190 / 378
christmas!!
11
しおりを挟む「氷怜先輩!」
「お前らが入ってるとでかく見えるなその風呂……暮刃が長風呂するなら飲めだってよ」
そもそもこのお風呂はデカすぎる。差し出された銀のプレート上には透明なグラスに入った紅茶だ。氷が入っていてお風呂の中で絶品の温度。
「過保護だなあ……」
仕方なさそうに笑う優が手を伸ばして受け取った。
「そりゃそうだ。大事にしまって置きたいとか言われてるだろどうせ」
「う」
言葉を詰まらせた優。氷怜先輩には暮刃先輩の事も瑠衣先輩の事もお見通しななのだろう。くつくつ笑いながらガラスドアの前でしゃがみこんだ。お風呂から顔を出すをおれたちを1人ずつ見つめる。
「ちょっと目が覚めてきたな……瑠衣がプロジェクター使ってゲームやってるからやりてぇなら」
「やります!!!」
全員一致で挙手。
言い終わる前の返事に豪快に笑った氷怜先輩。
一呼吸置いてしゃがんだまま話し出す。
「身の丈に合わないとかそんなの気にしないでお前らはお前らはのやりたいようにしろよ。俺たちだって苦しく待てしてる訳じゃねえんだ」
まっすぐな瞳がおれたちを見ている。最初から変わらないぶれることのない瞳はいつも俺を安心させてくれた。
「楽しいんだよ単純にこの時間が。お前らとの今が」
「せんぱい……」
ゆっくりと立ち上がった氷怜先輩はニヒルな笑みをしまって子供のようにくしゃりと笑う。
「ただ、まあ?煽られたら反応するけどな」
「ああそれは本当にすみません……」
3人で頭を下げるとからりと笑った。
「そこも含めて気に入ってる。まあ俺らも子供って事だな」
本当に子供みたいな笑顔。
それが無性に嬉しくて、愛おしい。しかもおれたちが気にしている事まで汲んでその発言をしている優しさが身体も心もあったかくする。
「早く出て構ってやれ。のぼせんなよ」
振り向いたまま手を振って廊下へと消えていく先輩におれはもう後ろからハートを飛ばすことしかできない。
「好きい……」
「カッコいいよねもうマジで」
「まさしくお見通し、だね……いつまでも待たせる訳には行かないな本当に」
こんなお風呂の中で改めて誓いを立てることでもないけど。おれ達なりにしっかりとしたい事をしたいように。
「さて、出ますかね!」
「ゲーム久しぶりにやるなぁ」
「時間なかったしね」
美味しい紅茶も飲み干して着替えればリビングで巨大スクリーンを前に瑠衣先輩がけらけら笑っている。
対戦ものやシューティング、RPGまでなんでもあって1番最初に髪を乾かした秋が瑠衣先輩と対戦し始めた。
「秋、その銃カスタムしなくていいから体力につぎ込んで」
「了解っす!」
「ああー、くれちん助言禁止!」
「初心者なんだから」
暮刃先輩はゲームをほとんどやらなかったけど、頭を使う内容は本を読みながら加勢してくれる。
氷怜先輩もそんなにやっていないけど普段から瑠衣先輩の相手をさせられるらしくチーム戦では兄貴ついていきます!と言いたくなる素晴らしい技術を披露してくれた。
「唯斗、後ろ居るから回って撃て」
「はーい!」
「うげ!撃れた!」
「あ、アッキー間違えた。ゴメーンね?」
「絶対ワザと!!!」
「アハハハハ!!」
途中から負けたらくすぐりの刑という瑠衣先輩のルールに泣かされる羽目になり、なんだか息も絶え絶えにゲームをしていて体力が削ぎ落とされることとなる。
罰ゲームで優の番が回ってくると暮刃先輩がいい笑顔で本を閉じた。
「ほら、おいでよ」
「え、なんで俺だけ暮刃先輩なんですか」
「まあまあ」
暮刃先輩のくすぐりがとんでもなく上手くてしばらく優が笑って動けてなくなったのでおれと秋はそのあと罰ゲーム回避に死に物狂いで頑張るけど、当たり前に勝てるわけもなく地獄なのか天国なのか笑い死ぬ事となる。
瑠衣先輩は特にFPSが強すぎて、世界ランク1位を目指してくださいよと冗談半分で言ったらげらげら笑いながら一瞬で上り詰めていた。多才過ぎ。
「優……?」
「あ、寝ちゃいましたね」
結局、ぎゃーぎゃーと夜中に突入。
そうして1番最初に夢に入ったのは優だ。
34
あなたにおすすめの小説
アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。
天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!?
学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。
ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。
智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。
「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」
無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。
住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
俺の親友がモテ過ぎて困る
くるむ
BL
☆完結済みです☆
番外編として短い話を追加しました。
男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ)
中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。
一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ)
……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。
て、お前何考えてんの?
何しようとしてんの?
……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。
美形策士×純情平凡♪
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる