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痛みのあるセックス①
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「早く子供作ってこの家出ろよ。」
そう言われた気がしたけど気のせいだったのかな?
私はこの家にいたくて子供が欲しいのに、子供連れて出て行くなんて、どうしてそういうこと言うの…?
「………美緒?」
「はっ…!」
カーテンの隙間から朝日の光が差し込んできて眩しい。
いつの間に朝になったの?
「あ、会社ですよね…あっ!」
起き上がろうとしても起き上がれない。
カラダに力が入らなくてすぐにヘナっと倒れこんでしまう。
「ごめんなさい……起きあがれない。」
「ははっ……それだけ誠二のセックスがいいってことか。」
「違います……!」
本当は嘘だけど本当のことなんて言えない。
「本当に俺のほうがいいのか?」
「誠一さん…?」
「なんか…妬けちゃうな。」
「妬いて…くれるんですか?」
「え?」
「妬いて…くれないと思っていました。」
弟と子供ができるまで寝てほしいって誠一さんからのお願いだったし、誠二さんがあんなことを言っていたから……私のことなんてどうでもいいのかもしれないってちょっと思っていた。
「本当は今も会社に行きたくないぐらい妬いているよ…」
「誠一さん……」
「美緒…」
優しく髪の毛を撫でられるだけで、私の心は満たされる。
誠二さんとのセックスは確かにカラダは気持ちがいい。
だけど誠一さんは私の心を満たしてくれる。
「んっ…ん……っ…」
細長い指で頬にかかった髪の毛をかき分けながらそのまま唇を重ねて舌をゆっくりと絡めてくる。
ねっとりと舌を重ねては舌先と舌先をつつきあって、舌が離れると思うと寂しさを感じてまた舌を自分から重ねた。
「寂しい思いをさせて申し訳ない。」
「じゃあ……抱いてほしいです。」
自分から舌を重ねたことも、抱いてほしいと懇願したことも今まではなかった。
誠二さんに抱かれるようになってから積極的に言えるようになった自分に誠一さんも私も驚きが隠せない。
「やっぱり……嫌ですよね?ほかの男に抱かれたカラダなんて…」
「そんなこと……ただもう会社に行かなくてはいけなくて、ごめん。」
「……いいんです。」
そうだよ、仕事だから、私が嫌なんじゃない、そう思わないとこれから先やっていけない。
「じゃあ、行ってくる。」
「ま、待ってください!そのネクタイ…」
「え…?」
「そのネクタイ、誠一さんに合わないです!あっちの紺色のほうが合います!」
「そう…かな?」
「そうです!」
あのネクタイは私が昨日誠二さんとセックスしたときに口に突っ込まれたネクタイだから、絶対誠一さんにしてほしくない。
「美緒が言うなら…じゃあこっちにしておくよ。」
「ありがとうございます……」
お仕置きなんかより、誠一さんに知られるほうが嫌だ。
もうあのネクタイは捨てておこう。
「じゃあ、美緒行ってくるよ。」
「行ってらっしゃい、誠一さん。」
「誠二、あとは頼むよ。」
「じゃあ、行ってくる。」
「ま、待ってください!そのネクタイ…」
「え…?」
「そのネクタイ、誠一さんに合わないです!あっちの紺色のほうが合います!」
「そう…かな?」
「そうです!」
あのネクタイは私が昨日誠二さんとセックスしたときに口に突っ込まれたネクタイだから、絶対誠一さんにしてほしくない。
「美緒が言うなら…じゃあこっちにしておくよ。」
「ありがとうございます……」
お仕置きなんかより、誠一さんに知られるほうが嫌だ。
もうあのネクタイは捨てておこう。
「じゃあ、美緒行ってくるよ。」
「行ってらっしゃい、誠一さん。」
「誠二、あとは頼むよ。」
誠一さん、私が知っている優しい誠一さんなら抱き上げてベッドに運んでくれるよね?
どうして私を置いていくの…?
お願いだから、置いて行かないで……
「グスッ……グスッ…」
「何で泣くんだよ…」
「だって誠一さんが…キャッ!」
ベッドから落ちた私を拾い上げてくれたのは誠一さんではなく誠二さんだった。
「やだ…もう嫌だっ……」
ベッドに私を置くとき体が密着してまたカラダを重ねるのかと思って萎縮してしまった。
誠二さんは何も言わず、ただ頭に手を置いてポンポンと撫でて
涙をぬぐって黙って部屋から出て行ってしまった。
「うぅぅ…っ……」
誠二さんが本当にどうしようもないぐらい嫌な人だったらよかった。
誠一さんにしてもらいたいことを全部誠二さんがしてくれるなんて……神様はずるい。
快楽を与えてくれる行為も、頭を優しく撫でてくれる手も、涙をぬぐってくれる指も誠一さんだったら――
そう言われた気がしたけど気のせいだったのかな?
私はこの家にいたくて子供が欲しいのに、子供連れて出て行くなんて、どうしてそういうこと言うの…?
「………美緒?」
「はっ…!」
カーテンの隙間から朝日の光が差し込んできて眩しい。
いつの間に朝になったの?
「あ、会社ですよね…あっ!」
起き上がろうとしても起き上がれない。
カラダに力が入らなくてすぐにヘナっと倒れこんでしまう。
「ごめんなさい……起きあがれない。」
「ははっ……それだけ誠二のセックスがいいってことか。」
「違います……!」
本当は嘘だけど本当のことなんて言えない。
「本当に俺のほうがいいのか?」
「誠一さん…?」
「なんか…妬けちゃうな。」
「妬いて…くれるんですか?」
「え?」
「妬いて…くれないと思っていました。」
弟と子供ができるまで寝てほしいって誠一さんからのお願いだったし、誠二さんがあんなことを言っていたから……私のことなんてどうでもいいのかもしれないってちょっと思っていた。
「本当は今も会社に行きたくないぐらい妬いているよ…」
「誠一さん……」
「美緒…」
優しく髪の毛を撫でられるだけで、私の心は満たされる。
誠二さんとのセックスは確かにカラダは気持ちがいい。
だけど誠一さんは私の心を満たしてくれる。
「んっ…ん……っ…」
細長い指で頬にかかった髪の毛をかき分けながらそのまま唇を重ねて舌をゆっくりと絡めてくる。
ねっとりと舌を重ねては舌先と舌先をつつきあって、舌が離れると思うと寂しさを感じてまた舌を自分から重ねた。
「寂しい思いをさせて申し訳ない。」
「じゃあ……抱いてほしいです。」
自分から舌を重ねたことも、抱いてほしいと懇願したことも今まではなかった。
誠二さんに抱かれるようになってから積極的に言えるようになった自分に誠一さんも私も驚きが隠せない。
「やっぱり……嫌ですよね?ほかの男に抱かれたカラダなんて…」
「そんなこと……ただもう会社に行かなくてはいけなくて、ごめん。」
「……いいんです。」
そうだよ、仕事だから、私が嫌なんじゃない、そう思わないとこれから先やっていけない。
「じゃあ、行ってくる。」
「ま、待ってください!そのネクタイ…」
「え…?」
「そのネクタイ、誠一さんに合わないです!あっちの紺色のほうが合います!」
「そう…かな?」
「そうです!」
あのネクタイは私が昨日誠二さんとセックスしたときに口に突っ込まれたネクタイだから、絶対誠一さんにしてほしくない。
「美緒が言うなら…じゃあこっちにしておくよ。」
「ありがとうございます……」
お仕置きなんかより、誠一さんに知られるほうが嫌だ。
もうあのネクタイは捨てておこう。
「じゃあ、美緒行ってくるよ。」
「行ってらっしゃい、誠一さん。」
「誠二、あとは頼むよ。」
「じゃあ、行ってくる。」
「ま、待ってください!そのネクタイ…」
「え…?」
「そのネクタイ、誠一さんに合わないです!あっちの紺色のほうが合います!」
「そう…かな?」
「そうです!」
あのネクタイは私が昨日誠二さんとセックスしたときに口に突っ込まれたネクタイだから、絶対誠一さんにしてほしくない。
「美緒が言うなら…じゃあこっちにしておくよ。」
「ありがとうございます……」
お仕置きなんかより、誠一さんに知られるほうが嫌だ。
もうあのネクタイは捨てておこう。
「じゃあ、美緒行ってくるよ。」
「行ってらっしゃい、誠一さん。」
「誠二、あとは頼むよ。」
誠一さん、私が知っている優しい誠一さんなら抱き上げてベッドに運んでくれるよね?
どうして私を置いていくの…?
お願いだから、置いて行かないで……
「グスッ……グスッ…」
「何で泣くんだよ…」
「だって誠一さんが…キャッ!」
ベッドから落ちた私を拾い上げてくれたのは誠一さんではなく誠二さんだった。
「やだ…もう嫌だっ……」
ベッドに私を置くとき体が密着してまたカラダを重ねるのかと思って萎縮してしまった。
誠二さんは何も言わず、ただ頭に手を置いてポンポンと撫でて
涙をぬぐって黙って部屋から出て行ってしまった。
「うぅぅ…っ……」
誠二さんが本当にどうしようもないぐらい嫌な人だったらよかった。
誠一さんにしてもらいたいことを全部誠二さんがしてくれるなんて……神様はずるい。
快楽を与えてくれる行為も、頭を優しく撫でてくれる手も、涙をぬぐってくれる指も誠一さんだったら――
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