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第七章
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次の街へは街外れに停めてある馬車で移動する。そこにはハクスリー先生とバーンズ先生が待っていた。
学園の先生である前に、最高剣術者アズリーと最高魔法術者ジェイドの二人だ。バーンズ先生は公爵家の出身で、この旅が気軽なものではないことはご存知だ。ハクスリー先生は地方の子爵家だけど、陛下の信頼も厚くこの旅のことも聞いたのだろう、神妙な面持ちだ。
不測の事態に備えての対応なのか、まだ学生である僕たちへの配慮なのか。出発からみんなは緊張で顔は強張り、言葉数は少なかった。けれど、二人に会って笑顔になる。
先生が操る馬車に乗り込み、一緒に次の街まで行く。
「ありがとうございます」
代表してジョナス殿下が礼を言う。
「殿下の近衛兵が自分たちが行くとうるさかったのですがね。エリオットに睨まれてすごすご引き下がったよ。ダメだね。もう一度鍛え直さないと」
「ハクスリー先生に剣で敵う者はいないですよ。大目に見てください。ライナスに鍛えられてだいぶ強くなってますよ」
「ライナスと言えば…」
ハクスリー先生が何かを思い出すように呟く。
「学園の生徒と休みの度に会っているそうじゃないですか?」
「そうなんです」
殿下が含み笑いを漏らし、それに答えた。
「珍しいな。殿下に仕えてから、学園に在籍されていた八年間でさえ、あまり休みも取らなかったのに」
「噂になっているのですか?」
知らなかったと、ククッと笑う。
「何がそんなにおかしいのですか?」
「いや、だって…俺がライナスの休暇を学園の休みに合わせてるのに、最初気付かないんだ。ジミーがいつも合わせてもらってすみませんって言うのを聞いて驚いたって。休み明けはいつも楽しそうにジミーとどんな風に過ごしたのかを報告するんだ。俺はそんなの知りたくないよ。だんだんジミーの事話すライナスの顔が変わってくるんだ。面白いよ」
ジミーとシンクレア隊長は順調にお友だちになってる。でもまだ殿下に報告できることしかしてない…いや、なんでもない。
「ジミーって、ジミー・スネル?」
「そうですよ」
「へぇ~」
ハクスリー先生もシンクレア隊長が誰に会っているかは知らなかったみたい。
「気を付けて行ってらっしゃい」
バーンズ先生がダレルに何かを手渡した。
「何かの役に立つと思います」
「はい。先生、ありがとうございます」
「あなたたちは優秀なので問題ないとは思いますが、くれぐれも油断せずに」
「「「はい。行ってきます」」」
先生に見送られて出発した。一瞬の後先生が立っていた場所には、小さな旋風が砂を巻き上げていた。馬車も一緒に連れて行ったのかそこには何も残っていない。
今はまだ日は高く次の街まで行くことになった。ここからは歩いて行く。宿に泊まることは難しい。仕方ないことだけど、殿下が有名すぎて直ぐにわかってしまう。騒ぎになっては困るからテントで夜を過ごす。
移転魔法で実家に帰ることもできるけれど、僕たちは習得して日が浅く実践でほとんど使ったことがない。慣れないことは魔力の消費も多い。失敗することはないだろうし、緊急時には迷いなく使うとは思うけれど、リスクは回避しないといけない。
街外れの街道から少し森に入ったところで今夜は泊まることになった。
ダレルのカバンから、本のような大きさのテントを出して、杖で叩くとたちまち人が入れる大きさのテントが張られている。テントに結界を張り不用意な訪問者を防いだ。
中に入ると見た目とは違い広い。ベッドが五つあって、テーブルと椅子が中央に置かれていた。これなら宿に泊まれなくても問題ない。簡易的なキッチンもあってアシュリーが料理を作ってくれる。
「凄いね。まるで寮にいるみたいだよ」
「そうですね。アシュリーは旅のことを考えて寮で料理を始めたのですか?」
イーノックが出された料理を見て感嘆のため息を吐く。アシュリーがお肉を焼いてスープとパンがテーブルに並ぶとみんなで食べた。
「贅沢はできないしな」
「十分ですよ」
朝からの緊張と、お昼ご飯を少ししか食べていないので、みんな黙々と食べてる。
食べ終わりお茶を飲んでいる時に殿下が話があると切り出した。
学園の先生である前に、最高剣術者アズリーと最高魔法術者ジェイドの二人だ。バーンズ先生は公爵家の出身で、この旅が気軽なものではないことはご存知だ。ハクスリー先生は地方の子爵家だけど、陛下の信頼も厚くこの旅のことも聞いたのだろう、神妙な面持ちだ。
不測の事態に備えての対応なのか、まだ学生である僕たちへの配慮なのか。出発からみんなは緊張で顔は強張り、言葉数は少なかった。けれど、二人に会って笑顔になる。
先生が操る馬車に乗り込み、一緒に次の街まで行く。
「ありがとうございます」
代表してジョナス殿下が礼を言う。
「殿下の近衛兵が自分たちが行くとうるさかったのですがね。エリオットに睨まれてすごすご引き下がったよ。ダメだね。もう一度鍛え直さないと」
「ハクスリー先生に剣で敵う者はいないですよ。大目に見てください。ライナスに鍛えられてだいぶ強くなってますよ」
「ライナスと言えば…」
ハクスリー先生が何かを思い出すように呟く。
「学園の生徒と休みの度に会っているそうじゃないですか?」
「そうなんです」
殿下が含み笑いを漏らし、それに答えた。
「珍しいな。殿下に仕えてから、学園に在籍されていた八年間でさえ、あまり休みも取らなかったのに」
「噂になっているのですか?」
知らなかったと、ククッと笑う。
「何がそんなにおかしいのですか?」
「いや、だって…俺がライナスの休暇を学園の休みに合わせてるのに、最初気付かないんだ。ジミーがいつも合わせてもらってすみませんって言うのを聞いて驚いたって。休み明けはいつも楽しそうにジミーとどんな風に過ごしたのかを報告するんだ。俺はそんなの知りたくないよ。だんだんジミーの事話すライナスの顔が変わってくるんだ。面白いよ」
ジミーとシンクレア隊長は順調にお友だちになってる。でもまだ殿下に報告できることしかしてない…いや、なんでもない。
「ジミーって、ジミー・スネル?」
「そうですよ」
「へぇ~」
ハクスリー先生もシンクレア隊長が誰に会っているかは知らなかったみたい。
「気を付けて行ってらっしゃい」
バーンズ先生がダレルに何かを手渡した。
「何かの役に立つと思います」
「はい。先生、ありがとうございます」
「あなたたちは優秀なので問題ないとは思いますが、くれぐれも油断せずに」
「「「はい。行ってきます」」」
先生に見送られて出発した。一瞬の後先生が立っていた場所には、小さな旋風が砂を巻き上げていた。馬車も一緒に連れて行ったのかそこには何も残っていない。
今はまだ日は高く次の街まで行くことになった。ここからは歩いて行く。宿に泊まることは難しい。仕方ないことだけど、殿下が有名すぎて直ぐにわかってしまう。騒ぎになっては困るからテントで夜を過ごす。
移転魔法で実家に帰ることもできるけれど、僕たちは習得して日が浅く実践でほとんど使ったことがない。慣れないことは魔力の消費も多い。失敗することはないだろうし、緊急時には迷いなく使うとは思うけれど、リスクは回避しないといけない。
街外れの街道から少し森に入ったところで今夜は泊まることになった。
ダレルのカバンから、本のような大きさのテントを出して、杖で叩くとたちまち人が入れる大きさのテントが張られている。テントに結界を張り不用意な訪問者を防いだ。
中に入ると見た目とは違い広い。ベッドが五つあって、テーブルと椅子が中央に置かれていた。これなら宿に泊まれなくても問題ない。簡易的なキッチンもあってアシュリーが料理を作ってくれる。
「凄いね。まるで寮にいるみたいだよ」
「そうですね。アシュリーは旅のことを考えて寮で料理を始めたのですか?」
イーノックが出された料理を見て感嘆のため息を吐く。アシュリーがお肉を焼いてスープとパンがテーブルに並ぶとみんなで食べた。
「贅沢はできないしな」
「十分ですよ」
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