10年前に戻れたら…

かのん

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恭平サイド

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ハナさん…




どうして約束の場所に来てくれないの?





一体あなたに何があったの?






あなたが今どういう風に生きて






幸せなのかどうか






それだけが知りたい





恭平は医大に通いながら、花屋でバイトを始めた。




親が大きな病院の院長で、医者になるのが当たり前と小さい頃から言われてきた。




恭平は勉強ができたが、本当に医者になりたいかはわからなかった。





小さい頃から一人だった。




父親はほとんど家に帰って来ないし、母親はそんな父親に愛想を尽かし、ストレス発散に買い物三昧。




幼馴染の奈々だけがそばにいてくれたが、奈々には友達がいた。



塾や習い事が終わった後、家に帰って出迎えてくれるのは父でも母でもなかった。




いつも家政婦の美樹さんだった。




美樹さんは花が好きでいつも家の中も、庭も綺麗に育てていた。




小さい頃から目まぐるしい毎日を過ごしている恭平にとって、美樹さんとお花の話をするのが楽しかった。




花の香りをかぐと、美樹さんの香りがするようで落ち着いた。




でもある日



美樹さんはいなくなった。




変わりに新しい人が来た。





年配の家政婦さんだ。




それと同時に家から花がなくなった。




庭の花もなくなり、香りもなくなってしまった。



父親が美樹さんと不倫していた。




母親にばれてクビになった。




だから母は美樹さんが育てた花をすべて家から取り払った。




不倫した父親にも



愛していないのに嫉妬する母親にも




その日以来同じ空気をすうのも嫌になるぐらい嫌悪感でいっぱいだった。



一緒に暮らしたくなくて





大学進学と同時に家を出た。






そして家になくなった花の香りをかぎたくて花屋でバイトをした。





勉強や人間関係で疲れているとき癒されるのは花の香りだった。





そして初恋の人美樹さんを思い出すだけで幸せだった。





あの頃は何も知らずにまだ家族ともぎこちなくとも仲がよかったからだ。



バイトをする暇があるなら勉強しろと両親には反対された





その反対に背いたのは初めてだった





いつも両親の言いなりになってきて






意見に背くのは優しい恭平にとっては胸が痛みつつも





どこか気持ちがよかった




花屋のバイトを始めてから一週間





元々花が好きだし記憶力がよかった恭平はすぐ花の名前を覚えた





花屋は夫婦で経営していて、アルバイトは恭平一人だった





奥さんは妊娠8ヶ月でお腹も大きかった





「桜君、悪いんだけどその花表に運んでくれる?」






おっとした奥さんが話しかけてきた




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