最後の恋人。

かのん

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計画続行

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“ピンポーン…”



「………ん?」



“ピンポーン、ピンポーン”



「……え!?」



隣にいたはずの美咲はもういなくて、テーブルの上に紙切れが一枚おかれている



【やっぱり智樹が心配なので様子見に行きます。子供用シャンパンwご馳走様でした。】



「は~……はい、はい。」



「何、お前寝てたの?珍しいじゃん。不眠症なのに。」



「ん…いつから寝たのかわからないぐらい寝た。」



「ふ~ん。朝飯買ってきた。」



男はズカズカと牛丼の袋をぶらさげながら中に入ってくる。



「あれ、食べねーの?」



「朝から牛丼とか無理だし。」



「じゃあ葵の分も食べるわ。てか相変わらず小さいころから朝飯くわねーよな。ちゃんと食わないと力でないぞ~」



「わかってるって…それよりこれからこの家に来るときは事前に連絡しろよ。」



「は?何で?」










「お前は顔バレしているんだから。」









「顔バレって…あぁあの女のこと?別に自分がたくさん寝た男の一人ぐらいにしか覚えてないだろ。それにあの時ちょっとしか顔見られていないしな。」



「…あぁいう女は少しでも信頼がなくなったら二度と心は開かない。だから慎重にいきたいんだよ。」



「わかったよ。じゃあ連絡するよ。てかそんなこというってことは昨日ここに連れ込んだの?」



「……まぁ。」



「さすがナンバーワンは女の扱いに慣れてるね~」



「別になれてなんか…それに俺寝ちゃったし。」



「寝てる間に帰られたって感じか!?あの店で何してたんだよ~」



「女装して仕事してたんだよ。慣れないことして本当疲れた。」



「はぁ!?女装してたの!?でも顔きれいだからいけるかもな~葵チャン♪」



「やめろよ。もう二度としねぇし……多分。」



「多分って!意外にはまったのか~?あ~ご馳走様。もう無理~あ、これあの女の追加資料な。俺も探偵みたいなのってなれないから疲れた~」



「サンキュー」



「まぁ、あの女があんな風になったのはやっぱり奴が消えてかららしい。」



「…失踪してからずっと帰ってきてないんだな、こっちに。」



「裕也…」



「裕也のそれからの情報は今のところゼロ。」



「連絡とっている感じは?」



「あの女もとっていないらしい、ただ…」



「ただ?」



「智樹って奴はとってるかもしれない。去年2人でいるとこを見かけたって奴がいた。しかも地元で。」



「戻ってきたってことか?」



「いや、それから見かけなかったみたいだから一時的に帰ってきただけかな?てか葵、やる気なんだな。」



「え?」



「俺はてっきり計画中止にするかと思ったよ。お前が1度身を引いた感じだったから。」



「いや…あれは、あんまりグイグイいくと怪しまれるかなと思っただけだよ。」



「なら安心したよ…」



「計画は続行だよ…ずっとこの日のために2人で少ない情報を元に調べて、ホストの仕事もして…金のため、女を落とす勉強のために何でもやってきたんだ。」



「なら安心したよ。」









嘘だ




本当は一年間美咲のことは調べて何度かあとをつけたこともある



調べれば調べるほど美咲は本当はそこまで悪い女じゃないんじゃないかって思ったことがある



確かに不特定多数の男と歩きホテルにいく



だけど別れ際ほんの少し寂しそう顔をする



1度寝た男に彼女がいたり既婚者だとわかると2度目はない



そんな彼女があんな酷いことをするのだろうかーー?









計算して怪我したとはいえ



いつも遠くからみていた彼女に優しくされたら



心が揺れてしまったんだ



やっぱりこんな馬鹿な計画やめようって



「葵?」




「計画続行――」



そう自分に言い聞かせないと



あなたの魅力に吸い込まれそうだ――

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