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告白ゲーム
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「なんだよ、一回別れた意味は?」
「博也、言っても良い?」
「ダメ、内緒で…」
多分、真っ赤な顔してると思う。
どうしよう、後数ヶ月同じクラスで過ごさなきゃならないのに。あのまま別れたってことで良かったのに。そんなに堂々とされると、恥ずかしがるのも恥ずかしい気がする。寺本の手が離せない。それでも、藤井たちは寺本と手を繋ぐ僕を気持ち悪いと悪口を言うでもなく睨むこともない。
「佐久間、お前、可愛すぎなんだけど」
「稲葉、博也は俺のだから」
「本命ってことはさ、佐久間の名前書いたの樹?」
「そうだ」
「なんだよ~、俺も佐久間の名前書けば良かった」
「残念だな。博也は稲葉なら断ってるよ」
なっ?と僕を見る寺本は何故か焦ってる。当たり前だよ。何度も激しく頷くと、ようやくいつものイケメンスマイルが戻った。
「必死な樹初めて見た」
四人に散々からかわれた。けれど、嫌なからかいではなく友だちとその彼氏?…って感じで、今度一緒に遊びに行こうと誘われた。寺本は嫌がってたけど、ズルしたから罰だと押し切られた。メモ用紙に小細工したのがバレてしまったんだから、仕方ないよね。
◇◇◇◇◇
昨日の日曜日、公園から自転車を押して二人で歩いて寺本の家に行った。
「佐久間、好きなんだ。俺と付き合ってくれる?」
優しく、真剣な声で再び告白された。今度は嬉し涙が止まらない。何度も頷いて声にならない返事を返した。膝の上に座る僕を抱きしめていた腕が緩み、顔を覗き込まれる。
「凄い顔。涙でぐちゃぐちゃ」
悪かったなと言う僕の言葉を聞く前に目に触れる唇。それは頬を伝い唇へ。
「んっ…」
「嫌だった?」
「嫌なわけない。僕も樹が好き。ありがと」
「やっと名前で呼んでくれた」
「でも、みんな樹って名前を呼び捨てにしてるのに、僕だけが特別なわけないんじゃない?」
「博也に呼んで欲しかった。博也だけの呼び方を考える?」
「たっちゃん…とか?」
「それでも良いよ」
「樹が良い。ずっと羨ましかったから」
近くで子どもの声がする。慌てて膝の上から降りた。ベンチに並んで座り、泣き顔を隠すように下を向く。
「大丈夫だよ。ここには滅多に人は来ない」
「うん。でも、来るかもしれない」
膝から降りたことを残念がる寺本は僕の手を離さない。
「これからどうする?出かけても良いけど、もっとイチャイチャしたい」
「イ、イチャ…って」
照れることなく、はっきりと、もっとキスしたいと耳元で色っぽい声が響く。コクンと頷き返事をしたけれど、それだけで今の僕には精一杯だ。
途中のコンビニでサンドイッチとコーヒーとジュースを買った。二人とも自転車を押しながらだから手は繋げない。自転車がなくても外では繋げないのだから、僕も寺本の部屋に行きたかった。
家に着くとお母さんがびっくりしてた。そりゃ、出掛けると家を出た息子が一時間も経たずに帰ってくれば不審がる。
「博也がちょっと足、怪我して。遠出とか無理だから」
「すみません。お邪魔します」
救急セットを渡されて罪悪感が押し寄せる。
「博也…」
部屋に入った途端、両手を広げて僕を待つ。
学校裏の公園では自分からその腕の中に入ることはできなかった。
けれど、今は…。
「樹、好き」
「んっ、俺も好き」
END
「博也、言っても良い?」
「ダメ、内緒で…」
多分、真っ赤な顔してると思う。
どうしよう、後数ヶ月同じクラスで過ごさなきゃならないのに。あのまま別れたってことで良かったのに。そんなに堂々とされると、恥ずかしがるのも恥ずかしい気がする。寺本の手が離せない。それでも、藤井たちは寺本と手を繋ぐ僕を気持ち悪いと悪口を言うでもなく睨むこともない。
「佐久間、お前、可愛すぎなんだけど」
「稲葉、博也は俺のだから」
「本命ってことはさ、佐久間の名前書いたの樹?」
「そうだ」
「なんだよ~、俺も佐久間の名前書けば良かった」
「残念だな。博也は稲葉なら断ってるよ」
なっ?と僕を見る寺本は何故か焦ってる。当たり前だよ。何度も激しく頷くと、ようやくいつものイケメンスマイルが戻った。
「必死な樹初めて見た」
四人に散々からかわれた。けれど、嫌なからかいではなく友だちとその彼氏?…って感じで、今度一緒に遊びに行こうと誘われた。寺本は嫌がってたけど、ズルしたから罰だと押し切られた。メモ用紙に小細工したのがバレてしまったんだから、仕方ないよね。
◇◇◇◇◇
昨日の日曜日、公園から自転車を押して二人で歩いて寺本の家に行った。
「佐久間、好きなんだ。俺と付き合ってくれる?」
優しく、真剣な声で再び告白された。今度は嬉し涙が止まらない。何度も頷いて声にならない返事を返した。膝の上に座る僕を抱きしめていた腕が緩み、顔を覗き込まれる。
「凄い顔。涙でぐちゃぐちゃ」
悪かったなと言う僕の言葉を聞く前に目に触れる唇。それは頬を伝い唇へ。
「んっ…」
「嫌だった?」
「嫌なわけない。僕も樹が好き。ありがと」
「やっと名前で呼んでくれた」
「でも、みんな樹って名前を呼び捨てにしてるのに、僕だけが特別なわけないんじゃない?」
「博也に呼んで欲しかった。博也だけの呼び方を考える?」
「たっちゃん…とか?」
「それでも良いよ」
「樹が良い。ずっと羨ましかったから」
近くで子どもの声がする。慌てて膝の上から降りた。ベンチに並んで座り、泣き顔を隠すように下を向く。
「大丈夫だよ。ここには滅多に人は来ない」
「うん。でも、来るかもしれない」
膝から降りたことを残念がる寺本は僕の手を離さない。
「これからどうする?出かけても良いけど、もっとイチャイチャしたい」
「イ、イチャ…って」
照れることなく、はっきりと、もっとキスしたいと耳元で色っぽい声が響く。コクンと頷き返事をしたけれど、それだけで今の僕には精一杯だ。
途中のコンビニでサンドイッチとコーヒーとジュースを買った。二人とも自転車を押しながらだから手は繋げない。自転車がなくても外では繋げないのだから、僕も寺本の部屋に行きたかった。
家に着くとお母さんがびっくりしてた。そりゃ、出掛けると家を出た息子が一時間も経たずに帰ってくれば不審がる。
「博也がちょっと足、怪我して。遠出とか無理だから」
「すみません。お邪魔します」
救急セットを渡されて罪悪感が押し寄せる。
「博也…」
部屋に入った途端、両手を広げて僕を待つ。
学校裏の公園では自分からその腕の中に入ることはできなかった。
けれど、今は…。
「樹、好き」
「んっ、俺も好き」
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