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ハルの次は夏、夏の次はカズ?
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「その手、どうしたの?昨日の電話では何も言わなかったじゃない」
取り敢えず座りましょうと座卓を囲んで三人で座る。座卓には麦茶の入ったコップが三つ。はるちゃんの隣は菜月さん。俺は一人でハラハラしながら二人を見てる。
「だって、なっちゃんが誰の携帯借りたのかとか聞くから、言いそびれちゃったんだよ。ちょっと転けただけだって。もうそんなに痛くない。直ぐに消毒してもらったから化膿もしてないし、大丈夫」
今日の朝も養護教諭に包帯を巻き直してもらった。はるちゃんは学校でのおとなしい感じではない。怖いと言いながら互角に言い合う。
「まあ、良いわ…。それより…」
菜月さんの攻撃の矛先が俺に変わった。
「お、久しぶり?…です」
「そうよね。久しぶり…なのよね。面影はないわね。春はよくこんなに変わってるのに、わかったね」
「何言ってるの?そのままじゃない!」
いや、それ、嬉しくないから!はるちゃん!
「あの時からカッコよかったもん。今の方が背も高くなって、ずっとカッコいいけど」
前言撤回!嬉しいです。はるちゃん!
菜月さんはぐったり項垂れる。
「あんたは?直ぐにわからなかったの?」
「いや、はるちゃんにも言ったけど、名前知らなかったから」
俺がどんなにはるちゃんが好きかをここで力説するのは小っ恥ずかしいけど、ちゃんと伝えなければと思った。はるちゃんは真っ赤な顔で俯いた。可愛い。
「ふ~ん。まあ、良いわ。今後、二人で会う時はここに来ても良いわよ。てか、ここで会いなさい」
「えっ?」
「あんたの部屋には行っちゃダメ。そうね、あんたの家族にキチンと春のことを紹介できれば、その時は二人きりで会うのを許す」
はるちゃんは俺以上に驚いて菜月さんを見る。俺の両親にはるちゃんの事を紹介する。つまりそれは、小さい時にあのアパートで遊んだ小さなはるちゃんと再会したと言うことだけじゃなく、俺の彼氏として会わせるってことか。
菜月さんははるちゃんを中途半端な立場にしたくないと思っているのだろう。
俺の部屋なら、男友だちを連れて来たってほとんど誰も入ってくることはない。はるちゃんを連れていったらいつもと同じで友だちだと思うだろう。
そんなところではるちゃんと二人きりになるなと言われたのだ。それって、手を出すなってことだよな?ヤバッ、もう出しちゃったじゃん。最後まではシテないけど、告白と同時にはるちゃんの触っちゃったよ…。これは絶対秘密にしないと、もう会わせてもらえないかも。…まあ、学校で会えるけど。
紹介か…。
そんなことして、反対されたらどうする?
「俺の部屋じゃなかったら良いですか?居間とか、みんなが集まるところだったら?」
そしたら、少しずつはるちゃんの可愛いとこも母さんに見てもらって。そしたら…話しやすくなりそう。はるちゃんが好きだったこともバレバレだから、感の鋭い母さんにはわかってしまうかもしれない。
……思わず敬語になってしまった。だって、川崎じゃないけど、迫力の態度ははるちゃんのお姉さんってことでその威力は倍増してる。
「なっちゃん!やめて!そんなこと言ったら、僕、嫌われちゃう」
だんだん暗い顔になってたはるちゃんは、今にも泣き出しそうだ。
「春、そんなことで春を嫌いになるようなら、わたしは認めない。これで終わるなら、始めなければ良い。その方が春のためだよ」
「はるちゃん、嫌いになんかならないよ」
はるちゃんの目を見て、思いをゆっくり口にする。まだ不安そうな顔だけど、今は手をつなぐことも抱きしめることもできない。菜月さんはそんな俺たちを見て満足そうだ。
「…そうね、ここでもわたしやお母さんが必ずいるわけじゃないからね。でも、ズルはダメよ。一人で留守番してる時に春を呼んだり、わたしに黙ってあんたの部屋に入ったり」
「しないです!」
しっかり目を見て返事した。これで俺の審査は終わったのか菜月さんは晩御飯の準備をするためにキッチンに立った。
思い出したように喉が渇きを覚え、出されていた麦茶を一気に飲んだ。
取り敢えず座りましょうと座卓を囲んで三人で座る。座卓には麦茶の入ったコップが三つ。はるちゃんの隣は菜月さん。俺は一人でハラハラしながら二人を見てる。
「だって、なっちゃんが誰の携帯借りたのかとか聞くから、言いそびれちゃったんだよ。ちょっと転けただけだって。もうそんなに痛くない。直ぐに消毒してもらったから化膿もしてないし、大丈夫」
今日の朝も養護教諭に包帯を巻き直してもらった。はるちゃんは学校でのおとなしい感じではない。怖いと言いながら互角に言い合う。
「まあ、良いわ…。それより…」
菜月さんの攻撃の矛先が俺に変わった。
「お、久しぶり?…です」
「そうよね。久しぶり…なのよね。面影はないわね。春はよくこんなに変わってるのに、わかったね」
「何言ってるの?そのままじゃない!」
いや、それ、嬉しくないから!はるちゃん!
「あの時からカッコよかったもん。今の方が背も高くなって、ずっとカッコいいけど」
前言撤回!嬉しいです。はるちゃん!
菜月さんはぐったり項垂れる。
「あんたは?直ぐにわからなかったの?」
「いや、はるちゃんにも言ったけど、名前知らなかったから」
俺がどんなにはるちゃんが好きかをここで力説するのは小っ恥ずかしいけど、ちゃんと伝えなければと思った。はるちゃんは真っ赤な顔で俯いた。可愛い。
「ふ~ん。まあ、良いわ。今後、二人で会う時はここに来ても良いわよ。てか、ここで会いなさい」
「えっ?」
「あんたの部屋には行っちゃダメ。そうね、あんたの家族にキチンと春のことを紹介できれば、その時は二人きりで会うのを許す」
はるちゃんは俺以上に驚いて菜月さんを見る。俺の両親にはるちゃんの事を紹介する。つまりそれは、小さい時にあのアパートで遊んだ小さなはるちゃんと再会したと言うことだけじゃなく、俺の彼氏として会わせるってことか。
菜月さんははるちゃんを中途半端な立場にしたくないと思っているのだろう。
俺の部屋なら、男友だちを連れて来たってほとんど誰も入ってくることはない。はるちゃんを連れていったらいつもと同じで友だちだと思うだろう。
そんなところではるちゃんと二人きりになるなと言われたのだ。それって、手を出すなってことだよな?ヤバッ、もう出しちゃったじゃん。最後まではシテないけど、告白と同時にはるちゃんの触っちゃったよ…。これは絶対秘密にしないと、もう会わせてもらえないかも。…まあ、学校で会えるけど。
紹介か…。
そんなことして、反対されたらどうする?
「俺の部屋じゃなかったら良いですか?居間とか、みんなが集まるところだったら?」
そしたら、少しずつはるちゃんの可愛いとこも母さんに見てもらって。そしたら…話しやすくなりそう。はるちゃんが好きだったこともバレバレだから、感の鋭い母さんにはわかってしまうかもしれない。
……思わず敬語になってしまった。だって、川崎じゃないけど、迫力の態度ははるちゃんのお姉さんってことでその威力は倍増してる。
「なっちゃん!やめて!そんなこと言ったら、僕、嫌われちゃう」
だんだん暗い顔になってたはるちゃんは、今にも泣き出しそうだ。
「春、そんなことで春を嫌いになるようなら、わたしは認めない。これで終わるなら、始めなければ良い。その方が春のためだよ」
「はるちゃん、嫌いになんかならないよ」
はるちゃんの目を見て、思いをゆっくり口にする。まだ不安そうな顔だけど、今は手をつなぐことも抱きしめることもできない。菜月さんはそんな俺たちを見て満足そうだ。
「…そうね、ここでもわたしやお母さんが必ずいるわけじゃないからね。でも、ズルはダメよ。一人で留守番してる時に春を呼んだり、わたしに黙ってあんたの部屋に入ったり」
「しないです!」
しっかり目を見て返事した。これで俺の審査は終わったのか菜月さんは晩御飯の準備をするためにキッチンに立った。
思い出したように喉が渇きを覚え、出されていた麦茶を一気に飲んだ。
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