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第五章
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和希に言おうか迷ったけど、これ以上心配掛けたくなくて夜に電話した。
『……そうなんだ。まあ、良かったじゃない。今度ははっきり断れたんでしょ?もう、次に進めるね』
うん……次か…次だよね。
眼鏡が無いユキとして彰君に会っているのは和希にもまだ言っていない。
言ってしまおうか?
「あの…実はさ…」
『会ってるんでしょ?月島と』
「えっ?」
『奈津美さんが言ってたよ』
「奈津美が?」
『奈津美さんはおばさんに聞いたみたい。夏休み入る前くらいから土曜日にオシャレして出掛けて行く裕樹に「彼女でも出来たのかも」って話してたらしいよ。
今、裕樹が会いたい人って月島だよね?』
何その情報網…怖いんだけど……。
『で、どうして月島と会う事になってるの?』
……どうしよう。なんかちょっと怒ってる?
電話って顔が見えないから、表情が分からない分声色が凄く気になる。
『怒ってないよ』
僕の気持ちに気付いてくれたけど、やっぱり怒ってる?
『月島と会う事は怒って無いよ』
「うん」
『だけど、どうして言ってくれなかったの?』
「あっ、ごめん」
『もう裕樹が傷付くのは見たく無い』
「そうだね。心配掛けてごめんね」
『出掛ける時、眼鏡して無いって聞いた。月島はちゃんと「橘裕樹」として会ってるの?
学校の裕樹と眼鏡掛けてない本当の裕樹をちゃんと同じだと分かってくれてる?』
「…分からないんだ」
『…裕樹…』
「ずっと『ユキ』を探してたんだって。彰君にとって僕は『ユキ』なんだ…でも……もしかしたら奈津美の代わりかもしれない」
『そんな…』
「でも、会いたいんだ…」
『夏休みが終わって学校で会った時どうするの?』
「それは…」
『月島に奈津美さんの代わりだって言われたの?』
「そんな事言われて無いけど…」
『まあ、月島がそんな事するとは思えないけどね』
「うん」
『…本当の裕樹は月島の前にいるんだ。今度会う時は、偽りの姿で会っておいで。月島は分かってくれるよ』
『……そうなんだ。まあ、良かったじゃない。今度ははっきり断れたんでしょ?もう、次に進めるね』
うん……次か…次だよね。
眼鏡が無いユキとして彰君に会っているのは和希にもまだ言っていない。
言ってしまおうか?
「あの…実はさ…」
『会ってるんでしょ?月島と』
「えっ?」
『奈津美さんが言ってたよ』
「奈津美が?」
『奈津美さんはおばさんに聞いたみたい。夏休み入る前くらいから土曜日にオシャレして出掛けて行く裕樹に「彼女でも出来たのかも」って話してたらしいよ。
今、裕樹が会いたい人って月島だよね?』
何その情報網…怖いんだけど……。
『で、どうして月島と会う事になってるの?』
……どうしよう。なんかちょっと怒ってる?
電話って顔が見えないから、表情が分からない分声色が凄く気になる。
『怒ってないよ』
僕の気持ちに気付いてくれたけど、やっぱり怒ってる?
『月島と会う事は怒って無いよ』
「うん」
『だけど、どうして言ってくれなかったの?』
「あっ、ごめん」
『もう裕樹が傷付くのは見たく無い』
「そうだね。心配掛けてごめんね」
『出掛ける時、眼鏡して無いって聞いた。月島はちゃんと「橘裕樹」として会ってるの?
学校の裕樹と眼鏡掛けてない本当の裕樹をちゃんと同じだと分かってくれてる?』
「…分からないんだ」
『…裕樹…』
「ずっと『ユキ』を探してたんだって。彰君にとって僕は『ユキ』なんだ…でも……もしかしたら奈津美の代わりかもしれない」
『そんな…』
「でも、会いたいんだ…」
『夏休みが終わって学校で会った時どうするの?』
「それは…」
『月島に奈津美さんの代わりだって言われたの?』
「そんな事言われて無いけど…」
『まあ、月島がそんな事するとは思えないけどね』
「うん」
『…本当の裕樹は月島の前にいるんだ。今度会う時は、偽りの姿で会っておいで。月島は分かってくれるよ』
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