sweet!!

仔犬

文字の大きさ
56 / 378
everyday!!

2

しおりを挟む

「ああ、わりい……笑いに来たわけじゃねえんだよ」

そうだろうとも。ゼンブユイノセイ。

「何か俺たちに用ですか?」

「ああ、敬語いらねえから。ちょっと話してみたかったんだよなぁ、氷怜さん達のお気に入りに」

「え?」

1番手前茶髪くんがまとめ役なのかわからないがその言葉に全員がうんうん、と頷いた。彼等は階段に立っているので、下から見上げると圧巻だ。
だが俺たちは頷く訳にはいかなかった。優も頭の上にはてなが飛んでいる。


「まあ、唯は別として……お気に入り?俺らが?」

「先輩みんなに優しくない?」


2人で首を傾げるも茶髪くんは何言ってんだ!と力を入れた。

「もちろんあの人たちは優しいさ。でもそれは俺たちチームにしか向かない。あの人たちが普通に部外者連れてくる事が可笑しいんだよ」

「そう、なんだ……」


先輩達が優しくない、と言うイメージがつかない。壁は厚いが少しでも内に入る事で変わってくるのかもしれないし出会いが出会いだっただけに壁を作る暇もなかったのかも。


「あんまり深く考えた事なかったけど……ここの人達みんな好きだし、もちろんあんた達とも仲良くなりたいし、許されるなら遊びに来たいなって感じ!」

「うん、後夜祭も楽しみだから頑張って。暇になったら俺たちとも遊んでよ」

続いた優の言葉に茶髪くんたちが目を見開いたと思えばなんだか不燃焼な顔をした。

「唯斗ってやつもそうだけど……秋裕、優夜、お前らも力抜けるわ」

「そう言うのはゼンブユイノセイだから」

「は?」


ニッと笑った俺たちはなんだか面白くて笑ってしまった。だって本当に唯のせいだ。しかもみんなそのうち唯のせいって分かるはず。そう考えるとたまらなく面白い。

「何やってたんだお前ら……?」

今度は階段の下から式に声をかけられた。あまりの大勢に不自然に思ったのか様子を伺いに来たようだ。

「おー式おかえり!」

「世間話だよ」


にっこり笑った優にそうかよ変わらぬ態度でいうと今度は馬鹿にしたように唇の端を上げた。座っていた俺らの頭に手を置いて茶髪くんたちにこう言った。


「あんまりこいつらに構ってると馬鹿になるぞ」

「んな!」

怒り出そうとするも頭を抑えられて手をブンブンするだけになった。同じような身長なのにその力は歴然だ。


「いや、もう十分気が抜けたわ」

「まあ、また後で話そうぜ!」

「じゃあな!」


パラパラと話し出すと彼等は解散していく。本当には少し話したかったらしい。まだ頭に乗っている腕の隙間から式の顔を見上げれば何故か彼は怒っていた。

「どしたの?」

「いや、瑠衣さん達が……」

「ん?先輩戻ってきた?」

「見てたからお前らの事……いくらチームのやつだからってちょっとは警戒しろよ」

そんなことを言われてもこうして式もいるわけだし、彼等が威圧的なわけでもなかった。なんなら唯の話しかしてない。

「大勢いたからびっくりしたんじゃないの?それに唯の話してたから変なことにはならないよ」

「唯は魔除け効果あるからね」


Vサインの俺たちに式が大きなため息をつく。入れ替わりで優がまたあくびをした。ついに伝染したのか俺まであくびが出てきた。

「眠いなら寝てろよ今日も長いぞ」

「んー横になるとガチ寝しちゃう」


式の左側からチームの人と話す瑠衣先輩が見えた。
今日はショッキングピンクのパーカーを着ているからよく目立つ。いや着てなくても目立つんだけどさ。

そんな彼が暮刃先輩に肩を叩かれ、2人の視線が俺たちに向いた。
しおりを挟む
感想 182

あなたにおすすめの小説

とあるΩ達の試練

如月圭
BL
 吉住クレハは私立成城学園に通う中学三年生の男のオメガだった。同じ学園に通う男のオメガの月城真とは、転校して初めてできた同じオメガの友達だった。そんな真には、番のアルファが居て、クレハはうらやましいと思う。しかし、ベータの女子にとある事で目をつけられてしまい……。  この話はフィクションです。更新は、不定期です。

私の庇護欲を掻き立てるのです

まめ
BL
ぼんやりとした受けが、よく分からないうちに攻めに囲われていく話。

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

百合豚、男子校に入る。

BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。 母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは―― 男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。 この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。 それでも眞辺は決意する。 生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。 立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。 さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。 百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。

アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。

天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!? 学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。 ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。 智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。 「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」 無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。 住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!

人気アイドルが義理の兄になりまして

BL
柚木(ゆずき)雪都(ゆきと)はごくごく普通の高校一年生。ある日、人気アイドル『Shiny Boys』のリーダー・碧(あおい)と義理の兄弟となり……?

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)

とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~

無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。 自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。

処理中です...