10年前に戻れたら…

かのん

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敦子サイド②

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敦子がノートを開くと



“10月10日赤ちゃんが産まれた。
産まれてきてくれてありがとう。”



“10月17日
主人が迎えにきてくれた。
このとき初めてこの子抱っこしてくれた。
不安もあるけど、いい母、いい妻になりたい。”



それから一人で歩いたこと、ママって言ったこと、入園式、遠足、入学式など敦子の成長が書かれていた。



「日記つけてたんだ…だからこんなにあるんだ…」



敦子が産まれてから毎日短い文章だったが、日記がつけてった。



「これだけの日記を毎日つけてたなんて…」



“ペラッ…”





“3月3日
節句の日…敦子すくすく育ってくれてありがとう。
最近主人の帰りがかなり遅い。
朝帰りも多い。
彼と敦子が節句の日をすごしたことはまだ一度もない。”



「もしかして…ここらへんから…」



敦子の父親の不倫が始まったのか――



“3月12日
女性と歩いているのをみた。
不倫しているのかと聞いたら
そうだと言われた…
離婚してくださいといったら世間体的ににダメだと言われた。
家であの人がいる時間なんてほとんどないからいなくても同じだ。
離婚したい。”



「お母さん…」





“3月15日
今まで我慢していたものがあふれ出てきた。
夜いくら遅くても仕事だと言われれば我慢していた。
女として抱いてくれなくなっても仕事で疲れているって信じてた。
今は一緒の空間にいたくない。
だから敦子が家を出てから出勤するまで家に帰りたくない。
私が大好きだった花…大好きな花がみれる場所へ行くことにした。”




「…花?」




“あの人は花が嫌いだったから…
花はこんなにも綺麗で美しくはかないのに…”















“3月28日
お花屋さんで青年が私の髪の毛についた花びらを取ってくれた。
まるで映画のワンシーンのようだった。”





「……え?」




どこかで聞いたようなシーン――














“彼の名は桜君――”













ノートには桜の花びらが一枚挟まれていた…



「桜君って…恭……ちゃん…?」



“バンッ…”



敦子はノートを閉じ、他の読んでないノートもバッグに詰め込み家を出た。



恭平に母親を任せたのだから、きっと恭平だって気づいたはず。



「はぁッ…はぁッ……」



無我夢中に走った…なぜか走りながら涙がこぼれた…











これで恭平はやっと解放されるのか――




私の恋は終わるのか…と――





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