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帰り道
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「…」
「…」
車に乗せてもらったはいいものの、どういう風に会話をすればいいのかわからず無言だった。
結局剛と連絡がとれたので、駅まで送ってもらうことになった。
だからナビの必要もないので会話する必要もなかった。
真莉亜とどういう関係なのか、聞きたくても聞きたくないというのもあった。
この男こそ携帯の待ちうけの真莉亜にとっての王子様だった。
「今日は…」
「え?」
「真莉亜の誕生日を祝ってくれてありがとう。あとぶつかってくれたのを助けてくれたんだって?」
「…仕事なんで、別に…」
「鈴が…妹が真莉亜と幼馴染で、僕は鈴の兄なんだけど今日はどうしても仕事で忙しくて。」
「仕事…ね。」
「ん?」
「いや、何でもないっす。気にしないでください。あ、そこで下ろしてもらってもいいっすか?」
嘘だ。女の香水の香りがする。俺にはわかる。
ずっと女相手に接客してきたんだ。
俺ならわかる。
コイツさっきまで女と会ってたんだ。
初対面の俺はいいとしても真莉亜にまで嘘をつくなんてロクでもねぇな。
「あ、じゃあ、ここで。送っていただいてありがとうございます。」
雅は軽く頭を下げて車から降りる。
「雅君…だったよね?」
「…そうですけど。」
「真莉亜のことよろしくね。」
「あぁ~気に食わないんだけどいい奴のような嫌な奴のような…」
「な~にぶつぶついってんだよ~いい車に乗ってんじゃん。」
「剛…」
「お前、あの子と一緒に帰るように仕向けてやったのに男とくるとか、ホモになったんか!?まぁあの男かっこいいもんな~」
「え!?剛知ってるの?」
「そっか~雅はあんまりテレビや雑誌読まないもんな。あいつ、M社の社長の息子。」
「M社ってM社!?」
M社といえば元々おもちゃの会社だったが、今ではホテルや電化製品、レストランなど幅広く活躍している会社だった。
「イケメンで次期社長で紹介されてたよ。」
「そんなやつとライバルかよ…」
「は?どういうこと?」
剛に一部始終話した。
「ふ~ん。でどうすんの?」
「う~ん…」
「…じゃあ俺が真莉亜ちゃんにアタックしようかな♪かわいかったし、純情そうだし。」
「…え!?マジで言ってんの?」
「そういう男がわんさかいるってこと。お前店の№1なんだよ、もっと自信持てよ。お前いっつも自分の恋愛になると臆病だよね。やっぱ母親の影響なの?」
「そうかもな…女はどうせ捨てるんだよ、俺を。でも何でだろう。真莉亜なら、どんな俺でも見捨てないような気がするんだよな。ハハッ、根拠もないのにさ。」
「恋愛ってそんなもんじゃない?」
「今まで擬似恋愛いっぱいしてきたのにな。本当の恋愛なんてないよ、今まで。」
「運命の相手ってさ、わかるんだよ一目で、きっと。」
“ガチャガチャ…”
剛が家の鍵を開ける。
「なんか久しぶりだな、剛の部屋。」
「俺風呂入るわ。雅は?」
「ごめん、俺もう寝るわ…」
そういって雅はソファに倒れこんだ。
真莉亜、一目惚れって信じる?
俺は真莉亜に一目惚れしたみたい。
だけどさ、25にもなってもどんな風に恋愛すればいいのかわからないんだよ。
ナンバー1ホストが笑われるよな。
なぁ、真莉亜。
真莉亜ともっと早く出会いたかったよ。
そしたら俺の人生変わっていたかな?
「…」
車に乗せてもらったはいいものの、どういう風に会話をすればいいのかわからず無言だった。
結局剛と連絡がとれたので、駅まで送ってもらうことになった。
だからナビの必要もないので会話する必要もなかった。
真莉亜とどういう関係なのか、聞きたくても聞きたくないというのもあった。
この男こそ携帯の待ちうけの真莉亜にとっての王子様だった。
「今日は…」
「え?」
「真莉亜の誕生日を祝ってくれてありがとう。あとぶつかってくれたのを助けてくれたんだって?」
「…仕事なんで、別に…」
「鈴が…妹が真莉亜と幼馴染で、僕は鈴の兄なんだけど今日はどうしても仕事で忙しくて。」
「仕事…ね。」
「ん?」
「いや、何でもないっす。気にしないでください。あ、そこで下ろしてもらってもいいっすか?」
嘘だ。女の香水の香りがする。俺にはわかる。
ずっと女相手に接客してきたんだ。
俺ならわかる。
コイツさっきまで女と会ってたんだ。
初対面の俺はいいとしても真莉亜にまで嘘をつくなんてロクでもねぇな。
「あ、じゃあ、ここで。送っていただいてありがとうございます。」
雅は軽く頭を下げて車から降りる。
「雅君…だったよね?」
「…そうですけど。」
「真莉亜のことよろしくね。」
「あぁ~気に食わないんだけどいい奴のような嫌な奴のような…」
「な~にぶつぶついってんだよ~いい車に乗ってんじゃん。」
「剛…」
「お前、あの子と一緒に帰るように仕向けてやったのに男とくるとか、ホモになったんか!?まぁあの男かっこいいもんな~」
「え!?剛知ってるの?」
「そっか~雅はあんまりテレビや雑誌読まないもんな。あいつ、M社の社長の息子。」
「M社ってM社!?」
M社といえば元々おもちゃの会社だったが、今ではホテルや電化製品、レストランなど幅広く活躍している会社だった。
「イケメンで次期社長で紹介されてたよ。」
「そんなやつとライバルかよ…」
「は?どういうこと?」
剛に一部始終話した。
「ふ~ん。でどうすんの?」
「う~ん…」
「…じゃあ俺が真莉亜ちゃんにアタックしようかな♪かわいかったし、純情そうだし。」
「…え!?マジで言ってんの?」
「そういう男がわんさかいるってこと。お前店の№1なんだよ、もっと自信持てよ。お前いっつも自分の恋愛になると臆病だよね。やっぱ母親の影響なの?」
「そうかもな…女はどうせ捨てるんだよ、俺を。でも何でだろう。真莉亜なら、どんな俺でも見捨てないような気がするんだよな。ハハッ、根拠もないのにさ。」
「恋愛ってそんなもんじゃない?」
「今まで擬似恋愛いっぱいしてきたのにな。本当の恋愛なんてないよ、今まで。」
「運命の相手ってさ、わかるんだよ一目で、きっと。」
“ガチャガチャ…”
剛が家の鍵を開ける。
「なんか久しぶりだな、剛の部屋。」
「俺風呂入るわ。雅は?」
「ごめん、俺もう寝るわ…」
そういって雅はソファに倒れこんだ。
真莉亜、一目惚れって信じる?
俺は真莉亜に一目惚れしたみたい。
だけどさ、25にもなってもどんな風に恋愛すればいいのかわからないんだよ。
ナンバー1ホストが笑われるよな。
なぁ、真莉亜。
真莉亜ともっと早く出会いたかったよ。
そしたら俺の人生変わっていたかな?
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