sweet!!

仔犬

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christmas!!!

4

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「優、服選んで~」

「いいけど」

朝食を食べ終え歯ブラシをする優に後ろから抱きついてお願いしたら、仕方なさそうにしながらも頷く。
まあ、実は嬉しそうだから本当はここの服コーデしたくてたまらなかったはず。だって現におれ以外のも選んでるし。


「先輩達の選ぶよね」

「勝手にね、あははっ」


ひょいひょい選んでいくスピードはさすが優。迷いもなく渡された服はシックなブラックのニットだ。おれにしては珍しくシンプルかもしれない。少し抜け感が好きなおれを熟知している優はどんぴしゃのワイドパンツを掴んだ。


「あ、この白のパンツ可愛い。これ下にはいて」

「いえっさ!」

「どうせなら先輩と色揃える?」


同じく白と黒を手に持った優が首をかしげる。氷怜先輩、黒しか着ない訳じゃないんだけどやっぱり黒のイメージが強い。

出会った頃は赤のイメージもあったけど
日本人に寄せて質問を減らすためどころかよくよく聞けば派手な眼の色をしていれば寄ってくる人間が減るという理由もあったという。人気者は大変だ。

おれが目の色を見たいと言ってからは会う日はいつもカラコンもしていないその目が好きすぎてやばい。

とは言えカラコンだって最高だった。


「買い物でしょ?……くだけた格好で良いしモノトーンコーデね。あ、氷怜先輩もこもこ着てくれるかな?」

「えええ単純におれが見たいよね……」

「言うと思った。まあでも、ここにあるって事は?」


着てほしい服を抱きしめてにこにこで一階に降りると、察してくれた氷怜先輩がおれの頭をぽんぽんすると受け取ってくれた。


「着替える」


苦笑気味のその笑顔だけでもはや十分なのだが、着てくれると言うので最大限に甘えてみる。

「じゃあそれは、俺のかな」

ローテーブルでパソコンを開いていた暮刃先輩がくすくす笑うが彼もまた優が選んだ服をさらりと受け取ると着替えに消えていく。

「暮刃先輩のどんな奴にしたの?」

「後のお楽しみ」

優がいい笑顔でそういうから楽しみが2倍に膨らむ。先に着替え終わった氷怜先輩が階段を下りながら感心したようにつぶやいた。

「相変わらず良く考えるな……」

「似合ってます」

優がにっこり笑っておれは隠しきれない表情手で覆い、ぱっかり開けた指の隙間から覗いていた。

「にやにやしない!」

洗顔を済ませた秋がおれの顔を見てぴしりと一言。バレバレで申し訳ないがそれは無理そうだ。

もこもことは言え、黒のボアブルゾンはオーバーサイズで男女ともに着ても問題ない。氷怜先輩はいつもすっきりした服の着こなしが多いから新鮮。でも男らしさも色気も残すこの人に日々抱きついているわけで。

おれと同じワイドパンツと合わせたらもう、そのスタイルも表情も仕草も心臓を掴んで離さない。

「瑠衣が好きなとこだなこれ」

「ひーにあってんじゃん。いつもイカツイからー、たまにはそういうの着なよ~」

ソファから動かない瑠衣先輩は首だけだらんと向けるとニッと笑った。さすが優様、外れがない。

おれは着替えてくれた氷怜先輩の腕を引っ張り瑠衣先輩の隣に座らせて髪の毛を巻いていく。

濃いアッシュだけど透明感がある。一度ブリーチしたりするとこうなるけどもともとくらい髪色だったから少し不思議だ。

「ちょっと明るくなりました?」

「暗くしても地毛の色が出んだよな」


なるほど、おれも地毛の色が明るいからよくわかる。暗くしたところでもともと明るいから特に色が抜けやすい。


「透き通ってて綺麗ですよ」


振り向かれ何故かきょとんとする目が向けられると、最後はふっと笑った。何だ?

「気にくわないこの髪もお前に言われると良いもんだな」

「……くっ」

あまりの狡い笑顔に視線を無理やり背け、唸り声をあげたら瑠衣先輩が横で爆笑する。それでもなんとか髪をセットしていき、緩めのパーのように巻いて束感作って前髪もセット。

ヘーゼルグリーンの目が一度だけ瞬きをした。自分で言うのもなんだが、もともと存在を疑うほどのカッコいい人間をこれだけ引き手られたら今世に悔いはない。

「もういいか?」

「これ以上はもう、来世に繰越すしか手が……」

「何がだよ」

からりと笑った男は立ち上がると、さらっとおれを持ち上げ今度はおれが代わりに瑠衣先輩の隣に座る。きょとんとするおれの髪を氷怜先輩がいじり始めた。


「見て!氷怜先輩サロンが始まった!!!」

「瑠衣先輩と秋は今日結局どうするの?服選ぶ?」

「んー……」


おれの感極まった叫びをげらげら笑う瑠衣先輩を横目に優が服を片手に首を傾げた。結局朝まで遊んでいたらしい秋は予定を決めていないのか考えるように指を顎に当てる。

「はーあ、ワラッタワラッタ……アッキ~!」

「うえ、はい!」

突然声が掛かった秋は驚いて姿勢良く返事をすると背もたれに引っかかるようにニッと笑う。猫目が楽しそうに弧を描いて綺麗な唇が上がった。


「ダンス、見せて?」


まさかそんな要望が来るとは思ってなかったのか、秋が小さく息を飲む。そのあとは照れたように笑った。

「いいっすけど……じゃあ、適当に動きやすい服着てくから大丈夫だわ。サンキュ、優」

「そっか」

笑った優の頭を撫でる秋はくぅ~と背伸びをして二階に消えていく。ダンスの準備をするのだろう。その、後ろ姿どこか嬉しそうで、おれはまたにやけるのだ。

先輩達はまだ秋のダンスをちゃんと見たことがなかった。おれは秋のダンスを初めて見た時鳥肌が止まらなくて、あれはぜひ見てもらいたい。

入れ違いで暮刃先輩の声が響く。



「いいね、秋のダンス。俺も今度見れるかな」

「暮刃先輩もかっこいいんだからあああぁ」


降りてきた王子様に叫び出したおれを当然瑠衣先輩は笑うのだ。




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