sweet!!

仔犬

文字の大きさ
343 / 378
misunderstanding!

4

しおりを挟む
堂本兄弟は咳払いをして自分のペースを取り戻してから真面目な表情に切り替える。


「また俺たちの時みたいに他人に首突っ込んでんのと、あの人とは相変わらずラブラブってのはよく分かったけど」

「大丈夫なのか?」

優しい2人はなんだかんだ心配してくれるのだ。例の相手が居るかも知れないと分かり、周りを気にするように小さく。

「うーん、今のところついてくるだけでなにもしてこないし後はキサちゃんを家まで送るだけ。念のため俺はマキオ君と一緒に帰ろうかなと」

「え、マキオくんって誰だよ?」

「実はずっとチームの人がついてきてくれてるから」

隣の席を指さす。パーティション越しで見えない相手に堂本兄弟は眉を顰めた。

「出たよ、VIP待遇……」

「どちらかと言えば過保護じゃない?」

「……そんな事あの人達に言えるのお前ら3人二くらいだな」


流石に恋人なので言いたいことは言いますとも。
しかしその過保護も今日みたいな日はやっぱり安心感があると言うか、頼りになる。
トラブル系が1人の時でも増えてきたのは流石に唯の体質を浴びすぎたせいか。

「鍛えてるのは正解ってところかな」

「え?」

「ううん、なんでも。マキオくん強いみたいだから最悪何かあっても大丈夫」

この会話に律儀な彼は俺の話を聞きながらひとりで頷いていそうだ。同じく律儀なキサちゃんも眉を下げた。

「ごめんねえ、まさかこんなことになるなんて......」

「ううん、大丈夫だよ。でも何かきっかけでもあったの?声かけられるような」

「え?うーん、特には......」


首をかしげる彼女は困ったように言葉を濁らせた。
彼女は美人だけど唯みたいにひどく目立つかというとそうでもなく、少し大人しい印象がある。女子高で異性と関わりが少ないというのに前から知っていたかのように執着してついてくるのはまた不思議な話。


「お買い物に出て最初のお店では気が付かなかったんだけど次に入ったお店に居て、その次に入ったお店にもいて......気のせいかなって思ったけど女性モノの服しか売ってないところも入ってくるし、だんだん距離も近くなってきた気がして、さすがに声をかけたの」


「勇気あるなあ」


堂本兄の紅が感心するように頷いたけど俺はあまり同意できなかった。勇気はあってもいざというときに女の子ひとりでは心もとない。唯でもギリギリアウト。


「そしたらなにも答えてくれなくて、怖くなって逃げたんだけどやっぱり着いてくるし私が話しかけたからか隠れもしなくて思わず試着室に......」

「そこで俺が発見したんだ。俺とお店回ってからは隠れてついてきてるから効果は有ったんじゃないかな」

「相手の顔は?」

「最初に一回だけしか見てないからなんとも。普通の人にしか見えなかったよ」

身なりはパッと見きれいな感じだったし、ただそこにいるだけなら普通の人だ。

キサちゃんが嬉しそうにその時ねと話し出した。

「試着室に駆け込んだ私に向こうにばれないように待ち合わせ風に近寄ってきてくれてさりげなくスマホの画面に大丈夫ですかって打って見せてくれて、なんていい人って感動して顔を良く見たらあの優くんでもうビックリ」

クラブならまだしも街中で初対面の人に知られている状況にまだ慣れないけど雑誌の効果はあったみたい。キサちゃんが誉めてくれるので微笑み返すと目の前の兄弟が冷たい目を寄越す。


「そんな綺麗な顔の上にスマートでむかつくな......」

「優マジで有名になってんな、あんなアホな奴らだったのに......」

「私もびっくりまさか優くんがこんなに親やすいなんて!」

キサちゃんが褒めれば褒めるほど2人の目線が冷たい。身に覚えのない怒りの理由を流石に聞いてみた。


「えーと、なんでそんな不満げな顔を」

「部活動まっしぐらの人間の出会いのなさなめるなよ!」

「兄ちゃんなんかこの前そんなに部活が好きなら部活と付き合えばって振られてんだからな!」

「愁余計なこと言うな!」

「えー!そうなんだ……あ、巻き込んじゃったお礼にうちの学校の子と合コンする?うちも女子校だしご飯とかの機会あったら嬉しいと思うなぁ」

優しいキサちゃんの提案に女神様とばかりに手を合わせたふたり。どうやら堂本兄弟は絶賛彼女募集中らしい。

しおりを挟む
感想 182

あなたにおすすめの小説

アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。

天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!? 学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。 ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。 智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。 「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」 無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。 住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️

【完結】ハーレムラブコメの主人公が最後に選んだのは友人キャラのオレだった。

或波夏
BL
ハーレムラブコメが大好きな男子高校生、有真 瑛。 自分は、主人公の背中を押す友人キャラになって、特等席で恋模様を見たい! そんな瑛には、様々なラブコメテンプレ展開に巻き込まれている酒神 昴という友人がいる。 瑛は昴に《友人》として、自分を取り巻く恋愛事情について相談を持ちかけられる。 圧倒的主人公感を持つ昴からの提案に、『友人キャラになれるチャンス』を見出した瑛は、二つ返事で承諾するが、昴には別の思惑があって…… ̶ラ̶ブ̶コ̶メ̶の̶主̶人̶公̶×̶友̶人̶キ̶ャ̶ラ̶ 【一途な不器用オタク×ラブコメ大好き陽キャ】が織り成す勘違いすれ違いラブ 番外編、牛歩更新です🙇‍♀️ ※物語の特性上、女性キャラクターが数人出てきますが、主CPに挟まることはありません。 少しですが百合要素があります。 ☆第1回 青春BLカップ30位、応援ありがとうございました! 第13回BL大賞にエントリーさせていただいています!もし良ければ投票していただけると大変嬉しいです!

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

王様のナミダ

白雨あめ
BL
全寮制男子高校、箱夢学園。 そこで風紀副委員長を努める桜庭篠は、ある夜久しぶりの夢をみた。 端正に整った顔を歪め、大粒の涙を流す綺麗な男。俺様生徒会長が泣いていたのだ。 驚くまもなく、学園に転入してくる王道転校生。彼のはた迷惑な行動から、俺様会長と風紀副委員長の距離は近づいていく。 ※会長受けです。 駄文でも大丈夫と言ってくれる方、楽しんでいただけたら嬉しいです。

とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~

無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。 自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

処理中です...