sweet!!

仔犬

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date!!

2


その俺たちの目の前で氷怜先輩と優の間に座った暮刃先輩が比較的落ち着いた白のカップを2つテーブルに置いた。

「優夜はまだ顔色悪いね。はい、これはえーと……犬のワルツ?」

その名前に興味すら無さそうだが、律儀にも名前を覚えている。多分紅茶と言って暮刃先輩が優に渡した。

「ありがとうございます……そっちの奴はなんですか?」

「コーヒー。のむ?」

一口だけ、と頷いた優がホットコーヒーを両手で受け取り、その香りを楽しむと一口だけ飲んだ。表情を変えずに暮刃先輩に返した。

「好きなの?」

「人のを一口だけ飲むのが好きです」

「なにそれ……ははっ」

暮刃先輩が朗らかに笑うと優も少し元気を取り戻したのか笑っていた。
優はコーヒー好きだけど一杯は飲めないので誰かが買うといつも貰っている。自分でも買うけど最初だけ飲んで俺か唯にバトンタッチはパターン化だ。


「それにしても……」

「……遅いな」


俺の言葉を汲んだ氷怜先輩が眉間にしわを寄せた。いっこうに帰ってこない、1番近いトイレは視界に入るも並んでいる様子も見られなかった。

その時俺たちのすぐ隣の席でスマホをいじっていた女の子がトイレから戻ってきた彼氏くんにその通りの真ん中を指差してこう言うのだ。

「お帰りー。今ねーそこでカップルが揉めてるなーって思ったらさ、違う男の子が歩いてきて女の子の手を引いて離れてったの。そしたら残された男の子超怒っててさーなんだったんだろ?ナンパ?」

「んー?どっちが?」

「分かんないけどーそしたら怒り出した方が2人を追いかけてって……彼女取られたのかなー」

「3人できて喧嘩でもしたんじゃねぇの?」

「あーなるほどー」


ゆったりまったりな彼女が立ち上がると2人は腕を組んで通りに向かって歩いていく。そして最後に彼女は重要なことを教えてくれた。

「あーでもねー、連れてった男の子が着てたチェックのコート可愛かったなー」


思わず俺は持っていた山盛りフルーツドリンクを落としそうになった。絶対に唯だ。女の子助けるなら俺たちに声もかけずに行ってしまった理由もよく分かる。

「唯……こんな時まで」

優が引き攣った顔で氷怜先輩を見たら彼はタバコに火をつけたサングラスで表情はよく見えない。遠くを見つめ一息吸って煙を吐き出す。

暮刃先輩が穏やかな顔でどうするかと目で氷怜先輩にといかける。瑠衣先輩は変わらぬ呑気な口調で話し出した。



「ひさとー飼い主の出番だよー」



全員首輪が付いているというのに。





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