39 / 61
ミサキの母親
しおりを挟む
「ここ……なんですか?」
「俺の知り合いの情報からだとここに住んでいるらしいな。」
二階建ての築…何十年だろう?
手すりは錆びて、壁には汚れがこびりついていて、ドアは色あせている。
ここにミサキの母親が本当に住んでいるのだろうか…?
「もっと俺のために働いて来い!お前のそのしけた面見ているとイライラするんだよ!!」
いきなり一階のドアが開いたと思えば中から中年男性らしき怒鳴り声とともに一人の女性が出てきた。
顔をうつむきパーカーにジーンズ姿、スニーカーは穴が開いていて、服も虫に食われているようだった。
「あの……」
「な、何ですか?」
声をかけても顔を上にあげることなくおどおどした態度で声もかぼそかった。
「こちらの女性は探しているのですが……ご存知ですか?」
「え…?」
女性はいまだに顔を上げずに下を向いたままだが、その女性に見えるように写真を見せるとピクリと体が動いた。
「し、知らないです。」
「本当ですか!?」
「龍!!」
「やめてください!痛いっ……」
「龍やめろ!」
「あ……すいません、つい…」
龍は女性の腕をつかんでしまったがその手をゆっくりと放した。
「もう帰ってください。警察呼びます。」
「あの!!」
龍が声をかけると女性は歩き出した足を止めてくれたら顔は相変わらず振り向いてくれなかったから顔を見ることはまだできない。
「この女性……俺の好きな人で…」
「え…?」
「亡くなったんです。」
「亡くなった……?」
「……自殺です。」
「……残念だったわね。でも私は本当に知らない!」
「そう…ですよね。知らないって言っているのにすいません。ただ…俺の独り言です。」
「……」
女性がどんな顔をしているかわからないけど、でも俺の独り言を立ち止まって聞いてくれている。
「ただそれを……伝えたい人がいて…」
鼻水をすすっている音が聞こえてくる。
この女性の体が小刻みに震えているのもわかる……
「……ミサキのお母さん…ですよね?」
「どうして……そう思うの?」
「だって……この手の温もりがミサキと同じです。」
「俺の知り合いの情報からだとここに住んでいるらしいな。」
二階建ての築…何十年だろう?
手すりは錆びて、壁には汚れがこびりついていて、ドアは色あせている。
ここにミサキの母親が本当に住んでいるのだろうか…?
「もっと俺のために働いて来い!お前のそのしけた面見ているとイライラするんだよ!!」
いきなり一階のドアが開いたと思えば中から中年男性らしき怒鳴り声とともに一人の女性が出てきた。
顔をうつむきパーカーにジーンズ姿、スニーカーは穴が開いていて、服も虫に食われているようだった。
「あの……」
「な、何ですか?」
声をかけても顔を上にあげることなくおどおどした態度で声もかぼそかった。
「こちらの女性は探しているのですが……ご存知ですか?」
「え…?」
女性はいまだに顔を上げずに下を向いたままだが、その女性に見えるように写真を見せるとピクリと体が動いた。
「し、知らないです。」
「本当ですか!?」
「龍!!」
「やめてください!痛いっ……」
「龍やめろ!」
「あ……すいません、つい…」
龍は女性の腕をつかんでしまったがその手をゆっくりと放した。
「もう帰ってください。警察呼びます。」
「あの!!」
龍が声をかけると女性は歩き出した足を止めてくれたら顔は相変わらず振り向いてくれなかったから顔を見ることはまだできない。
「この女性……俺の好きな人で…」
「え…?」
「亡くなったんです。」
「亡くなった……?」
「……自殺です。」
「……残念だったわね。でも私は本当に知らない!」
「そう…ですよね。知らないって言っているのにすいません。ただ…俺の独り言です。」
「……」
女性がどんな顔をしているかわからないけど、でも俺の独り言を立ち止まって聞いてくれている。
「ただそれを……伝えたい人がいて…」
鼻水をすすっている音が聞こえてくる。
この女性の体が小刻みに震えているのもわかる……
「……ミサキのお母さん…ですよね?」
「どうして……そう思うの?」
「だって……この手の温もりがミサキと同じです。」
0
あなたにおすすめの小説
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
冷徹社長は幼馴染の私にだけ甘い
森本イチカ
恋愛
妹じゃなくて、女として見て欲しい。
14歳年下の凛子は幼馴染の優にずっと片想いしていた。
やっと社会人になり、社長である優と少しでも近づけたと思っていた矢先、優がお見合いをしている事を知る凛子。
女としてみて欲しくて迫るが拒まれてーー
★短編ですが長編に変更可能です。
隣人はクールな同期でした。
氷萌
恋愛
それなりに有名な出版会社に入社して早6年。
30歳を前にして
未婚で恋人もいないけれど。
マンションの隣に住む同期の男と
酒を酌み交わす日々。
心許すアイツとは
”同期以上、恋人未満―――”
1度は愛した元カレと再会し心を搔き乱され
恋敵の幼馴染には刃を向けられる。
広報部所属
●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳)
編集部所属 副編集長
●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳)
本当に好きな人は…誰?
己の気持ちに向き合う最後の恋。
“ただの恋愛物語”ってだけじゃない
命と、人との
向き合うという事。
現実に、なさそうな
だけどちょっとあり得るかもしれない
複雑に絡み合う人間模様を描いた
等身大のラブストーリー。
時間を止めて ~忘れられない元カレは完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な人でした 【完結】
remo
恋愛
どんなに好きになっても、彼は絶対に私を愛さない。
佐倉ここ。
玩具メーカーで働く24歳のOL。
鬼上司・高野雅(がく)に叱責されながら仕事に奔走する中、忘れられない元カレ・常盤千晃(ちあき)に再会。
完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な彼には、悲しい秘密があった。
【完結】ありがとうございました‼
幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
葉月 まい
恋愛
近すぎて遠い存在
一緒にいるのに 言えない言葉
すれ違い、通り過ぎる二人の想いは
いつか重なるのだろうか…
心に秘めた想いを
いつか伝えてもいいのだろうか…
遠回りする幼馴染二人の恋の行方は?
幼い頃からいつも一緒にいた
幼馴染の朱里と瑛。
瑛は自分の辛い境遇に巻き込むまいと、
朱里を遠ざけようとする。
そうとは知らず、朱里は寂しさを抱えて…
・*:.。. ♡ 登場人物 ♡.。.:*・
栗田 朱里(21歳)… 大学生
桐生 瑛(21歳)… 大学生
桐生ホールディングス 御曹司
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
友達婚~5年もあいつに片想い~
日下奈緒
恋愛
求人サイトの作成の仕事をしている梨衣は
同僚の大樹に5年も片想いしている
5年前にした
「お互い30歳になっても独身だったら結婚するか」
梨衣は今30歳
その約束を大樹は覚えているのか
ホウセンカ
えむら若奈
恋愛
☆面倒な女×クセ強男の不器用で真っ直ぐな純愛ラブストーリー!
誰もが振り返る美しい容姿を持つ姫野 愛茉(ひめの えま)は、常に“本当の自分”を隠して生きていた。
そして“理想の自分”を“本当の自分”にするため地元を離れた大学に進学し、初めて参加した合コンで浅尾 桔平(あさお きっぺい)と出会う。
目つきが鋭くぶっきらぼうではあるものの、不思議な魅力を持つ桔平に惹かれていく愛茉。桔平も愛茉を気に入り2人は急接近するが、愛茉は常に「嫌われるのでは」と不安を抱えていた。
「明確な理由がないと、不安?」
桔平の言葉のひとつひとつに揺さぶられる愛茉が、不安を払拭するために取った行動とは――
※本作品はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。
※イラストは自作です。転載禁止。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる