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ハルと言えば一、カズと言えば春
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ファミレスの前で二人と別れた。直樹にもう一度口止めしとかないと。直樹はともかく川畑は危ない。女って噂好きだしどこで漏れるかわからない。変に伝わり、悪い噂とか流れたらたまらない。
はるちゃんを送っていった。いつものように玄関の内側で抱きしめた。菜月さんは出掛けていないのか真っ暗だった。
「はるちゃん、今日は可愛かったよ。お弁当も美味しかった。ありがと」
「お礼なんて」
「外で手を繋いだのは初めてだし嬉しかったんだ。それに、服もだけど…」
…凄くエロ可愛かったよ。
耳元で言うと恥ずかしいからと抱きついてきた。
「どうし、て、……」
「ん?」
「どうして、最後までシテくれなかったの?僕は…良かったのに……」
「だって、そう言う約束だったよね?」
「やっぱり、僕、男だから、女の子の方が…。川畑さんは…」
「あいつがどうしたの?」
「…胸もあって、僕はぺったんこだから。女の子の方が…良かったのかなって…だから、最後までは無理だったのかな…って」
ああ、二人に会ってから、俺たちの関係がバレるとかそんなのとは別に、どこか元気がなかったのはそのことか。
「俺がどれだけ我慢したか、わかる?」
「我慢なんか…」
「だって、はるちゃんあれだけで辛かっただろ?」
「全然平気ってわけじゃないけど、大丈夫だよ?」
「春彦、好きだよ。大切にするって言ったよね?」
「!…う、うん」
「無理だったんじゃなくて、只々大事にしたいだけだから。そんなこと言われたら今直ぐにでも欲しくなるよ」
菜月さんが帰って来る前にお風呂に入るように言って帰った。
今頃鏡に映る自分の身体にあるキスマークに顔を真っ赤にして怒っているかもしれない。白い肌に残る所有の印。ホテルでは気付いているのかいないのか何も言わなかった。きっと、見えててもその時はそこまで気にならなかったかもしれない。
家に帰り、母さんのお帰りと言う声を聞きながら、俺も直ぐに風呂に入り、そのまま部屋に篭った。
次にデートできるのはいつになるかな。あっ、その前に直樹たちとダブルデートだった。
次の土曜日、晩御飯は久しぶりに五人が揃った。と、言っても特別なメニューではない。豚カツと山盛りのキャベツ、味噌汁とお漬物。それと昨日の残り物の野菜炒めと焼売。
「ねえねえ、かず兄。先週の日曜日、海浜公園行ってた?」
「えっ、ああ。麻里子も行ってたのか?部活だったんじゃないの?」
「あそこのテニスコートで他校と練習試合があったんだ」
「そう言えば、試合してたな。お前も試合出たの?」
「うん…公式戦に向けての練習試合だから」
「勝った?」
「一勝一敗よね。一年生なのに凄いわよね、麻里子」
「あっ、うん。ありがと、お母さん。…あたしの事は良いんだ。かず兄、その日はデートだったの?」
「ゲホッ、な、何?」
「めちゃ可愛い子と手を繋いで歩いてるの見たんだ」
見られてたとしたら、帰る時だ。テニスコートの横を通って駅まで歩いた。麻里子の言う通りあの時は手を繋いでた。
「あら、クラスメイトと遊ぶって…」
「母さん、それは嘘じゃないよ」
「そうだよね、クラスメイトだよね。あれ、はるくんでしょ?」
「えっ?」
バレた。女の子だと思ってるならそれで誤魔化すかと思ったけど、どうやらダメみたいだ。
「黙っとこうか、どうしようか、迷ったんだよね。でも、どうしても……。ねえ、どうなの?気持ち悪いのよ」
「気持ち悪いって!そんな言い方ないだろ?」
自分の兄が男と手を繋ぐという普通ならない状況に、思うところはあるかもしれない。けど、はるちゃんの事を気持ち悪いって!それは許せない。俺の事は何と言っても良いけど、はるちゃんに向ける悪意は例え妹でも許せない。
「やっ、違う!」
「何が違うんだよ!」
「かず兄怖いよ!だから、違うって!お母さんも気付いてるんでしょ?二人が付き合ってるの。それなのに知らんぷりして、はるくんと出掛けたりしてさ。なんか、芝居してるみたいで、気持ち悪い。良い加減認めちゃえば?」
「麻里子…」
「お前、反対じゃないの?」
「良いじゃん、別に。あたしの友だちも女の子から告白されたことあるよ。断ってたけどね。お母さんはどうなの?」
はるちゃんを送っていった。いつものように玄関の内側で抱きしめた。菜月さんは出掛けていないのか真っ暗だった。
「はるちゃん、今日は可愛かったよ。お弁当も美味しかった。ありがと」
「お礼なんて」
「外で手を繋いだのは初めてだし嬉しかったんだ。それに、服もだけど…」
…凄くエロ可愛かったよ。
耳元で言うと恥ずかしいからと抱きついてきた。
「どうし、て、……」
「ん?」
「どうして、最後までシテくれなかったの?僕は…良かったのに……」
「だって、そう言う約束だったよね?」
「やっぱり、僕、男だから、女の子の方が…。川畑さんは…」
「あいつがどうしたの?」
「…胸もあって、僕はぺったんこだから。女の子の方が…良かったのかなって…だから、最後までは無理だったのかな…って」
ああ、二人に会ってから、俺たちの関係がバレるとかそんなのとは別に、どこか元気がなかったのはそのことか。
「俺がどれだけ我慢したか、わかる?」
「我慢なんか…」
「だって、はるちゃんあれだけで辛かっただろ?」
「全然平気ってわけじゃないけど、大丈夫だよ?」
「春彦、好きだよ。大切にするって言ったよね?」
「!…う、うん」
「無理だったんじゃなくて、只々大事にしたいだけだから。そんなこと言われたら今直ぐにでも欲しくなるよ」
菜月さんが帰って来る前にお風呂に入るように言って帰った。
今頃鏡に映る自分の身体にあるキスマークに顔を真っ赤にして怒っているかもしれない。白い肌に残る所有の印。ホテルでは気付いているのかいないのか何も言わなかった。きっと、見えててもその時はそこまで気にならなかったかもしれない。
家に帰り、母さんのお帰りと言う声を聞きながら、俺も直ぐに風呂に入り、そのまま部屋に篭った。
次にデートできるのはいつになるかな。あっ、その前に直樹たちとダブルデートだった。
次の土曜日、晩御飯は久しぶりに五人が揃った。と、言っても特別なメニューではない。豚カツと山盛りのキャベツ、味噌汁とお漬物。それと昨日の残り物の野菜炒めと焼売。
「ねえねえ、かず兄。先週の日曜日、海浜公園行ってた?」
「えっ、ああ。麻里子も行ってたのか?部活だったんじゃないの?」
「あそこのテニスコートで他校と練習試合があったんだ」
「そう言えば、試合してたな。お前も試合出たの?」
「うん…公式戦に向けての練習試合だから」
「勝った?」
「一勝一敗よね。一年生なのに凄いわよね、麻里子」
「あっ、うん。ありがと、お母さん。…あたしの事は良いんだ。かず兄、その日はデートだったの?」
「ゲホッ、な、何?」
「めちゃ可愛い子と手を繋いで歩いてるの見たんだ」
見られてたとしたら、帰る時だ。テニスコートの横を通って駅まで歩いた。麻里子の言う通りあの時は手を繋いでた。
「あら、クラスメイトと遊ぶって…」
「母さん、それは嘘じゃないよ」
「そうだよね、クラスメイトだよね。あれ、はるくんでしょ?」
「えっ?」
バレた。女の子だと思ってるならそれで誤魔化すかと思ったけど、どうやらダメみたいだ。
「黙っとこうか、どうしようか、迷ったんだよね。でも、どうしても……。ねえ、どうなの?気持ち悪いのよ」
「気持ち悪いって!そんな言い方ないだろ?」
自分の兄が男と手を繋ぐという普通ならない状況に、思うところはあるかもしれない。けど、はるちゃんの事を気持ち悪いって!それは許せない。俺の事は何と言っても良いけど、はるちゃんに向ける悪意は例え妹でも許せない。
「やっ、違う!」
「何が違うんだよ!」
「かず兄怖いよ!だから、違うって!お母さんも気付いてるんでしょ?二人が付き合ってるの。それなのに知らんぷりして、はるくんと出掛けたりしてさ。なんか、芝居してるみたいで、気持ち悪い。良い加減認めちゃえば?」
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