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彼等は
4.可憐で魅惑的な
黒塗りの車に運転手のエスコートで乗り込むと雛野は思いついたように口の前で手を合わせた。
「ね、ドライブに行きましょう零蘭」
「……迎えに行くのね」
はあ、とため息をついた零蘭だがすぐに運転手に指示する。ここから一番近い港へ。居場所というものはなんとなくわかるのだから不思議である。
「啅斗も寂しがっているみたいね」
「そもそも、わがままなのよ。勝手に遊びに行っているのはあっちなのに、私達を欲しがるのは欲張りだわ」
そしてそれを迎えに行くこちらは甘やかしすぎなのではないか。それでもと雛野は微笑んだ。
「2人が個人的に動く事は少ないから、こういう時は心置きなく遊んでもらって、そんな時に私たちが会ってあげればさらに価値が上がるでしょ。今日という日の」
「上げられる価値は上げておいても損はない?」
「簡単な言葉を選びましょう零蘭」
喜んでほしいから。
重なった言葉がおかしくてたまらなく愛おしい。彼女達は相手も含め、いつも愛も絆も超越してしまった感覚がある。だからこそ、常識的な愛とカテゴリされるような行動はめずらしいのだ。
「たまには王子役も素敵かしら」
「零蘭は王子姿もきっと似合うよ」
「私は美少年な王子も好きよ」
くすくす笑い合えば魅惑的な空間が広がる。全てを魅了して止まない彼女達は今日も自由である。
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