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第五章
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ダレルは移転魔法も成功しているから、今回の手紙移転も難なくできた。先生はみんなにお手本を見せるためと、難しすぎるのではないかと尻込みする子が一部で出てきているのに、景気付けのおつもりだったのだろう。
「いいですか?学園長へ手紙を届けるのに何も書かず出すのはあまりに失礼というもの。何か一言…そうですね、今回の意気込みとか、将来の夢など署名と共にその紙に書いて届けてください。
脅すわけではありませんが、あまり思い切ったことを書くと失敗した時……恥ずかしいですからね。以前…何年前でしたか…成功すると信じ、好きな子の名前を書いてこれが成功すれば告白しますと学園長に高らかに宣言したのに、直接その子に届いてしまい失敗して…失恋しました。その好きな子への思いが強すぎてね。学園や寮は手紙移転も移転魔法も使えませんから、その子の実家に届いたのですよ…可哀想に」
こんなこと言われたら、余計尻込みしちゃうんじゃないかな…。そう思ったけど、踏ん切りが付いたのかやってやろうじゃないかって思った子が多かったようだ。
魔法学の先生はバーンズ先生の他にも何人かいらっしゃって、非常勤で教えに来てくださる先生もいる。
六年生は全員が五年生より早く手紙移転を成功させたら、移転魔法を今年教えて欲しいと直訴していて、担当の先生は頭を抱えていらっしゃる。僕たちには是非六年生より早く成功させて欲しいと言われたそうだ。ロドニー兄上たち七年生が苦戦していたのに…勘弁してほしい…と誰もが思っておられるみたい。
この課題でもダレルの次に成功させたのはアシュリーだった。
「ねえ、学園長に何て書いたの?」
寮の部屋、アシュリーの膝の上で跨るように座ってる。重くないのかと心配する僕に、離れていたくないから…なんて言われたら嬉しくなっちゃう。
「ぁっ…んっ…はぁ…」
僕への返事の代わりにキスをくれる。いつもの始まりより激しく絡まる舌に息が上がってしまう。どうしたのかな?肩に添えていた手を背中に回し、抱きつく力を強くする。
僕だけに見せてくれる不安気なアシュリーの態度や顔は、信頼してくれている証。
だから、そんな顔はして欲しくないけれど、僕だけに…って思うと仕合わせだ。
『どう、したの?』
『んっ?何でもない』
キスをしながら会話する。
便利だよね、これ…。
『ダメ、だよ。僕には、ちゃんと、言って』
キスをやめて顔を覗き込まれた。寮に帰ってきた時とは違う落ち着いた様子に安心した。
「ほら、大丈夫だよ?俺にはジュリが付いててくれるから…。こうして、抱きしめて、キスすればそれだけで」
…不安はなくなるから…。
「だから、その不安を教えてほしいな。どんなアシュでも大好きだよ。でも、僕に秘密を持つのは嫌だ」
「ジュリ…愛してる」
「んっ?僕も愛してるよ。だから…ねっ?」
チュっとキスをして、誤魔化そうとするアシュリーの頬を両手で挟む。
「理由なんてないさ。ただ、漠然とした不安だよ。今日、手紙移転を成功させた。学園長からのお祝いと励ましの手紙をバーンズ先生から渡されたんだ」
学園長は成功した証として何かしらの手紙を書いていて、今年は忙しいと言っておられた。五年生は僕たちのクラスだけだから、そんなに変わらないと思うんだけどな…。
「その手紙にさ…期待してるとか、はっきり書いてないけど、こんなことは出来て当たり前みたいに取れる文章があって…頑張ったのになって思っただけだよ」
「僕はまだ、成功してないよ?」
「学園長に他意はないんだよ、きっと。陛下始め、国全体が浮かれてる。その原因が俺たちなんだなって思うと、ちょっとね」
幼い頃に気付いてしまったアシュリーは、今まで何度もこんな不安と向き合ってきたのだろうか?父君にも言ってなかったみたいだから、一人で抱えてきたんだ。
僕は気付いた途端にアシュリーが守ってくれた。
アシュリーの背中に腕を回し少しだけ魔力を集める。心を癒すのは身体を癒すより魔力の集中が必要だ。そして、完全に癒すことは難しい。
「ジュリ…ありがとう。でもね、俺はこうしてるだけで癒されるんだよ」
そう言って、キスをした。
「一番の癒しは…俺のを咥えて、可愛く啼いてるジュリが…」
「!……もう!」
は、恥ずかしいよ。
「今度の休みに、ジョナス殿下に会いに行こうか?」
アシュリーの提案に驚きながら、頷いた。あんなに殿下に会うなって言ってたのに。
「いいですか?学園長へ手紙を届けるのに何も書かず出すのはあまりに失礼というもの。何か一言…そうですね、今回の意気込みとか、将来の夢など署名と共にその紙に書いて届けてください。
脅すわけではありませんが、あまり思い切ったことを書くと失敗した時……恥ずかしいですからね。以前…何年前でしたか…成功すると信じ、好きな子の名前を書いてこれが成功すれば告白しますと学園長に高らかに宣言したのに、直接その子に届いてしまい失敗して…失恋しました。その好きな子への思いが強すぎてね。学園や寮は手紙移転も移転魔法も使えませんから、その子の実家に届いたのですよ…可哀想に」
こんなこと言われたら、余計尻込みしちゃうんじゃないかな…。そう思ったけど、踏ん切りが付いたのかやってやろうじゃないかって思った子が多かったようだ。
魔法学の先生はバーンズ先生の他にも何人かいらっしゃって、非常勤で教えに来てくださる先生もいる。
六年生は全員が五年生より早く手紙移転を成功させたら、移転魔法を今年教えて欲しいと直訴していて、担当の先生は頭を抱えていらっしゃる。僕たちには是非六年生より早く成功させて欲しいと言われたそうだ。ロドニー兄上たち七年生が苦戦していたのに…勘弁してほしい…と誰もが思っておられるみたい。
この課題でもダレルの次に成功させたのはアシュリーだった。
「ねえ、学園長に何て書いたの?」
寮の部屋、アシュリーの膝の上で跨るように座ってる。重くないのかと心配する僕に、離れていたくないから…なんて言われたら嬉しくなっちゃう。
「ぁっ…んっ…はぁ…」
僕への返事の代わりにキスをくれる。いつもの始まりより激しく絡まる舌に息が上がってしまう。どうしたのかな?肩に添えていた手を背中に回し、抱きつく力を強くする。
僕だけに見せてくれる不安気なアシュリーの態度や顔は、信頼してくれている証。
だから、そんな顔はして欲しくないけれど、僕だけに…って思うと仕合わせだ。
『どう、したの?』
『んっ?何でもない』
キスをしながら会話する。
便利だよね、これ…。
『ダメ、だよ。僕には、ちゃんと、言って』
キスをやめて顔を覗き込まれた。寮に帰ってきた時とは違う落ち着いた様子に安心した。
「ほら、大丈夫だよ?俺にはジュリが付いててくれるから…。こうして、抱きしめて、キスすればそれだけで」
…不安はなくなるから…。
「だから、その不安を教えてほしいな。どんなアシュでも大好きだよ。でも、僕に秘密を持つのは嫌だ」
「ジュリ…愛してる」
「んっ?僕も愛してるよ。だから…ねっ?」
チュっとキスをして、誤魔化そうとするアシュリーの頬を両手で挟む。
「理由なんてないさ。ただ、漠然とした不安だよ。今日、手紙移転を成功させた。学園長からのお祝いと励ましの手紙をバーンズ先生から渡されたんだ」
学園長は成功した証として何かしらの手紙を書いていて、今年は忙しいと言っておられた。五年生は僕たちのクラスだけだから、そんなに変わらないと思うんだけどな…。
「その手紙にさ…期待してるとか、はっきり書いてないけど、こんなことは出来て当たり前みたいに取れる文章があって…頑張ったのになって思っただけだよ」
「僕はまだ、成功してないよ?」
「学園長に他意はないんだよ、きっと。陛下始め、国全体が浮かれてる。その原因が俺たちなんだなって思うと、ちょっとね」
幼い頃に気付いてしまったアシュリーは、今まで何度もこんな不安と向き合ってきたのだろうか?父君にも言ってなかったみたいだから、一人で抱えてきたんだ。
僕は気付いた途端にアシュリーが守ってくれた。
アシュリーの背中に腕を回し少しだけ魔力を集める。心を癒すのは身体を癒すより魔力の集中が必要だ。そして、完全に癒すことは難しい。
「ジュリ…ありがとう。でもね、俺はこうしてるだけで癒されるんだよ」
そう言って、キスをした。
「一番の癒しは…俺のを咥えて、可愛く啼いてるジュリが…」
「!……もう!」
は、恥ずかしいよ。
「今度の休みに、ジョナス殿下に会いに行こうか?」
アシュリーの提案に驚きながら、頷いた。あんなに殿下に会うなって言ってたのに。
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