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christmas!!!
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目尻にシワまで寄せてくつくつと笑っている目の前の色男にジト目。
「せんぱい……」
休憩がてらに立ち寄ったカフェでも未だに笑っている。
おれとしてはよくある事だけど、先輩から見たらクールなお姉さんが気持ちよく間違えて言ってくれた事に破壊力があるのかもしれない。
「悪い、思い出して……ははっ」
おれとしてはここまでツボに入って笑っている氷怜先輩はいつもと違って可愛いから最高だけど、本当にずっと笑ってるから周りの人がチラチラと視線を送っている。
あの獅之宮氷怜があんなに笑っている!なんて驚きとその姿も美しくてうっとりしている人もいる。
これほどの美形さんが笑えばざわつくのも当たり前だ。
「氷怜先輩めちゃくちゃ目立ってますよー、おさえてーおさえてー、すーはーすーはーしてー……あ、ありがとうございます」
さわやかな店員さんが頼んでいたドリンクを運んできてくれたので、にっこり笑って受け取った。氷怜先輩の手を取り握らせるとようやく治ってきたようだ。
「割とよくあるんですよね。小さい頃椎名が女の子の洋服着せてたくらいですし……」
思えば幼稚園とか小学生の時は初対面の人にはいつも必ず女の子だと思われていた。しかも可愛い至上主義の椎名はじゃんじゃん女の子の服を着せていたし椎名が喜ぶからおれもノリノリだったわけで止める人間がいないのだ。父さんも親ばか入ってるから可愛いなぁの一言から母さんと盛り上がる訳ですよ。
あまりに可愛い可愛いと褒める表情が楽しそうでおれまで笑ってしまった程だ。おれの大切な思い出。
「椎名さんらしいな」
「今でも着て欲しそうですよ」
それもらしいなと氷怜先輩が笑った。
椎名はクリスマスちゃんと息抜きできているだろうか、出来ればデートとかしてて欲しいけどなぁ。
考え事で耳にかけていた髪が頰に落ちる。
男らしく骨ばった手によって耳に戻された。
「まあ、たしかにお前は可愛いけど……」
独り言かと思ったが顎を掬われ、目の前の美形と視線がかち合った。夕日に当てられ幻想的な色合いでギラリと光る。
ああ、頼みのサングラスはもう外されているから逃げ場はない。
「お前のオトコの部分ってのはかなりクるけどなぁ」
声までニヒルな男におれは一生敵う気がしないのだが。出来る事なら見つめていたいが、いつまでもこのままだとおれが爆発する。氷怜先輩が握っていたドリンクを持ち上げて無理やり彼の口につける。
一瞬きょとんとしたが、おれが赤くなっているいることに恐らく気づいてニヤリと笑う。
熱い頰を隠すために手で覆うと自分の声が反響した。
「…………おれはもうずっときてます」
指の隙間からはしっかり覗いてしまって、余裕な相手は一口飲んでから形の良い唇をゆっくり動かす。
「そうじゃなきゃ困るな」
もう心臓がいくつ撃ち抜かれたかなんて覚えていない。
クリスマスでもそうでなくたって、今日もひたすらこの人は最高だ。
「せんぱい……」
休憩がてらに立ち寄ったカフェでも未だに笑っている。
おれとしてはよくある事だけど、先輩から見たらクールなお姉さんが気持ちよく間違えて言ってくれた事に破壊力があるのかもしれない。
「悪い、思い出して……ははっ」
おれとしてはここまでツボに入って笑っている氷怜先輩はいつもと違って可愛いから最高だけど、本当にずっと笑ってるから周りの人がチラチラと視線を送っている。
あの獅之宮氷怜があんなに笑っている!なんて驚きとその姿も美しくてうっとりしている人もいる。
これほどの美形さんが笑えばざわつくのも当たり前だ。
「氷怜先輩めちゃくちゃ目立ってますよー、おさえてーおさえてー、すーはーすーはーしてー……あ、ありがとうございます」
さわやかな店員さんが頼んでいたドリンクを運んできてくれたので、にっこり笑って受け取った。氷怜先輩の手を取り握らせるとようやく治ってきたようだ。
「割とよくあるんですよね。小さい頃椎名が女の子の洋服着せてたくらいですし……」
思えば幼稚園とか小学生の時は初対面の人にはいつも必ず女の子だと思われていた。しかも可愛い至上主義の椎名はじゃんじゃん女の子の服を着せていたし椎名が喜ぶからおれもノリノリだったわけで止める人間がいないのだ。父さんも親ばか入ってるから可愛いなぁの一言から母さんと盛り上がる訳ですよ。
あまりに可愛い可愛いと褒める表情が楽しそうでおれまで笑ってしまった程だ。おれの大切な思い出。
「椎名さんらしいな」
「今でも着て欲しそうですよ」
それもらしいなと氷怜先輩が笑った。
椎名はクリスマスちゃんと息抜きできているだろうか、出来ればデートとかしてて欲しいけどなぁ。
考え事で耳にかけていた髪が頰に落ちる。
男らしく骨ばった手によって耳に戻された。
「まあ、たしかにお前は可愛いけど……」
独り言かと思ったが顎を掬われ、目の前の美形と視線がかち合った。夕日に当てられ幻想的な色合いでギラリと光る。
ああ、頼みのサングラスはもう外されているから逃げ場はない。
「お前のオトコの部分ってのはかなりクるけどなぁ」
声までニヒルな男におれは一生敵う気がしないのだが。出来る事なら見つめていたいが、いつまでもこのままだとおれが爆発する。氷怜先輩が握っていたドリンクを持ち上げて無理やり彼の口につける。
一瞬きょとんとしたが、おれが赤くなっているいることに恐らく気づいてニヤリと笑う。
熱い頰を隠すために手で覆うと自分の声が反響した。
「…………おれはもうずっときてます」
指の隙間からはしっかり覗いてしまって、余裕な相手は一口飲んでから形の良い唇をゆっくり動かす。
「そうじゃなきゃ困るな」
もう心臓がいくつ撃ち抜かれたかなんて覚えていない。
クリスマスでもそうでなくたって、今日もひたすらこの人は最高だ。
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