10年前に戻れたら…

かのん

文字の大きさ
3 / 46

10月10日③

しおりを挟む

“ピンポーン”




「え?」





母親ならインターホンは押さない





もしかして恭平?



敦子は満面の笑みで玄関を開ける




“ガチャッ…”




「なぁんだ~」




「なぁんだじゃね~だろ!」



「こうちゃんか…」



「悪かったな、誰か待ってたの?」




幸治は家の中へと入っていく




「お、お母さんかと思ったの!」




幸治は幼なじみで家も徒歩五分





小学校から大学まで一緒だ



幸治に恭平のことがばれたら面倒くさそうだ





「こうちゃんこそ何しにきたの?」





幸治はリビングのソファにドカッと座る。





「誕生日ケーキたべにきた」




「ちょっと!それならその前に言うことあるでしょ~」




「あ~」



「年とったね!」




敦子は幸治の頭を叩く




「いって~」




「こうちゃんだって、あと一ヶ月すれば同じ年になるでしょ!」




敦子は怒りながら幸治の側から離れる













「敦子、こっち来て。」










「何で私が行かなきゃいけないの。用があるならこうちゃんが来てよ。」




敦子は台所の方へ行こうとしていた





“ギシッ…”





「え?」




“シャラン…”




敦子の首にはネックレスがかけられた



「これ、やる。」




幸治が後ろからネックレスをつけてくれたのだ




クローバーの形のシルバーのネックレスだった



「こうちゃん…ありがとう。」




敦子は後ろを向いてお礼を言った時には幸治はソファに戻ろうとして





背中姿しか見えなかった



後姿しか見れないが耳まで真っ赤だった




「大事にするね!





「…」





「ふふ…こうちゃん何飲む?お茶?コーヒー?」




「じゃあコーヒーで…敦子、あのさ。」




「何?」



「俺…」




“ガチャ…”




「ただ今~」





「お母さん、お帰り。」




「ごめんね、遅くなって。あら、こうちゃん久しぶり~今日ご飯食べていく?」





「あ、うん、まぁ。」



「小学生のときは毎日食べていたものね。今日は敦子の誕生日だからご馳走よ。あ、誕生日だから今日来てくれたの?」




「ご馳走とケーキ食べにきた。」




「ふふ、こうちゃんは素直じゃないところは変わらないのね。」




「お母さんもコーヒー飲む?」




「うん、もらおうかな?」




母親がキッチンに入り敦子からコーヒーをもらう




「ん?」



「敦子、なんか服臭うよ?雨降ってた?」




「私が帰ってくるとき降ってたの」




「そんなんだ…着替えておいで。」




「うん着替えてくる。」




敦子は二階へと向かった




「こうちゃん、あのネックレスプレゼントしたの?」



「あ、うん。」




「あなた達付き合ってるの?」




「いや…まだ…」




「こうちゃん、自分の気持ちは伝えないと!こうちゃんが息子になってくれたら、おばちゃん嬉しいわ。」




「うん…でもなんか一緒にいるのが当たり前すぎて、もし関係が壊れたらと思うと怖くて…」



「あーおばちゃんにそんな話するの恥ずかしいんだけど。」




幸治は頭をボリボリかく




「ふふ、そうね。」




敦子の母親は料理をしようとキッチンへ向かう




「あら?」




食卓にあったバラの花をみつける




「バラもこうちゃんが?」




「え?違うよ。」




「…こうちゃん、早く告白したほうがいいかもよ。」






「え?どういうこと?」





「この赤いバラ、蕾でしょ?敦子もしかしたら男の子からもらったのかもよ。」




「え!?どうしてわかるの?」




「花言葉は、純潔、純粋な愛、愛の告白、そして…あなたに尽くします。」




「え…でも敦子の周りにそんな花をあげるような男いないのに…」




「今日誕生日だし、その子告白したのかもよ。」





「まじか…でもおばちゃんもよく花言葉知っているね。昔男にもらったことがあるとか~?」




幸治が冗談半分で言う




「そうね…」




“ガチャ…”




「お待たせ~」





「敦子、ご飯手伝って。」




「え~今日は主役だから手伝いたいくない~」




敦子はブツブツ言いながら台所へ向かう





幸治は敦子の母親が花瓶に刺した赤いバラの蕾を見ながら





あの雨の日のことを思い出していた



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

【完結】お荷物王女は婚約解消を願う

miniko
恋愛
王家の瞳と呼ばれる色を持たずに生まれて来た王女アンジェリーナは、一部の貴族から『お荷物王女』と蔑まれる存在だった。 それがエスカレートするのを危惧した国王は、アンジェリーナの後ろ楯を強くする為、彼女の従兄弟でもある筆頭公爵家次男との婚約を整える。 アンジェリーナは八歳年上の優しい婚約者が大好きだった。 今は妹扱いでも、自分が大人になれば年の差も気にならなくなり、少しづつ愛情が育つ事もあるだろうと思っていた。 だが、彼女はある日聞いてしまう。 「お役御免になる迄は、しっかりアンジーを守る」と言う彼の宣言を。 ───そうか、彼は私を守る為に、一時的に婚約者になってくれただけなのね。 それなら出来るだけ早く、彼を解放してあげなくちゃ・・・・・・。 そして二人は盛大にすれ違って行くのだった。 ※設定ユルユルですが、笑って許してくださると嬉しいです。 ※感想欄、ネタバレ配慮しておりません。ご了承ください。

夫に相手にされない侯爵夫人ですが、記憶を失ったので人生やり直します。

MIRICO
恋愛
第二章【記憶を失った侯爵夫人ですが、夫と人生やり直します。】完結です。 記憶を失った私は侯爵夫人だった。しかし、旦那様とは不仲でほとんど話すこともなく、パーティに連れて行かれたのは結婚して数回ほど。それを聞いても何も思い出せないので、とりあえず記憶を失ったことは旦那様に内緒にしておいた。 旦那様は美形で凛とした顔の見目の良い方。けれどお城に泊まってばかりで、お屋敷にいてもほとんど顔を合わせない。いいんですよ、その間私は自由にできますから。 屋敷の生活は楽しく旦那様がいなくても何の問題もなかったけれど、ある日突然パーティに同伴することに。 旦那様が「わたし」をどう思っているのか、記憶を失った私にはどうでもいい。けれど、旦那様のお相手たちがやけに私に噛み付いてくる。 記憶がないのだから、私は旦那様のことはどうでもいいのよ? それなのに、旦那様までもが私にかまってくる。旦那様は一体何がしたいのかしら…? 小説家になろう様に掲載済みです。

理想の『女の子』を演じ尽くしましたが、不倫した子は育てられないのでさようなら

赤羽夕夜
恋愛
親友と不倫した挙句に、黙って不倫相手の子供を生ませて育てさせようとした夫、サイレーンにほとほとあきれ果てたリリエル。 問い詰めるも、開き直り復縁を迫り、同情を誘おうとした夫には千年の恋も冷めてしまった。ショックを通りこして吹っ切れたリリエルはサイレーンと親友のユエルを追い出した。 もう男には懲り懲りだと夫に黙っていたホテル事業に没頭し、好きな物を我慢しない生活を送ろうと決めた。しかし、その矢先に距離を取っていた学生時代の友人たちが急にアピールし始めて……?

侯爵令嬢はざまぁ展開より溺愛ルートを選びたい

花月
恋愛
内気なソフィア=ドレスデン侯爵令嬢の婚約者は美貌のナイジェル=エヴァンス公爵閣下だったが、王宮の中庭で美しいセリーヌ嬢を抱きしめているところに遭遇してしまう。 ナイジェル様から婚約破棄を告げられた瞬間、大聖堂の鐘の音と共に身体に異変が――。 あら?目の前にいるのはわたし…?「お前は誰だ!?」叫んだわたしの姿の中身は一体…? ま、まさかのナイジェル様?何故こんな展開になってしまったの?? そして婚約破棄はどうなるの??? ほんの数時間の魔法――一夜だけの入れ替わりに色々詰め込んだ、ちぐはぐラブコメ。

うまくいかない婚約

毛蟹
恋愛
エーデルワイスは、長年いがみ合っていた家門のと結婚が王命として決まっていた。 そのため、愛情をかけるだけ無駄と家族から愛されずに育てられた。 婚約者のトリスタンとの関係も悪かった。 トリスタンには、恋人でもある第三王女ビビアンがいた。 それでも、心の中で悪態をつきながら日々を過ごしていた。

英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない

百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。 幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。 ※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。

婚約者に突き飛ばされて前世を思い出しました

天宮有
恋愛
伯爵令嬢のミレナは、双子の妹キサラより劣っていると思われていた。 婚約者のルドノスも同じ考えのようで、ミレナよりキサラと婚約したくなったらしい。 排除しようとルドノスが突き飛ばした時に、ミレナは前世の記憶を思い出し危機を回避した。 今までミレナが支えていたから、妹の方が優秀と思われている。 前世の記憶を思い出したミレナは、キサラのために何かすることはなかった。

処理中です...