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第四章
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「あのさ…ユキって呼んで良い?…さっき絡まれた時俺のこと『月島君』って呼んでたよな?俺のこと知ってるんだよな?」
僕は「いいえ」の返事を飲み込んだ。月島君は僕が…いや『ユキ』が男だと知っていて探してたんだ。でも『橘裕樹』ではない。
月島君が、僕が『橘裕樹』だと知ったらこの幸せは終わるんだろうか?
嫌だ。
終わりたくない。
月島君は一度席を立つと水を持って戻って来た。
「何か飲む?」
「いえ…」
「あ~連れてきて悪いんだけど……俺、今からどうしても行かなきゃならないとこがあってさ…明日もう一度会えない?」
「……」
「ごめん。自分勝手だよな…。でも、あ~断ろうかな…」
「あの…」
「ごめん、断ってく…」
「あの!明日ですか?」
何か知らないけど、大事な用事は断ってはいけないよ。
「まじ?」
「はい…」
「ホントごめん。誠の代わりにバイト頼まれててさ。行くとこだったんだ。ちょっと早いけど家出てさ。早く出て良かった。ユキに会えた」
興奮して喋りまくっている月島君はいつもより幼く見える。
「ごめんな。あっ、何でも好きなもの頼んで。マスターに言っとくから」
慌ただしく席を立つ月島君を唖然と見ていると、困ったような顔で僕を見て、
「あのさ、一つだけ聞いて良い?」
「はい」
「ユキは神田さんと、その……付き合ってるの?」
「いいえ、付き合っていませんけど」
「そう」
嬉しそうだ。
ずきり。
この意味を今は知っている。
「じゃあ、明日ここで。時間も同じで良い?」
「はい、分かりました」
「道分かる?」
「はい、大丈夫です」
「……?……」
「どうかしましたか?」
「いや、何でも無い。じゃあ、気を付けて。送ってあげられなくてごめんな」
僕、男だし平気だよ。さっきは誤解されたけど、大丈夫だと思うよ…。
謝ってばかりの月島君は店を出て行った。
店員さんが「何か飲む?ケーキもあるよ」って言ってくれた。
「いえ、今日は帰ります。何も注文しなくてすみません」
「全然、大丈夫だよ。彰の連れだろ?」
月島君はやはりここの常連さんのようだ。
「はい、では失礼します」
ぺこり。
綺麗なのに気さくな店員さんだ。男だけど。背は僕より高くて……当たり前か?僕、小さいから……、165cmくらいかな。華やかな感じの美人さんで、スラリとした身体にロングエプロンが似合ってる。
僕は「いいえ」の返事を飲み込んだ。月島君は僕が…いや『ユキ』が男だと知っていて探してたんだ。でも『橘裕樹』ではない。
月島君が、僕が『橘裕樹』だと知ったらこの幸せは終わるんだろうか?
嫌だ。
終わりたくない。
月島君は一度席を立つと水を持って戻って来た。
「何か飲む?」
「いえ…」
「あ~連れてきて悪いんだけど……俺、今からどうしても行かなきゃならないとこがあってさ…明日もう一度会えない?」
「……」
「ごめん。自分勝手だよな…。でも、あ~断ろうかな…」
「あの…」
「ごめん、断ってく…」
「あの!明日ですか?」
何か知らないけど、大事な用事は断ってはいけないよ。
「まじ?」
「はい…」
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興奮して喋りまくっている月島君はいつもより幼く見える。
「ごめんな。あっ、何でも好きなもの頼んで。マスターに言っとくから」
慌ただしく席を立つ月島君を唖然と見ていると、困ったような顔で僕を見て、
「あのさ、一つだけ聞いて良い?」
「はい」
「ユキは神田さんと、その……付き合ってるの?」
「いいえ、付き合っていませんけど」
「そう」
嬉しそうだ。
ずきり。
この意味を今は知っている。
「じゃあ、明日ここで。時間も同じで良い?」
「はい、分かりました」
「道分かる?」
「はい、大丈夫です」
「……?……」
「どうかしましたか?」
「いや、何でも無い。じゃあ、気を付けて。送ってあげられなくてごめんな」
僕、男だし平気だよ。さっきは誤解されたけど、大丈夫だと思うよ…。
謝ってばかりの月島君は店を出て行った。
店員さんが「何か飲む?ケーキもあるよ」って言ってくれた。
「いえ、今日は帰ります。何も注文しなくてすみません」
「全然、大丈夫だよ。彰の連れだろ?」
月島君はやはりここの常連さんのようだ。
「はい、では失礼します」
ぺこり。
綺麗なのに気さくな店員さんだ。男だけど。背は僕より高くて……当たり前か?僕、小さいから……、165cmくらいかな。華やかな感じの美人さんで、スラリとした身体にロングエプロンが似合ってる。
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