天使に恋をした。

かのん

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二人の夢⑤

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健二だった…相手は真莉亜なのか、それともーーー






「相手の女性は?」







「相手まではわからないんだ~」






「でもさ、M社って今運営悪いんでしょ?結婚なんてしないほうがよかったって!」






なっちゃんと一緒に来ていた女性がつぶやいた。



「まぁ、お店にお金落としてくれる金額も最近少ないし、女好きだから浮気が心配かも。」





「そうなの?」(やっぱアイツそうだったのか!)







「お店の子も何人か寝たって言ってたよ~私もだけど、あはははは!」






なっちゃんはお酒を勢いよく飲んだ。



雅はお店が終わったあと、真莉亜の家の前まできた。





健二の結婚相手が真莉亜なのかが知りたい。






あとこの間のことを謝りたい。






“ピンポーン”



「…はい。」






「真莉亜、遅くにごめん!俺、雅!いきなり来てごめん。でもこの間のこと謝りたくて…」






インターホンが切れた音がした。






(やっぱ怒っているよな~)






“キィ…”



「真莉亜?」






暗闇から出てきたのは健二だった。






「こんばんは。真莉亜の変わりにきたよ。」






「…」






「もう来ないでくれる?あと連絡先も消してくれないかな?」



「え?」






「この間は真莉亜をよろしくっていったけど…やっぱりナシにしてほしい。真莉亜は僕と結婚するから。」





(やっぱり相手は真莉亜だったのか!)






「あの時は、友達がいない真莉亜が友達ができてよかったと思った。だけど婚約者となった今、ホストと付き合いがあるのはちょっとね。」



「ホストはダメで、アンタはホステス遊びはいいのかよ。」






「…真莉亜のことはずっと小さい頃から一緒にいて、本当に大切なんだ。幸せになってほしいって思っている。だけど妹みたいな存在で、女性として好きになれないんだ。」






「なのに結婚するのかよ!」






「…色々あるんだ、事情が。」






「真莉亜のお金が目当てかよ!」



「え?」






「会社の経営がよくないって噂だよ。」






「うん…そうだね。それもある。だけど真莉亜は僕を応援してくれるって了承してくれたんだ。結婚もしてくれるって言っているし。」






「…」



“キィ…”






「雅君?」






真莉亜が玄関から出てきた。






「じゃあ、俺はこれで。」



雅は今どんな顔をして真莉亜に会えばいいのかわからかった。





今すぐその場から離れたかった。






「雅君!」






真莉亜が引き止める声が聞こえたが走って帰った。



雅は真莉亜のことを忘れようと必死だった。






携帯電話も変えて、仕事に没頭していた。






あれから3日、真莉亜のことを考えないようにしているのに夢にまででてきた。






忘れようとしても忘れられない。





思い出は少ないはずなのに…一言一言が雅にとって宝物にもなっていた。



「ありがとうございました!気をつけて帰ってね!」





雅はお客さんを見送りに店の下に降りていた。





「雅君?」






懐かしい、いとしい、あの声が聞こえて振り向いた。



「真莉亜…?」






そこには真莉亜が立っていた。






「どうして?」






「雅君に連絡したんだけど連絡とれなくて…健ちゃんと話していて急に帰ったから気になって。」






「…」



「真莉亜、俺…」(本当は俺お前にずっと会いたかった!)





そういおうと思った瞬間きらりと真莉亜の左手の薬指が光った。






「真莉亜…婚約おめでとう。」






「あ…」



「一つ聞いていい?」






「え?」






「真莉亜は今幸せ?」






「…え?」







「真莉亜はさ、本当は知っているんでしょ、アイツがどうして結婚したがっているか。」



「…」






「それで幸せなの?俺は真莉亜が幸せならいい。祝福したい。」






「…健ちゃんは小さい頃から本当に私の王子様で、手の届かない憧れの人だった。だからプロポーズされて嬉しかったよ。たとえ、目当てが私のお金だったとしても、健ちゃんの力になりたいって思うし…」






「そっか…」






「プロポーズされて幸せだよ。」



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