17 / 39
新しい始まり
しおりを挟む
「あー、よく眠れたわ。体がスッキリして、ん――っ、んん?」
気持ちよく大きな伸びをして何気に隣を見ると、スヤスヤと上半身裸で眠っているアベル様が……。
「ヒィッ」
思わず変な声が出てしまった。
(私、いつの間に眠ってたの!? この状況……嘘よね……)
そっと自分の夜着を確かめる。
(……よかったぁ。でも、これって……私が女性としての魅力に欠けているってこと?)
ホッとするような、どこか寂しさを感じるような、何とも言えない気持ちになる。
(アベル様の寝顔……ちょっと色っぽいわね。って、どうかしているわ! そ、それより、ロベル様のこと……。うん、自分の気持ちに正直になるためにも、ちゃんと相手を知るべきだわ。アベル様も……悪い人じゃなかった)
ひとり頭を抱えて、あれこれ考えていると視線を感じる。
「なんだか、一人で忙しそうだね。おはよう、ユージェニー。よく眠れたかい?」
「わっ! お、おはようございます」
なぜかドギマギして声が裏返ってしまう。
「コホンッ、考えていたのです……昨夜のアベル様の言葉……目が醒めました。だから、ロベル様のこと、自分の目で確かめたい……です」
「新婚の朝に相応しくない会話だね」
「こ、この結婚が、もしかしたら他の可能性から私を守るためかもしれない、と思ったの。だから、自分の力でちゃんと知ろうと思います」
「そういうことなら、僕も協力するよ。負けるが勝ち、ってね」
「あら、私、アベル様のことも、ちゃんと知るつもりですのよ。思い出したの。アベル様って放蕩息子で、自分から口説きに行くタイプなのでしょう? 公平に調べないと、ね」
「ハハハ! 本当に転んでもただでは起きないね。君のような令嬢は初めてだよ」
アベル様は小さく笑って起き上がると、私のおでこにキスを落とした。
「な、何をするの!」
驚きと恥ずかしさで唖然としていると、アベル様は私の顔を見て笑い出した。
「ユージェニーが僕の顔を見る時って、ほとんど口が半開きだよね」
「失礼ですわ! それが新妻に対して言う言葉なの?」
「新妻……いい響きだ。僕のことを夫だと認めてくれているんだね」
昨日からずっと、アベル様に言い負かされているような気がする。
なんだか悔しくて、枕を思いっきりアベル様に投げつけた。
◇
どこか嬉しそうなニナに身支度を手伝ってもらい、食堂に向かった。
「おはよう、ユージェニー」
お父様が私にニッコリ微笑んでいる。
「おはようございます、お父様」
席に着こうとする私をアベルがエスコートし、意味深にウィンクしてきた。
(……お父様には、仲睦まじく見せたいのね。やっぱり、アベル様はサレット家の当主になりたいのかしら?)
「ア、アベル様……わが家の料理長が作るエッグベネディクトは最高なのよ。あっ、今年は終わってしまったけれど、桃のデザートも絶品なの!」
桃のデザートを思い浮かべるだけで、私の顔は自然と綻んだ。
(素のままで笑っている顔は可愛いんだよなぁ)
「ああ……確かに美味しかったよ!」
「あら、召し上がったことが?」
「一度、騎士団に差し入れしたことがあるだろう? ただの桃かと思って、皮を剥いて食べると……」
目を閉じて、その時の味を思い出しているようなアベル様と私の声が重なった。
「あの桃、アベル様の後頭部にそっくりでしたわ。あっ!」
「美味しかったなー。果汁とクリームが……えっ?」
私たちの少し噛み合わないやり取りを聞きながら、お父様は不思議そうに観察している。
「どうやら夫婦円満なようだな。安心したよ」
「もちろんですよ、お義父様。私はユージェニーの虜ですから」
「当たり前だ、ユージェニーに魅せられないヤツの方がどうかしている。悪い虫が付かないかヒヤヒヤしていたが、これで多少は安心できるよ。ハハハッ」
「多少ですか、もっと僕も精進しないといけませんね。アハハハハッ」
お父様とアベルが大きな声で笑い合っている。
この二人が互いに牽制しているように感じられるのは、気のせいかしら……。
◇
しばらく、アベル様は辺境伯騎士団の勤めもお休みということで、午後からはサレットの屋敷内を案内することになった。
(さすがは帝都の有力家門なだけあって、屋敷もかなり広いな。柱一本からカーテン一枚まで上質なものばかりだ。これを目にして勢いを感じない者などいないだろうな)
「内装から調度品に至るまで、センスの良さやこだわりが光っていますね。素晴らしいな……わが家もそれ相応と思っていましたが、ここまでのものを見せられると力の差を感じますよ」
「そうですか? 私は、他家に呼ばれたことがあまりなくて、クレマン家しか知らないから……。屋敷の中のことは、すべてお母様が誂えたと聞いていますわ」
(比較がクレマン家なら分かるはずもないな)
「ユージェニーのお義母様は、とても美意識が高い方だったんだね」
自分のことを褒められたのではないけれど、嬉しい気持ちがした。
「お母様は私が5歳の頃に亡くなったから……あまり記憶にないの。残念だけれど」
「悲しい記憶を思い出させてしまったかな? 悪かった……。あ、あのひときわ豪華な扉の部屋は?」
アベル様が一番奥の部屋を指差した。
重く厚みのある大きな木製の扉のほとんどを覆うように、美しいレリーフが施された磨硝子がはめ込まれている。
乳白色の硝子に、四季折々の花々の中に寄り添い合う男女が浮き彫りにされており、よく見ると、一つの杯が男女の重ねられた手の中に収まっている。
レリーフの所々に金が施され、廊下の窓から入る光を受けた扉は幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「この扉の美しさは……見惚れてしまいますね。思わず開けたくなってしまうな」
「ふふ、そうでしょう? でも、この扉はサレット家の当主しか開けられませんわ」
「もしかして……『ラピスラズリの杯』が保管されている部屋――『瑠璃の間』?」
「ええ、『瑠璃の間』ですわ。わが家の家宝のことをよくご存じですこと」
「アハハ、帝国の国宝にも匹敵する美しさと聞けば、誰だって一目見たいと思うだろ? それに、僕は歴史学や神話学の好奇心をそそられただけさ」
「変わった方。ほとんどの貴族たちは、宝石の価値としての興味しかないのに」
「ああ、僕の父――ブルボン辺境伯は根っからの古代神話好きでね。わが家の山ほどの蔵書の中に、『ラピスラズリの杯』にまつわる神話が書かれた本があるのさ。よく父上が読んでいたからね」
「そんな神話があるなんて知らなかったわ……私も読んでみたい」
「へぇー、そんな古くさい話に興味があるなんて意外だな。残念だけど、貴重な本だから持ち出せないんだ。いつか辺境伯領を訪れたら見せてあげるよ」
過去の私は、『ラピスラズリの杯』に興味を持ったことは一度もなかった。
たくさんある家宝の中の一つで、美しさ以外に心惹かれることがなかったからだ。
(家宝の中でも、これほど厳重に管理されているのよ。よくよく考えれば、ただの貴重な家宝でないと気づくはずなのに。ジョセフにしか興味がなかったから……本当に間抜けだわ)
「それなら、アベル様が私に、『ラピスラズリの杯』にまつわる神話を聞かせてくださる?」
気持ちよく大きな伸びをして何気に隣を見ると、スヤスヤと上半身裸で眠っているアベル様が……。
「ヒィッ」
思わず変な声が出てしまった。
(私、いつの間に眠ってたの!? この状況……嘘よね……)
そっと自分の夜着を確かめる。
(……よかったぁ。でも、これって……私が女性としての魅力に欠けているってこと?)
ホッとするような、どこか寂しさを感じるような、何とも言えない気持ちになる。
(アベル様の寝顔……ちょっと色っぽいわね。って、どうかしているわ! そ、それより、ロベル様のこと……。うん、自分の気持ちに正直になるためにも、ちゃんと相手を知るべきだわ。アベル様も……悪い人じゃなかった)
ひとり頭を抱えて、あれこれ考えていると視線を感じる。
「なんだか、一人で忙しそうだね。おはよう、ユージェニー。よく眠れたかい?」
「わっ! お、おはようございます」
なぜかドギマギして声が裏返ってしまう。
「コホンッ、考えていたのです……昨夜のアベル様の言葉……目が醒めました。だから、ロベル様のこと、自分の目で確かめたい……です」
「新婚の朝に相応しくない会話だね」
「こ、この結婚が、もしかしたら他の可能性から私を守るためかもしれない、と思ったの。だから、自分の力でちゃんと知ろうと思います」
「そういうことなら、僕も協力するよ。負けるが勝ち、ってね」
「あら、私、アベル様のことも、ちゃんと知るつもりですのよ。思い出したの。アベル様って放蕩息子で、自分から口説きに行くタイプなのでしょう? 公平に調べないと、ね」
「ハハハ! 本当に転んでもただでは起きないね。君のような令嬢は初めてだよ」
アベル様は小さく笑って起き上がると、私のおでこにキスを落とした。
「な、何をするの!」
驚きと恥ずかしさで唖然としていると、アベル様は私の顔を見て笑い出した。
「ユージェニーが僕の顔を見る時って、ほとんど口が半開きだよね」
「失礼ですわ! それが新妻に対して言う言葉なの?」
「新妻……いい響きだ。僕のことを夫だと認めてくれているんだね」
昨日からずっと、アベル様に言い負かされているような気がする。
なんだか悔しくて、枕を思いっきりアベル様に投げつけた。
◇
どこか嬉しそうなニナに身支度を手伝ってもらい、食堂に向かった。
「おはよう、ユージェニー」
お父様が私にニッコリ微笑んでいる。
「おはようございます、お父様」
席に着こうとする私をアベルがエスコートし、意味深にウィンクしてきた。
(……お父様には、仲睦まじく見せたいのね。やっぱり、アベル様はサレット家の当主になりたいのかしら?)
「ア、アベル様……わが家の料理長が作るエッグベネディクトは最高なのよ。あっ、今年は終わってしまったけれど、桃のデザートも絶品なの!」
桃のデザートを思い浮かべるだけで、私の顔は自然と綻んだ。
(素のままで笑っている顔は可愛いんだよなぁ)
「ああ……確かに美味しかったよ!」
「あら、召し上がったことが?」
「一度、騎士団に差し入れしたことがあるだろう? ただの桃かと思って、皮を剥いて食べると……」
目を閉じて、その時の味を思い出しているようなアベル様と私の声が重なった。
「あの桃、アベル様の後頭部にそっくりでしたわ。あっ!」
「美味しかったなー。果汁とクリームが……えっ?」
私たちの少し噛み合わないやり取りを聞きながら、お父様は不思議そうに観察している。
「どうやら夫婦円満なようだな。安心したよ」
「もちろんですよ、お義父様。私はユージェニーの虜ですから」
「当たり前だ、ユージェニーに魅せられないヤツの方がどうかしている。悪い虫が付かないかヒヤヒヤしていたが、これで多少は安心できるよ。ハハハッ」
「多少ですか、もっと僕も精進しないといけませんね。アハハハハッ」
お父様とアベルが大きな声で笑い合っている。
この二人が互いに牽制しているように感じられるのは、気のせいかしら……。
◇
しばらく、アベル様は辺境伯騎士団の勤めもお休みということで、午後からはサレットの屋敷内を案内することになった。
(さすがは帝都の有力家門なだけあって、屋敷もかなり広いな。柱一本からカーテン一枚まで上質なものばかりだ。これを目にして勢いを感じない者などいないだろうな)
「内装から調度品に至るまで、センスの良さやこだわりが光っていますね。素晴らしいな……わが家もそれ相応と思っていましたが、ここまでのものを見せられると力の差を感じますよ」
「そうですか? 私は、他家に呼ばれたことがあまりなくて、クレマン家しか知らないから……。屋敷の中のことは、すべてお母様が誂えたと聞いていますわ」
(比較がクレマン家なら分かるはずもないな)
「ユージェニーのお義母様は、とても美意識が高い方だったんだね」
自分のことを褒められたのではないけれど、嬉しい気持ちがした。
「お母様は私が5歳の頃に亡くなったから……あまり記憶にないの。残念だけれど」
「悲しい記憶を思い出させてしまったかな? 悪かった……。あ、あのひときわ豪華な扉の部屋は?」
アベル様が一番奥の部屋を指差した。
重く厚みのある大きな木製の扉のほとんどを覆うように、美しいレリーフが施された磨硝子がはめ込まれている。
乳白色の硝子に、四季折々の花々の中に寄り添い合う男女が浮き彫りにされており、よく見ると、一つの杯が男女の重ねられた手の中に収まっている。
レリーフの所々に金が施され、廊下の窓から入る光を受けた扉は幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「この扉の美しさは……見惚れてしまいますね。思わず開けたくなってしまうな」
「ふふ、そうでしょう? でも、この扉はサレット家の当主しか開けられませんわ」
「もしかして……『ラピスラズリの杯』が保管されている部屋――『瑠璃の間』?」
「ええ、『瑠璃の間』ですわ。わが家の家宝のことをよくご存じですこと」
「アハハ、帝国の国宝にも匹敵する美しさと聞けば、誰だって一目見たいと思うだろ? それに、僕は歴史学や神話学の好奇心をそそられただけさ」
「変わった方。ほとんどの貴族たちは、宝石の価値としての興味しかないのに」
「ああ、僕の父――ブルボン辺境伯は根っからの古代神話好きでね。わが家の山ほどの蔵書の中に、『ラピスラズリの杯』にまつわる神話が書かれた本があるのさ。よく父上が読んでいたからね」
「そんな神話があるなんて知らなかったわ……私も読んでみたい」
「へぇー、そんな古くさい話に興味があるなんて意外だな。残念だけど、貴重な本だから持ち出せないんだ。いつか辺境伯領を訪れたら見せてあげるよ」
過去の私は、『ラピスラズリの杯』に興味を持ったことは一度もなかった。
たくさんある家宝の中の一つで、美しさ以外に心惹かれることがなかったからだ。
(家宝の中でも、これほど厳重に管理されているのよ。よくよく考えれば、ただの貴重な家宝でないと気づくはずなのに。ジョセフにしか興味がなかったから……本当に間抜けだわ)
「それなら、アベル様が私に、『ラピスラズリの杯』にまつわる神話を聞かせてくださる?」
1
あなたにおすすめの小説
十年越しの幼馴染は今や冷徹な国王でした
柴田はつみ
恋愛
侯爵令嬢エラナは、父親の命令で突然、10歳年上の国王アレンと結婚することに。
幼馴染みだったものの、年の差と疎遠だった期間のせいですっかり他人行儀な二人の新婚生活は、どこかギクシャクしていました。エラナは国王の冷たい態度に心を閉ざし、離婚を決意します。
そんなある日、国王と聖女マリアが親密に話している姿を頻繁に目撃したエラナは、二人の関係を不審に思い始めます。
護衛騎士レオナルドの協力を得て真相を突き止めることにしますが、逆に国王からはレオナルドとの仲を疑われてしまい、事態は思わぬ方向に進んでいきます。
【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です
一途な皇帝は心を閉ざした令嬢を望む
浅海 景
恋愛
幼い頃からの婚約者であった王太子より婚約解消を告げられたシャーロット。傷心の最中に心無い言葉を聞き、信じていたものが全て偽りだったと思い込み、絶望のあまり心を閉ざしてしまう。そんな中、帝国から皇帝との縁談がもたらされ、侯爵令嬢としての責任を果たすべく承諾する。
「もう誰も信じない。私はただ責務を果たすだけ」
一方、皇帝はシャーロットを愛していると告げると、言葉通りに溺愛してきてシャーロットの心を揺らす。
傷つくことに怯えて心を閉ざす令嬢と一途に想い続ける青年皇帝の物語
離婚を望む悪女は、冷酷夫の執愛から逃げられない
柴田はつみ
恋愛
目が覚めた瞬間、そこは自分が読み終えたばかりの恋愛小説の世界だった——しかも転生したのは、後に夫カルロスに殺される悪女・アイリス。
バッドエンドを避けるため、アイリスは結婚早々に離婚を申し出る。だが、冷たく突き放すカルロスの真意は読めず、街では彼と寄り添う美貌の令嬢カミラの姿が頻繁に目撃され、噂は瞬く間に広まる。
カミラは男心を弄ぶ意地悪な女。わざと二人の関係を深い仲であるかのように吹聴し、アイリスの心をかき乱す。
そんな中、幼馴染クリスが現れ、アイリスを庇い続ける。だがその優しさは、カルロスの嫉妬と誤解を一層深めていき……。
愛しているのに素直になれない夫と、彼を信じられない妻。三角関係が燃え上がる中、アイリスは自分の運命を書き換えるため、最後の選択を迫られる。
勘違い令嬢の離縁大作戦!~旦那様、愛する人(♂)とどうかお幸せに~
藤 ゆみ子
恋愛
グラーツ公爵家に嫁いたティアは、夫のシオンとは白い結婚を貫いてきた。
それは、シオンには幼馴染で騎士団長であるクラウドという愛する人がいるから。
二人の尊い関係を眺めることが生きがいになっていたティアは、この結婚生活に満足していた。
けれど、シオンの父が亡くなり、公爵家を継いだことをきっかけに離縁することを決意する。
親に決められた好きでもない相手ではなく、愛する人と一緒になったほうがいいと。
だが、それはティアの大きな勘違いだった。
シオンは、ティアを溺愛していた。
溺愛するあまり、手を出すこともできず、距離があった。
そしてシオンもまた、勘違いをしていた。
ティアは、自分ではなくクラウドが好きなのだと。
絶対に振り向かせると決意しながらも、好きになってもらうまでは手を出さないと決めている。
紳士的に振舞おうとするあまり、ティアの勘違いを助長させていた。
そして、ティアの離縁大作戦によって、二人の関係は少しずつ変化していく。
【完結】男運ゼロの転生モブ令嬢、たまたま指輪を拾ったらヒロインを押しのけて花嫁に選ばれてしまいました
Rohdea
恋愛
──たまたま落ちていた指輪を拾っただけなのに!
かつて婚約破棄された過去やその後の縁談もことごとく上手くいかない事などから、
男運が無い伯爵令嬢のアイリーン。
痺れを切らした父親に自力で婚約者を見つけろと言われるも、なかなか上手くいかない日々を送っていた。
そんなある日、特殊な方法で嫡男の花嫁選びをするというアディルティス侯爵家のパーティーに参加したアイリーンは、そのパーティーで落ちていた指輪を拾う。
「見つけた! 僕の花嫁!」
「僕の運命の人はあなただ!」
──その指輪こそがアディルティス侯爵家の嫡男、ヴィンセントの花嫁を選ぶ指輪だった。
こうして、落ちていた指輪を拾っただけなのに運命の人……花嫁に選ばれてしまったアイリーン。
すっかりアイリーンの生活は一変する。
しかし、運命は複雑。
ある日、アイリーンは自身の前世の記憶を思い出してしまう。
ここは小説の世界。自分は名も無きモブ。
そして、本来この指輪を拾いヴィンセントの“運命の人”になる相手……
本当の花嫁となるべき小説の世界のヒロインが別にいる事を───
※2021.12.18 小説のヒロインが出てきたのでタグ追加しました(念の為)
ヤンデレ王子に鉄槌を
ましろ
恋愛
私がサフィア王子と婚約したのは7歳のとき。彼は13歳だった。
……あれ、変態?
そう、ただいま走馬灯がかけ巡っておりました。だって人生最大のピンチだったから。
「愛しいアリアネル。君が他の男を見つめるなんて許せない」
そう。殿下がヤンデレ……いえ、病んでる発言をして部屋に鍵を掛け、私をベッドに押し倒したから!
「君は僕だけのものだ」
いやいやいやいや。私は私のものですよ!
何とか救いを求めて脳内がフル稼働したらどうやら現世だけでは足りずに前世まで漁くってしまったみたいです。
逃げられるか、私っ!
✻基本ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる