おれがアレを授かりまして

石月煤子

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平凡男子のおれがアレを授かりまして

2-8

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ワンルームの壁際に設置されたダブルベッドで柚木は天井を仰いだ。


「い……く……っっ」


くるぶし丈のショートソックス以外、なーんにも身につけていない姿で。

またアソコで達した。

比良の欠片と愛液で温むアソコをギュッと締め、今も尚ナカに居座っているペニスをぎゅぅぎゅぅ搾り立て、何度目かもわからない絶頂に危うげに溺れた。


「ぁ……ぁ……ぁ、ぁ……くぅ、ぅ……ぅ……」


……なんでこんなきもちいいんだろ?
……女の子のからだ、やばすぎでない?


「……いくときの柚木も可愛いな……」


柚木は涙ぼろぼろな目をパチパチ瞬きさせた。

先程から自分がずっと跨っている、オフホワイトを基調にしたベッドに仰向けになった比良をぎこちなく見下ろした。


「すごく気持ちよさそうだ」


比良も裸だった。

弓道部のトレーニングで鍛えられた体は細身の筋肉質、さり気なく割れた腹筋、縋り甲斐のある胸板を備えていた。


貧相な自分とは比べ物にならない男前体型。
見ているだけで……無性にムズムズしてくる。
お腹の底が勝手にキュンキュンしてしまう。


「っ……もう、そろそろ、終わんないと……」


そう言って柚木が比良の上から退こうとすれば。


「逃げないで」


即座に腰を掴まれて、ずんっっ、体が浮くくらい突き上げられた。


「あっっっっ」


比良の動きに忠実にまたすんなり達してしまう柚木。


「だ、め、だ、って、っ、ば……も、ぉ……っ比良、く……っ」


ずんっ、ずんっ、真下から大きく突き上げられて柚木は咄嗟に首を竦めた。


唾液の糸引く口をパクパクさせ、下顎までびっちょり濡らし、比良の腹筋に両手を突かせてグラつく体を何とか支えようとした。


「もっとよく見せて」


おもむろに比良が体を起こした。

騎乗位から対面座位へ。

真正面に迫った男前フェイスにビクビク怖気づいていたら、お尻を鷲掴みにされ、頻りに揺さぶられた。


ナカの内壁とペニスがふんだんに擦れ合う。

ぬちゅ、ぬちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、粘っこい卑猥な音色が生じる。


「も……もう、ほんとむり……もうやめよ……?」
「やだ」
「っ……それやめて、急に駄々っ子みたいになるの、禁止……」
「……俺、駄々っ子みたい……?」
「っ、っ……笑顔、も、禁止……っ」


駄々っ子と言われて思わず笑んだ比良は涙ぐんでいる柚木を覗き込み、しばし気がすむまで見つめてから、キスした。


くちゅ……くちゅ……音の鳴るキスを丁寧に繰り返した。

角度を変えては微熱に満ちた口内を舌先で探り尽くした。


そのまま肌伝いに移動していった唇。

胸の突端に辿り着くと、ちゅぅぅっ、うっすら色づく乳首を啄んだ。


……やばい。

……これまでなんてことなかったおれの乳首が性感帯にされてしまう。


「ち、乳首吸うの禁止……っぁぁぁっ、き、禁止って言ってるじゃん、比良くんっ……ぁっ、ぁっ、ぁっ、ぅっ……乳首まで……きもちよくなっ……」


吸われ、舐められ、また吸われて。
比良の唾液でびしょびしょになった柚木の両乳首。


色味が増して、つやつやぷるん化し、一舐めされる度に感度もどんどん増していく。


「いや、だ……おれ……このままじゃ……」


比良くんナシじゃいられない体になる。


「このままじゃ……何……?」


汗をかいて男前っぷりに磨きがかかった比良に顔を覗き込まれ、柚木は慌ててそっぽを向いた。


「柚木?」


……もうすぐ大学生活が始まる……。


比良くんのことだ。
大学でもきっと人気者になる。

弓道だって再開するかもしれない、バイトもいずれはって言ってたし、これからもっともっと忙しくなる。


未来が約束されたキャンパスライフが比良くんのこと待ちに待ってる。

そんな比良くんに頼りっきりになるのはマズイ。


おれなんかのために貴重な時間を割いてもらっちゃ、だめだ……。


「……比良くん、おれに遠慮しないでね……」


図太くナカに居続けるペニスに爪の先までジンジンさせながらも、柚木は、精一杯続ける。


「勉強、頑張って、弓道とかバイトも頑張って……カノジョとかつくって……比良くんには最上級のキャンパスライフを謳歌してほしいから……おれのことなんかいつだって見放していいからね……」


柚木の精一杯の言葉を聞き終えた比良は。


「ぇっ?」


相変わらずいつだって無防備な柚木をベッドにぼふんと押し倒すと。


「ぃっ?」


唐突な体位移行で抜けそうになったペニスを……ずぶんっっっっ、最奥まで一息に突き入れた。


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