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異常事態
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なんかガッカリと言うかしょんぼりというか傷つけてしまった気さえする表情になるから俺が心痛いんだけど。もう良い大人なのにタバコでこんな気持ちを味わうなんて……。
「……俺のしかねぇぞ」
「ちょっと知秋!」
「良いだろ、流石に今のこいつのお願い叶えないのは違う気がする」
おお知秋よ、喫煙者なのか話が分かる。
知秋がいつのまにか喫煙者になっていたのは意外だけどおかしな話じゃない。俺だって無縁だと思っていたから。
仕方なさそうにポケットから取り出した黒い小さな機械に入っていたのはかなりニコチンが強い奴だ。でもなんでも良い、ニコチンさえ体に入ればいいのだから。
「おお、さんきゅ……えーと、ベランダとかのが良いのかな」
「ダメだ!!!」
「うお?!」
2人して叫ぶからマジでびっくりしてタバコ落としそうになった。壊しても知らないぞ。
なんとかキャッチして2人を見ればものすごい警戒してる。俺の一挙一動全てが2人に影響するみたいだ。
「な、なに、部屋じゃ臭くなるだろ。綺麗なとこなのに……だいたいこのマンション禁煙じゃ……」
「ベランダはダメだ。それにこのマンションは吸って良い」
「……ここで吸うなら良いんだな」
2人が強く頷くので仕方なくテーブルから移動する事なく電子タバコのスイッチを入れる事にした。2人がものすごく見てくるから吸い辛いんだけど。
「あー落ち着く」
まあ見られてても美味いものは美味い。
そんな俺を見ながら来夏が泣きそうだ。逆に知秋は複雑そうだけど何故か誇らしげでもあった。
「僕の英羅が……」
「お前のじゃねぇよ」
「英羅の健康に何かあったらお前のせいだ」
「そんなパカパカ吸わせるか」
あ、俺の喫煙って制限されるんだ。
まあ後々そう言うのは考えていこう。
タバコを吸うとようやく自分の日常を感じた。いつもと違う味が刺激もあって丁度いい。煙を吐きながら次の行動を考える。
「さてと……どうしようかな。えーと俺ってスマホとか持ってる?」
「持ってない」
「え?!この時代に?!」
「要らないだろ。俺がいれば」
「僕がいればだよ」
「はあ?」
「はい、喧嘩は今日やめてくれ。話が進まない」
だいたい俺がいればスマホ要らないって何だ。お前スマホがわりになるのか知秋よ。もしくは、いや、さっきから発言にちらほらヤバいものが見えてるけど、今のは俺以外要らないだろと言う俺様発言なら本当にやばい。
「……それも後で聞こう……じゃあパソコン貸して、それか2人のスマホ」
「……何で」
やっぱりこの2人の地雷が俺には分からないが、だととしても感情論は後だ。
とにかく2人は俺を監禁するくらい自分のものにしたいって訳だ。全くもってその理由はよく分からないが、冷静になれ。どうなってもいい人生がいきなり変わったのだ。終わった人生の延長戦どうにでもなれコースだと思って一旦全て飲み込もう。
「……俺は今自分の知る記憶とこの現実との差がどこまでなのかを確かめたい。そのためにネットで調べたい訳だ。いいかな?」
最後はもう笑顔で言い切った俺に2人も観念したようだ。不貞腐れながら渋々部屋からノートパソコンを持ち出した。
「誰とも連絡取らないだろうな」
「そんな心配なら画面見てなよ」
2人は一瞬で俺の後ろに張り付いた。
そう言えば昔も俺が他の奴らと話すと不機嫌になってた気がする。そもそもこの2人は俺以外といるところを見たことが無いほど俺にべったりだった。
整った顔はそれはもう人気あるのに女子の黄色い悲鳴にも興味ないし、話せば面白い二人なのに一匹狼貫いて男子には羨ましがられるだけで近寄らせない。俺以外とは話さないし勿体ない2人だった。相当人見知りで友達居ないから俺が他に取られるのやだったのかなと思って当時はそんな気にしてなかったけど今思えばすごい執着だ。
まあ、とにかく今は現状把握が先だ。
「……俺のしかねぇぞ」
「ちょっと知秋!」
「良いだろ、流石に今のこいつのお願い叶えないのは違う気がする」
おお知秋よ、喫煙者なのか話が分かる。
知秋がいつのまにか喫煙者になっていたのは意外だけどおかしな話じゃない。俺だって無縁だと思っていたから。
仕方なさそうにポケットから取り出した黒い小さな機械に入っていたのはかなりニコチンが強い奴だ。でもなんでも良い、ニコチンさえ体に入ればいいのだから。
「おお、さんきゅ……えーと、ベランダとかのが良いのかな」
「ダメだ!!!」
「うお?!」
2人して叫ぶからマジでびっくりしてタバコ落としそうになった。壊しても知らないぞ。
なんとかキャッチして2人を見ればものすごい警戒してる。俺の一挙一動全てが2人に影響するみたいだ。
「な、なに、部屋じゃ臭くなるだろ。綺麗なとこなのに……だいたいこのマンション禁煙じゃ……」
「ベランダはダメだ。それにこのマンションは吸って良い」
「……ここで吸うなら良いんだな」
2人が強く頷くので仕方なくテーブルから移動する事なく電子タバコのスイッチを入れる事にした。2人がものすごく見てくるから吸い辛いんだけど。
「あー落ち着く」
まあ見られてても美味いものは美味い。
そんな俺を見ながら来夏が泣きそうだ。逆に知秋は複雑そうだけど何故か誇らしげでもあった。
「僕の英羅が……」
「お前のじゃねぇよ」
「英羅の健康に何かあったらお前のせいだ」
「そんなパカパカ吸わせるか」
あ、俺の喫煙って制限されるんだ。
まあ後々そう言うのは考えていこう。
タバコを吸うとようやく自分の日常を感じた。いつもと違う味が刺激もあって丁度いい。煙を吐きながら次の行動を考える。
「さてと……どうしようかな。えーと俺ってスマホとか持ってる?」
「持ってない」
「え?!この時代に?!」
「要らないだろ。俺がいれば」
「僕がいればだよ」
「はあ?」
「はい、喧嘩は今日やめてくれ。話が進まない」
だいたい俺がいればスマホ要らないって何だ。お前スマホがわりになるのか知秋よ。もしくは、いや、さっきから発言にちらほらヤバいものが見えてるけど、今のは俺以外要らないだろと言う俺様発言なら本当にやばい。
「……それも後で聞こう……じゃあパソコン貸して、それか2人のスマホ」
「……何で」
やっぱりこの2人の地雷が俺には分からないが、だととしても感情論は後だ。
とにかく2人は俺を監禁するくらい自分のものにしたいって訳だ。全くもってその理由はよく分からないが、冷静になれ。どうなってもいい人生がいきなり変わったのだ。終わった人生の延長戦どうにでもなれコースだと思って一旦全て飲み込もう。
「……俺は今自分の知る記憶とこの現実との差がどこまでなのかを確かめたい。そのためにネットで調べたい訳だ。いいかな?」
最後はもう笑顔で言い切った俺に2人も観念したようだ。不貞腐れながら渋々部屋からノートパソコンを持ち出した。
「誰とも連絡取らないだろうな」
「そんな心配なら画面見てなよ」
2人は一瞬で俺の後ろに張り付いた。
そう言えば昔も俺が他の奴らと話すと不機嫌になってた気がする。そもそもこの2人は俺以外といるところを見たことが無いほど俺にべったりだった。
整った顔はそれはもう人気あるのに女子の黄色い悲鳴にも興味ないし、話せば面白い二人なのに一匹狼貫いて男子には羨ましがられるだけで近寄らせない。俺以外とは話さないし勿体ない2人だった。相当人見知りで友達居ないから俺が他に取られるのやだったのかなと思って当時はそんな気にしてなかったけど今思えばすごい執着だ。
まあ、とにかく今は現状把握が先だ。
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