妻×恋

かのん

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揺れる心④

「顔……合わせたくないんじゃないかな、私と」


「そんなこと……」


「私も……今、会いたくない」


「じゃあ、今日は一日デートができるわけだ」


「デート……不倫にならないかな」


「へぇ~期待しているんだ」


「期待?」


「ホテルに行くこと」


「なっ!そんなこと期待していないよ!」


「肉体関係なければ、法的には不倫にはならないんじゃない?」


「そうかもしれないけど……」


「はい、着いた。ほら、行こう!」


「ちょっと、待って!」


「早く!」


「待って!ちょっと待って!待って!!」


「何?」


「何って……手……」


「愛莉さん、歩くの遅いから」


「早く歩くから、手は……」


「いいから!」



「ちょっと……」


イケない状況にドキドキしているのか
それとも男性に…崇君に手を繋がれている状況にドキドキしているのか
胸の高まりが止まらない。


男の人の手って
もっとゴツゴツして手を握ったら
痛いのかなと思ったけど……
崇君の手はそんなことない。


そっか……優しく握ってくれるからなんだ。
私が振り切ろうと思えば
振り切れるぐらいの優しい力で引っ張ってくれる。


最初は早かった脚も
ゆっくりとなって前後に並んで歩いていたのが
隣に立って歩けるペースになった。


チラッと隣に並んだ崇君を見上げて改めて思う。
整っている顔に、綺麗な肌……
すれ違う女性がチラッと見ているぐらい整っている。
ついでに隣を歩いている私のことも見てくる。
こんな若い男の子の隣を
手を繋いで歩けるなんて、もうこの先ないかも。
そう思ったら、今を楽しまないと損?
崇君のいうとおり、手を繋ぐまでなら
まだセーフ?



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