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出会いは再会へ
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そう始まりは中学2年生のクラス替えだった。
私の学校、桜岡中学校は1年毎にクラス替えをする。クラス替えは、体育館の壁に張り出されるという方法で発表される。
「ねね、あった!名前あった!」
「え、うそ!どこどこ!!」
「ほらあれ、1組のとこに」
ふたりが見上げた先にはクラスメイトの名前がかかれた大きな紙がはられている。
「ほんとだ!まってうちも一緒、1組!」
「やった、今年も同じクラスだね!」
もう一度目を凝らしてみてみると、確かに1組のところに
斎藤楓花 水城奈都
と名前があった。
彼女、楓花とは小学校からの友達でいつも一緒に行動している。楓花は明るくてポジティブ思考だからネガティブ思考な私もたまに助けられている。
楓花と一緒にクラスを移動して指定された席に座る。席は名簿順で名前の五十音順なので楓花とはいつも席が離れてしまう。
私は教室の一番窓際の列の一番前の席で、楓花はだいたい教室の真ん中あたりの席になった。
自分の席に座ると隣の席の男子も座っていた。
中学2年のクラス替えとはいえ、同じ学年でも多くの友達がいるわけではなかった。
特に私は少し人見知りなところがあり、初対面の人だと尚更緊張してしまう。
少し横目で隣の席を見てみる。
横目で見た彼の横顔には見覚えがあった。
確か、この人幼稚園一緒だった……。
「あの…一条西弥だよね?」
「うん、そうだけど。」
こちらを向いた彼の顔を見て幼稚園のころのことを少し思い出した気がした。
やっぱり、一条西弥だ…。
「えと、幼稚園一緒だったと思うんだけど…」
「え、もしかして青葉幼稚園?」
「そう!青葉幼稚園!」
私の記憶では、クラスは違ったけれど周りから人気のある子で卒園アルバムにも載っているはずだ。
一瞬彼は考える素振りを見せて口を開いた。
「んー、俺幼稚園のときのこと、なんも覚えてないんだよな…」
なんて顔をくしゃっとさせて笑いながら言う。困ったように笑いながら頭をかく仕草が目に入る。
「えぇ…本当に何も覚えてないの、?」
「全く覚えてない(笑)」
私の問いかけにも笑いながら答える。
なぜかその場の雰囲気で彼の笑顔につられて私まで笑ってしまった。
まぁ、覚えてないのはしょうがないかー。
でも、同じ幼稚園だっただけでも少しは話しやすいしよかった。
その会話はある意味笑い話のようでクラス替えをした初日にしては、いい走りだしだったのかなと思った。
いずれこの出会い、いや再会(?)がこれからの私を変えていくことになるなんて思ってもいなかったんだ。
私の学校、桜岡中学校は1年毎にクラス替えをする。クラス替えは、体育館の壁に張り出されるという方法で発表される。
「ねね、あった!名前あった!」
「え、うそ!どこどこ!!」
「ほらあれ、1組のとこに」
ふたりが見上げた先にはクラスメイトの名前がかかれた大きな紙がはられている。
「ほんとだ!まってうちも一緒、1組!」
「やった、今年も同じクラスだね!」
もう一度目を凝らしてみてみると、確かに1組のところに
斎藤楓花 水城奈都
と名前があった。
彼女、楓花とは小学校からの友達でいつも一緒に行動している。楓花は明るくてポジティブ思考だからネガティブ思考な私もたまに助けられている。
楓花と一緒にクラスを移動して指定された席に座る。席は名簿順で名前の五十音順なので楓花とはいつも席が離れてしまう。
私は教室の一番窓際の列の一番前の席で、楓花はだいたい教室の真ん中あたりの席になった。
自分の席に座ると隣の席の男子も座っていた。
中学2年のクラス替えとはいえ、同じ学年でも多くの友達がいるわけではなかった。
特に私は少し人見知りなところがあり、初対面の人だと尚更緊張してしまう。
少し横目で隣の席を見てみる。
横目で見た彼の横顔には見覚えがあった。
確か、この人幼稚園一緒だった……。
「あの…一条西弥だよね?」
「うん、そうだけど。」
こちらを向いた彼の顔を見て幼稚園のころのことを少し思い出した気がした。
やっぱり、一条西弥だ…。
「えと、幼稚園一緒だったと思うんだけど…」
「え、もしかして青葉幼稚園?」
「そう!青葉幼稚園!」
私の記憶では、クラスは違ったけれど周りから人気のある子で卒園アルバムにも載っているはずだ。
一瞬彼は考える素振りを見せて口を開いた。
「んー、俺幼稚園のときのこと、なんも覚えてないんだよな…」
なんて顔をくしゃっとさせて笑いながら言う。困ったように笑いながら頭をかく仕草が目に入る。
「えぇ…本当に何も覚えてないの、?」
「全く覚えてない(笑)」
私の問いかけにも笑いながら答える。
なぜかその場の雰囲気で彼の笑顔につられて私まで笑ってしまった。
まぁ、覚えてないのはしょうがないかー。
でも、同じ幼稚園だっただけでも少しは話しやすいしよかった。
その会話はある意味笑い話のようでクラス替えをした初日にしては、いい走りだしだったのかなと思った。
いずれこの出会い、いや再会(?)がこれからの私を変えていくことになるなんて思ってもいなかったんだ。
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