sweet!!

仔犬

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christmas!!

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「氷怜先輩!」

「お前らが入ってるとでかく見えるなその風呂……暮刃が長風呂するなら飲めだってよ」


そもそもこのお風呂はデカすぎる。差し出された銀のプレート上には透明なグラスに入った紅茶だ。氷が入っていてお風呂の中で絶品の温度。


「過保護だなあ……」


仕方なさそうに笑う優が手を伸ばして受け取った。

「そりゃそうだ。大事にしまって置きたいとか言われてるだろどうせ」

「う」

言葉を詰まらせた優。氷怜先輩には暮刃先輩の事も瑠衣先輩の事もお見通しななのだろう。くつくつ笑いながらガラスドアの前でしゃがみこんだ。お風呂から顔を出すをおれたちを1人ずつ見つめる。


「ちょっと目が覚めてきたな……瑠衣がプロジェクター使ってゲームやってるからやりてぇなら」

「やります!!!」


全員一致で挙手。
言い終わる前の返事に豪快に笑った氷怜先輩。
一呼吸置いてしゃがんだまま話し出す。

「身の丈に合わないとかそんなの気にしないでお前らはお前らはのやりたいようにしろよ。俺たちだって苦しく待てしてる訳じゃねえんだ」

まっすぐな瞳がおれたちを見ている。最初から変わらないぶれることのない瞳はいつも俺を安心させてくれた。

「楽しいんだよ単純にこの時間が。お前らとの今が」

「せんぱい……」

ゆっくりと立ち上がった氷怜先輩はニヒルな笑みをしまって子供のようにくしゃりと笑う。


「ただ、まあ?煽られたら反応するけどな」

「ああそれは本当にすみません……」

3人で頭を下げるとからりと笑った。

「そこも含めて気に入ってる。まあ俺らも子供って事だな」

本当に子供みたいな笑顔。

それが無性に嬉しくて、愛おしい。しかもおれたちが気にしている事まで汲んでその発言をしている優しさが身体も心もあったかくする。


「早く出て構ってやれ。のぼせんなよ」


振り向いたまま手を振って廊下へと消えていく先輩におれはもう後ろからハートを飛ばすことしかできない。


「好きい……」

「カッコいいよねもうマジで」

「まさしくお見通し、だね……いつまでも待たせる訳には行かないな本当に」


こんなお風呂の中で改めて誓いを立てることでもないけど。おれ達なりにしっかりとしたい事をしたいように。

「さて、出ますかね!」

「ゲーム久しぶりにやるなぁ」

「時間なかったしね」


美味しい紅茶も飲み干して着替えればリビングで巨大スクリーンを前に瑠衣先輩がけらけら笑っている。
対戦ものやシューティング、RPGまでなんでもあって1番最初に髪を乾かした秋が瑠衣先輩と対戦し始めた。


「秋、その銃カスタムしなくていいから体力につぎ込んで」

「了解っす!」

「ああー、くれちん助言禁止!」

「初心者なんだから」


暮刃先輩はゲームをほとんどやらなかったけど、頭を使う内容は本を読みながら加勢してくれる。
氷怜先輩もそんなにやっていないけど普段から瑠衣先輩の相手をさせられるらしくチーム戦では兄貴ついていきます!と言いたくなる素晴らしい技術を披露してくれた。

「唯斗、後ろ居るから回って撃て」

「はーい!」

「うげ!撃れた!」

 「あ、アッキー間違えた。ゴメーンね?」

「絶対ワザと!!!」

「アハハハハ!!」


途中から負けたらくすぐりの刑という瑠衣先輩のルールに泣かされる羽目になり、なんだか息も絶え絶えにゲームをしていて体力が削ぎ落とされることとなる。

罰ゲームで優の番が回ってくると暮刃先輩がいい笑顔で本を閉じた。

「ほら、おいでよ」

「え、なんで俺だけ暮刃先輩なんですか」

「まあまあ」

暮刃先輩のくすぐりがとんでもなく上手くてしばらく優が笑って動けてなくなったのでおれと秋はそのあと罰ゲーム回避に死に物狂いで頑張るけど、当たり前に勝てるわけもなく地獄なのか天国なのか笑い死ぬ事となる。

瑠衣先輩は特にFPSが強すぎて、世界ランク1位を目指してくださいよと冗談半分で言ったらげらげら笑いながら一瞬で上り詰めていた。多才過ぎ。



「優……?」

「あ、寝ちゃいましたね」


結局、ぎゃーぎゃーと夜中に突入。
そうして1番最初に夢に入ったのは優だ。









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