最後の恋人。

かのん

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許されない恋④

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「最近よく美咲とツルんでるよな。」



「え…あ、はい。」



裕也さんに休憩時間が一緒になって、裕也さんから話しかけてきた。



「何話してんの?」



「私の……恋の話です。」



「へぇ~どんな奴なの?」



「兄のような……人です。」



「兄のような……か。」



「ゆ、裕也さん……好きな人いないんですか?」



「俺!?俺は女の子ならみんな可愛いよ。」



「そうではなくて、あの……」



「裕也~お客さん。」



「え…?」



バイト仲間の男の子が裕也さんを呼びにロッカールームに入ってきた。



「あのほら、よく来る女の子のお母さんなんだけど……」



どうして私勘違いしていたんだろう――



美咲さんのお母さんって耳にした瞬間部屋から飛び出していった裕也さんの姿や



お母さんと話をしている裕也さんの目は



恋している顔だった。




美咲さんに対するあの表情は、愛する人の子供への顔で温かく見守っている顔だった。



だけど美咲さんのお母さんへは、力強く引っ張ってくれるそんな男の目だった。



美咲さんは……このこと知っているのかな?



きっと知らない気がする。



知っていたら相談してくれているはずだから――



こんな……大好きな人は自分の母親のことが好きだなんて



知らなくていい気がする。



「ふぅ……」



「あの……美咲さんどうかしたんですか?」



「携帯家に置き忘れてて……家に中々帰ってこないからここにきたみたいだけど、結局智樹と一緒にいた。心配かけさせて……」



この言葉でもわかる。



裕也さんは美咲さんのことより、美咲さんのお母さんのことを心配している。



「さっきの続きだけど……」



「え…?」



「頑張れよ、好きな人のこと。」



「あ…ありがとうございます。」



「俺は……頑張れないから。」



「頑張れない……?」



「俺の場合……ライバルは二度と戦えない相手だから。」



今はお父さん亡くなっているって聞いた。



お母さんは今でもお父さんのことが好きなんだ――



だけど、裕也さんからしたら戦いたくても戦えない相手がライバルだなんて



どうしようもないし可哀想だ。



裕也さんの分も……頑張りたいって心から思っていたんだ。



「ねぇ、ちょっと……」



「はい?」



最近バイトに入ってきた女の人に声かけられた。



実はバイト仲間で私に話をかけてくるのは裕也さんだけだったからかなり驚いた。



「あなた、最近裕也と仲いいわよね?しかも携帯も裕也のだし。」



「え…?あのでも私はそういうんじゃ……」



「目障りなんだよ!」



肩を思いっきり押されてびっくりした……



そっか、この人裕也さんが好きでバイトに入ったんだ。
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