲を警戒に行ったのを確認してからアイルがコクーンタワーに向かってドローンを飛ばす。スマホ画面に映像を表示させ、残った全員で画面を覗き込む。
「ビルの前にリザードマンが2体いるにゃ」
「指示を出す竜人はいなそうだねぇ」
「後から竜人が来るかもしれないわよ」
スマホを覗き込んで口々に思った事を言い出すアイル達。画面の中ではリザードマン達がキョロキョロと周囲を見回していた。
『グアグア!』
『グググア!』
「リザードマン達がコクーンタワーに入って行くわ。後をつけるわね」
アイルが画面内のリザードマン2体をタップする。すると画面に「撮影対象を固定しますか?」という選択肢が出た。アイルが「はい」をタップすると、ドローンがリザードマンを追って建物の中に入っていく。ビルの中にドローンが入ると、木々が生い茂るビル内が映し出された。
「中まで木が侵入してるにゃ~」
「ここだけでもダンジョンに見えるかも!」
「あの2体……何かを探しているようね」
探している……か。そういえば先ほど見た掲示板に勝者マンがコクーンタワーに潜伏していると書いていた。
「なら、あのリザードマン達は勝者マンを探してるってことか?」
ヤツはリザードマン狩りをしてるらしい。リザードマンにこれほど警戒させる実力……見てみたい。
画面に視線を戻す。中まで樹木に覆われたコクーンタワーのフロア。その中を槍を持った2体のリザードマンが進んで行く。そして3階に着いた時、ヤツは現れた。
『グッグア!!』
『グアグア!!』
木の影から現れた奇妙な灰色スーツの男。そのスーツはビジネススーツのように見えたが、黒い水玉のような模様があった。
ソイツは一見するとサラリーマンのように見える。しかし、アイルが画面を拡大するとその異様さがハッキリと分かる。所々スーツに模様ができていたのは赤黒い血の跡だ。
しかもあの目……意思疎通の取れなそうなイかれた目をしてる。どんな戦い方をするヤツなんだ?
『ググッ!! ググアグググア!!』
『ググググアアッ!!』
槍を向ける2体のリザードマン。その姿は、どことなく怯えているようにも見える。それだけで、勝者マンが奴らにとってどれほどの脅威なのか見てとれた。
『勝者ファイッ!!!』
突然、何事かを叫んだ勝者マンがリザードマン達に向かって走り出す。
「あ! 勝者マンが走り出したよ~」
「ナイフ? ダガー? なんか変な武器持ってるにゃ」
「ミナセさん、勝者マンの経歴スマホで調べてくれない?」
「おっけー♪」
『勝者ナイフッ!!』
勝者マンがその手に持ったナイフを構える。それは異様な武器だった。ナイフにしては刃渡が長い。ここから見ても30センチほどありそうだ。一見するとダガーを飛び越えショートソードに近い印象を受けるが、その幅広な刃が武器をデフォルメしたように見せる。さながら、両刃のナイフをそのまま大きくしたような武器だ。
『グア!?』
勝者マンが片方のリザードマンに狙いを付ける。槍で迎え撃つリザードマン。しかし、勝者マンはナイフで槍先を弾き、リザードマンに飛びかかった。そのままリザードマンを押し倒し、胸元を滅多刺しにする。
『グギャアアアアアア!?』
「強いわねこの人!」
「あっという間に1体倒しちゃったにゃ!」
勝者マンがリザードマンを滅多刺しにする。
『グギャアアアアアア!?』
「まだ刺してる……?」
「も、もう勝ってるんじゃないかにゃ?」
叫びながら逃れようとするリザードマン。その姿を逃がさないように両脚で固定し、なおも勝者マンはナイフを滅多刺しにした。
「ギャ……ッ……ア゛ッ……」
リザードマンの手がパタリと大地に落ちる。それでもナイフで滅多刺しにする勝者マン。もう片方のリザードマンはそのあまりに執拗な攻撃に恐怖を抱いたのか、ゆっくりと後ずさった。
『グギャ……ア……!?』
「ちょっ……やりすぎでしょ……?」
「もう1体のリザードマンも怯えてるにゃ!?」
勝者マンの戦い方にドン引きする2人。画面の中の勝者マンは敵の返り血で真っ赤に染まっていた。灰色のスーツが赤くなるほど……。
「なるほどな。「赤いアイツ」とわざわざハンドルネームにしてるのはこの戦闘スタイルからか」
「ちょっとヨロイさん! 何納得してるのよ!」
「殺人鬼みたいな戦い方するやつにゃ!? 怖いにゃ!?」
……アイルとナーゴがすっかり怯え切ってるな。流石にこの戦闘スタイルは刺激強すぎるか? いつもモンスターを倒してはいるが、ここまで執拗に攻撃するヤツなんていなかったからな。
『グ……グ……グアアアア!?』
画面内のリザードマンも恐怖の方が優ったのか、背を向けて走り出してしまう。ナイフを刺していた勝者マンは、ゆらりと立ち上がると片手を天に突き上げた。
『勝者アロー!! ……』
叫んだ後にボソボソと小さく何かを呟くと、何処からともなく赤い槍が現れた。
あの槍……爆槍魔法か。ヤバイ魔法使うな、アイツ。
「知ってるのヨロイさん!?」
「武器を出す魔法何てあるのかにゃ!?」
「アレは爆槍魔法。投擲専用の武器を召喚する魔法だ」
「え、エクスプロージョン、ランス……?」
「勝者アローって言ってたにゃ」
投擲するからアローって名前付けてるのか? 変なヤツだな。
勝者マンが、逃げるリザードマンに爆槍魔法……勝者アローを投げ付ける。身体能力が相当高いのか、槍は空中で加速し、リザードマンの背中に突き刺さった。
『ギャ』
リザードマンが小さな悲鳴を上げる。突き刺さった槍が猛烈な光を放つ。
『グギャアアアアアアアアア!!?』
直後、勝者アローが大爆発を引き起こし、リザードマンを粉微塵に吹き飛ばしてしまった。
「な、何よこれぇええええ!」
「オーバーキルにも程があるにゃ!!」
2人が叫んでいると、先ほどまでスマホで勝者マンの事を調べていたミナセが声を上げた。
「勝者マンのプロフィールをまとめてるサイトがあったよ~」
ミナセがサイトに書かれたプロフィールを読み上げる。
C級探索者「勝者マン」
かつて大手商社に勤めていたサラリーマン。リストラされたことで自分の存在価値を見失い発狂。自分探しのため探索者となる。モンスターに対して執拗に攻撃を加える様はリストラの怒りをぶつけるようにも見えるという。いつの頃からか、昔放送されていたヒーロー番組の戦闘スタイルを真似るようになる。
モンスターに対して非常に残虐。配信も行っていたが、その戦闘スタイルからDチューブをアカウントBANされてしまった。
一部にコアなファンがおり、その卓越した戦闘技術からファンの間では「本当にC級か?」と噂される。
「や、ヤバそうな奴ね……」
「協力してくれるのかにゃ……?」
「私は人のこと言えないからなぁ」
顔面蒼白になるアイル。怯えた表情になるナーゴ。唯一ミナセだけはいつも通りの調子だった。
『……』
勝者マンがゆっくりとドローンを見上げる。無表情な顔。しかしその瞳には未だ戦闘が続いているような狂気の色が見えた。
「ヒッ!? こっちに気付いたわよ!?」
「同じ探索者同士何だから別に何ともないだろ。よし! 勝者マンに協力頼みに行くぞ!」
「ちょ、一旦考え直さない!?」
「まだ心の準備ができてないにゃ!?」
「大丈夫だって! 多分」
怯えるアイルとナーゴ、いつも通りのミナセを連れ、俺たちは勝者マンの元へ向かった。
……。
勝者マンはすぐに協力してくれることになった。ナーゴをモンスターと見間違えた時はヒヤヒヤしたが。
というか勝者マンって……。
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