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第四章
4ー01
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その日、僕は夏服を買う為に以前奈津美と一緒に来たショッピングモールへ一人で来ていた。
学校は午前中で終わり、お昼ご飯もそこそこにゆっくり買い物するつもりだった。
……奈津美の言い付け通り眼鏡してくれば良かったのかな……前髪も下ろしておけば良かったのかな……。そもそも、奈津美の用意した服を着てきたのが間違いなのかな?……
「一緒にお茶しない?」
「……」
誰?
「一人なんでしょ?俺も一人なんだ。ほらそこの店、入ろ?」
「いえ、行くところがあるので…」
「いいじゃない。君、可愛いね」
女の子を誘えよ!
どうしよう。物凄く強引な人だ。どう断れば良いんだろう……。
腕、離して欲しい。
「……いえ、嫌です」
「嫌がってるんじゃない?」
「月島君」
「…えっ…!」
「お前誰だよ!」
「お前こそ誰だよ!」
「俺は、この子をお茶に誘ってたんだ。邪魔すんな!」
「こいつ男だぞ」
「えっ…嘘?……?」
こっちを見てくる勘違い男に頷いて見せると、
「あ~ごめん…」
やっと離れた。
「あの…ありがとうございました」
ぺこり。
「………」
じっと見られて、どうしようかと思っていると、
「ユキ……だよね?」
「………」
「そうだよね?」
「……はい」
「はい」って言っちゃったよ。月島君が言ってる『ユキ』は本当に僕のことなんだろうか?
「あの…違います」
「どっちだよ……でもユキだよ。間違いない。一ヶ月くらい前にこの近くに神田さんと一緒にいただろ?……ずっと探してたんだ」
神田さんって奈津美のことだよね?
探してたって『ユキ』を?
あの噂で聞いたのは『ユキ』?
奈津美のこと好きじゃなかったの?
僕は『ユキ』?
「なあ、一緒に来て…」
混乱する僕の手を引っ張って月島君が「こっち」と歩いて行く。駅から少し離れた所にある喫茶店の前まで来て「ここ」って言って入って行った。
入ってカウンターの奥にいる人に、「奥の席、空いてる?」って聞いてる。常連さんなのかな?
ずっと手を繋がれている僕は、当然一緒にその奥の席に向かった。
だって振り解くことなんか出来ない。
やっと気付いた「好き」って気持ちを無かったことには出来ないから。
手が離されて向かい合って座る。
手が離れて残念に思ってる。
少し、恥ずかしい。
「ごめん…強引で…」
「いえ…」
「これじゃ、さっきの男と変わんないな」
「そんな…」
「でも、ずっと探してたんだ」
「はい……」
夢じゃないのだろうか?
月島君が目の前に居て、目が合っても逸らすことなく見つめ合っているなんて。
学校では後ろ姿でさえ嬉しいのに。
学校は午前中で終わり、お昼ご飯もそこそこにゆっくり買い物するつもりだった。
……奈津美の言い付け通り眼鏡してくれば良かったのかな……前髪も下ろしておけば良かったのかな……。そもそも、奈津美の用意した服を着てきたのが間違いなのかな?……
「一緒にお茶しない?」
「……」
誰?
「一人なんでしょ?俺も一人なんだ。ほらそこの店、入ろ?」
「いえ、行くところがあるので…」
「いいじゃない。君、可愛いね」
女の子を誘えよ!
どうしよう。物凄く強引な人だ。どう断れば良いんだろう……。
腕、離して欲しい。
「……いえ、嫌です」
「嫌がってるんじゃない?」
「月島君」
「…えっ…!」
「お前誰だよ!」
「お前こそ誰だよ!」
「俺は、この子をお茶に誘ってたんだ。邪魔すんな!」
「こいつ男だぞ」
「えっ…嘘?……?」
こっちを見てくる勘違い男に頷いて見せると、
「あ~ごめん…」
やっと離れた。
「あの…ありがとうございました」
ぺこり。
「………」
じっと見られて、どうしようかと思っていると、
「ユキ……だよね?」
「………」
「そうだよね?」
「……はい」
「はい」って言っちゃったよ。月島君が言ってる『ユキ』は本当に僕のことなんだろうか?
「あの…違います」
「どっちだよ……でもユキだよ。間違いない。一ヶ月くらい前にこの近くに神田さんと一緒にいただろ?……ずっと探してたんだ」
神田さんって奈津美のことだよね?
探してたって『ユキ』を?
あの噂で聞いたのは『ユキ』?
奈津美のこと好きじゃなかったの?
僕は『ユキ』?
「なあ、一緒に来て…」
混乱する僕の手を引っ張って月島君が「こっち」と歩いて行く。駅から少し離れた所にある喫茶店の前まで来て「ここ」って言って入って行った。
入ってカウンターの奥にいる人に、「奥の席、空いてる?」って聞いてる。常連さんなのかな?
ずっと手を繋がれている僕は、当然一緒にその奥の席に向かった。
だって振り解くことなんか出来ない。
やっと気付いた「好き」って気持ちを無かったことには出来ないから。
手が離されて向かい合って座る。
手が離れて残念に思ってる。
少し、恥ずかしい。
「ごめん…強引で…」
「いえ…」
「これじゃ、さっきの男と変わんないな」
「そんな…」
「でも、ずっと探してたんだ」
「はい……」
夢じゃないのだろうか?
月島君が目の前に居て、目が合っても逸らすことなく見つめ合っているなんて。
学校では後ろ姿でさえ嬉しいのに。
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