sweet!!

仔犬

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fight!!

3

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「良いだろうって……」

「桃花桃花、おいで」


取り乱す桃花に手招きをして集まらせる。作戦会議だ。

「唯斗さん何ほんとに馬鹿なことを……!」

わなわなと震えだした桃花は怒っているのか絶望しているのか分からなかった。なだめるために円陣を組む。

「桃花まだ体力あるよね?」

「いえ、有りますけど……流石にみなさん全員を守るのは……」

「守んなくて良いよ、だいたい先輩達おれらに殴らないから」

「え?」


そう確実に言えるのはどうせ殴らない。この勝負が殴り合いならおれたちがここにいる意味なんてないよ、瞬殺だから。だからこそ背中を地面に着けたら負けなのだ。
優も秋もすぐにおれの考えているイメージが伝わったらしい。

「ああ、なるほど……」

「俺たちも避け切るが前提で、ついでに隙をつくればいいんだな?」

「うん」

「え、どういう事ですか?だいたい隙なんて……」

あるハズない、あるハズないのだがこれはハンデありのイレギュラー戦。

 
「たぶん隙はおれらかなぁ」

「は?」


もう何もわからない、やめてくれって顔いっぱいに書いてある。そんな桃花が可愛くて笑ってしまった。

「そんな顔しないで桃花、怪我しない無茶しないを約束します」


おれの言葉に安心したのか、不満そうな顔をしながら頷いてくれた。

「……分かり、ました」

「桃花はじゃんじゃん隙ついていってね。おれら適当に行くから」

「え、まさかそれだけですか?」

「細かい事よくわかんないもん。でも多分タイミング来るからさ」

「え?」

「お願いね。避けるのはおれたち頑張るし。フォロー出来たらして欲しいくらいだからさ」

 「……はい」


どうにでもなれという顔で桃花は諦めたようだ。先輩たちは面白そうにこちらを見ている。

「もう良いのか?」

「はい!」


ガッツポーズしたおれにじゃあと、態勢を整える。おれは構えとかよくわかんないし棒立ちだけど。

「じゃあ私が合図するわ!」

サクラ姉さんがいつの間にか横まで来ていた。彼女の目は輝いて期待に満ちている。まさかのおれたち登場に興奮気味だ。勝利の女神には応えなければ。

「始め!」


正直この勝負、瞬間的なものでなければいけない。



秋がおれに目配せをしたので、手のひらを向けて促した。いってこい!

「よし、瑠衣先輩!」

「んー3秒で終わると思うけど?」

「それ多分こっちのセリフなんで」

「へえ?」

ニヤリと笑うと、一気に距離を詰めた瑠衣先輩は秋の頭と肩をすでに捉えていた。その体は一気に地面に向かっていく。もう終わり、誰もがそう思った。

でも秋の腕はそれよりも早く地面に着き、身体が地面に着くその前にバク転したのだ。びっくりした瑠衣先輩の隙をついて桃花が伸ばしたままだった瑠衣先輩の腕を掴み態勢を崩す。それでもすぐに脚で立て直した瑠衣先輩を秋が横から押し倒したのだ。

瑠衣先輩の上に乗った秋をキョトンとしながら見つめ、次に少しだけ眉を寄せた。

「……ズル~い」

「瑠衣先輩が驚いてくれて助かりました」


秋は意外と不敵な笑みが上手い。

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