最後の恋人。

かのん

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偽同棲④

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「葵君……」



キチンと胸の辺りで押し込んでいたバスタオルがハラリとほどけてしまって、急いで胸の辺りで抑えたけど背中などのバックは裸で、かろうじて前はタオルで隠しているだけ――


今更だけど自分がバスタオル姿だってことに気付いた。



バスタオルがはがれても葵君の腕は緩まないで私の背中に手を置いたまま



「あっ……葵…くっ……っ…」



抱き寄せられたまま葵君の指はバスタオルが剥がれて丸見えになった背中をそっとなぞってくる。


上から下へとどんどん指は降りていって、お尻の割れ目まできた。



「葵君…!」



美咲さんのカタチのいいお尻は触り心地も柔らかいけど弾力があって、そっと触ると美咲の口から出る吐息が耳にかかると手が止まらなくなった。



そっともっとお尻のほうから前へと指を滑らすと小さい声で美咲さんが反応してくれた。



「葵君、やめてっ……あっ!!」



ゆっくりと優しく線を描くように触っていると少しづつ指に愛液が絡んできて、クチっと音がなるようになった。



「あっ…あん……お願い、やめてっ――」



口をふさいでしまえばいい



やめたくてもやめれない



だから舌を絡め、拒絶の言葉が聞こえないようにすれば――


「痛ッ――」



まさか美咲さんに舌を噛まれ、涙を流されるなんて思ってもみなかった。




「どうして…どうしてこんなことするの?」



「美咲さんが好きだからですよ。言ったじゃないですか。」



「でも初めて会ったとき言ってくれたよね?私のカラダじゃなくてココロが欲しいって…あれは嘘なの?」



ココロが欲しいのは今でも変わらない。



だけどミサキの死の真相が聞きたくて近づいたなんて知られたら美咲さんのココロなんて手に入りそうにない――




















「今までたくさんの男と寝てきたんでしょ?だったらいいじゃないですか…」




















美咲さんが一番言われたくない言葉を言って嫌われたい。



もう二度と会いたくないっていうぐらい嫌われたい。



それぐらい嫌われたら罪の意識に悩むことももうない。



そもそも美咲さんはミサキの死に関わった人物だから――



復讐を誓ったあの日から



絶対好きになってはいけないといい聞かせてきたんだ



きっと会うのは今日で最後



一年前美咲さんを調べようと遠くから美咲さんを見つめたいたとき



いつも死にそうな表情で暗かった。



この人が笑ったらどんな顔をするんだろうって思っていた



だから笑わせたくて……



だけど目の前の美咲さんは今までみたことがないぐらい



涙が止まらなくて――



口元は一文字でギュッと力をいれていて



涙でぐちゃぐちゃになっている顔はミサキの幼いころの顔にそっくりだ



「サヨナラ…」



この声のトーン、言い方、どこかで聞いたことがある



俺とミサキが交わした最後の言葉



重くて、次の日に会おうなんていう気持ちは込められてなくて



もう、本当に今日で最後、そういう思いが込められた言葉だ



「美咲さん、俺――」



俺の言葉なんか聞こえなくて、美咲さんは脱衣所にいって自分で着替えをして部屋から飛び出していった。



こぼれた牛乳と滴る俺の血で汚れている床は、俺の今の感情みたいなものだ。、
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