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恋の駆け引きなんて知りません
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「そうですか?主上は東宮さまたちにも嫉妬してらっしゃるんじゃないかとわたしは思ってますよ」
「ああ、宮さまたちがわたしに懐かれているから、面白くないのだろう?」
「違いますよ。二の宮さまが女御さまに抱き着くのを羨ましそうに見ておいでです」
「だから、主上も宮さまを抱っこしたいのでしょう?」
「ふふっ」
「何?」
面白くないよ。
「主上は女御さまが主上以外に向ける何もかもがお嫌なのです」
そんなはずないよ…。
「とにかく、右大臣さまは一時的な里下がりなら許されるかもしれません。でも、女御さまが後宮を離れるなど…主上が承知なさるはずないですよ」
「撫子!いなくなるの?」
突然東宮の声がした。
話している間に声が大きくなったのだろうか、起きてしまわれた。
「嫌だよ…」
泣きそうな顔で抱きついてこられた。
「いえっ…あの…」
どうしようと桔梗を見ても困った顔をするだけで、助けてはくれない。
東宮は泣き出してしまわれた。
「うっ…いやだ…ヒッ…なでしこ…行かないで…ねえ、と、とうさまとけ、喧嘩したの?」
「喧嘩などしていませんよ…基良さまのお側を離れるわけないじゃないですか」
これは本当の気持ち。
帝を思う気持ちと同じくらい愛しいのだ、お二人が。耐えきれずに父上にお願いしたけれど、東宮たちと離れる事は頭になかった。
「…だ、だって、っく、さっき里下がりが…って…」
「ああ、…それは、…それは母上のお墓参りに行きたいな…と思いまして」
「…本当?それだけ?」
「でも、…良いのです。基良さまと一緒にいる方が大事ですから」
ようやく落ち着いた東宮は抱きついたまま泣き疲れたのか、安心したのか再び眠ってしまわれた。
「あの…」
いつの間にか戻ってきて、控えていた藤式部が遠慮勝ちに声を掛けてきた。
「里下がり、と云うのは本当なのですか?」
どうやら、東宮とのやり取りを聞いていたようだった。
流石は藤式部だ。
迎えに行った他の女房は渡殿で控えているらしい。
興奮した東宮の声が聞こえたのだろう。
「いえ、正式にそのような話がある訳ではないのです」
日向が答えてくれた。
「どうぞ、東宮さまと二の宮さまをよろしくお願い致します」
と姿勢を正す。
「藤壺の女御さまとお会いになられてからお二人は大層変わられました。落ち着かれて、よく笑われるようになりました。全て女御さまのお陰様です」
☆★☆ ★☆★ ☆★☆
「ああ、宮さまたちがわたしに懐かれているから、面白くないのだろう?」
「違いますよ。二の宮さまが女御さまに抱き着くのを羨ましそうに見ておいでです」
「だから、主上も宮さまを抱っこしたいのでしょう?」
「ふふっ」
「何?」
面白くないよ。
「主上は女御さまが主上以外に向ける何もかもがお嫌なのです」
そんなはずないよ…。
「とにかく、右大臣さまは一時的な里下がりなら許されるかもしれません。でも、女御さまが後宮を離れるなど…主上が承知なさるはずないですよ」
「撫子!いなくなるの?」
突然東宮の声がした。
話している間に声が大きくなったのだろうか、起きてしまわれた。
「嫌だよ…」
泣きそうな顔で抱きついてこられた。
「いえっ…あの…」
どうしようと桔梗を見ても困った顔をするだけで、助けてはくれない。
東宮は泣き出してしまわれた。
「うっ…いやだ…ヒッ…なでしこ…行かないで…ねえ、と、とうさまとけ、喧嘩したの?」
「喧嘩などしていませんよ…基良さまのお側を離れるわけないじゃないですか」
これは本当の気持ち。
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「…だ、だって、っく、さっき里下がりが…って…」
「ああ、…それは、…それは母上のお墓参りに行きたいな…と思いまして」
「…本当?それだけ?」
「でも、…良いのです。基良さまと一緒にいる方が大事ですから」
ようやく落ち着いた東宮は抱きついたまま泣き疲れたのか、安心したのか再び眠ってしまわれた。
「あの…」
いつの間にか戻ってきて、控えていた藤式部が遠慮勝ちに声を掛けてきた。
「里下がり、と云うのは本当なのですか?」
どうやら、東宮とのやり取りを聞いていたようだった。
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興奮した東宮の声が聞こえたのだろう。
「いえ、正式にそのような話がある訳ではないのです」
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「どうぞ、東宮さまと二の宮さまをよろしくお願い致します」
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