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痛みのあるセックス②
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「ん……」
あれからどのくらい時間が過ぎたんだろう。
たくさん泣いたから瞼が重くて開けにくい。
きっと顔は悲惨なんだろうな……
「朝…なんだ。」
カーテンの隙間から入ってくる光
外から聞こえる小鳥のさえずりで夜が明けて朝になったことに気付いた。
「え…?」
起き上がろうとした瞬間手に何か違和感を感じて左を見ると――
「誠二さん……」
違和感を感じたのは誠二さんが指を絡めていたから。
誠二さんの指は誠一さんの指みたいに長いけど誠一さんよりゴツゴツしている。
指を絡めるとどれだけゴツゴツしているか、私の指が柔らかいかが伝わってくる。
私のカラダに快感を与えるこの指
この指の関節が私の気持ちがいいところをついてくる。
指を離そうとすると誠二さんがさらに指を強く絡めてくる。
起きているんじゃないかっていうぐらい。。。
「紗英……」
「え…?」
誠二さんは一言呟いてまた寝息を立てて寝ている。
これは寝言……?
紗英って確か――
私の勘違いでなければきっとそう。
誠一さんの前の奥様の名前だよね?
「ん……」
寝顔は誠一さんにやっぱり似ている。
きっと顔も似ているのかもしれないけど
誠二さんには誠二さんで色々あって
形相が変わって違う人に見えるのかもしれない。
「涙…?」
誠二さんの眼尻からすっと涙が頬を伝って枕のほうへと流れていく。
「もしかして誠二さん、紗英さんのことを…」
指を離そうとすると誠二さんがさらに指を強く絡めてくる。
起きているんじゃないかっていうぐらい。。。
「紗英……」
「え…?」
誠二さんは一言呟いてまた寝息を立てて寝ている。
これは寝言……?
紗英って確か――
私の勘違いでなければきっとそう。
誠一さんの前の奥様の名前だよね?
「ん……」
寝顔は誠一さんにやっぱり似ている。
きっと顔も似ているのかもしれないけど
誠二さんには誠二さんで色々あって
形相が変わって違う人に見えるのかもしれない。
「涙…?」
誠二さんの眼尻からすっと涙が頬を伝って枕のほうへと流れていく。
「もしかして誠二さん、紗英さんのことを…」
「……昨日お前が泣いている姿と紗英が重なって。」
紗英さんもあんな風に絶望を感じて泣いていたの?
子供を望まなかったのが離婚の原因って聞いたけど
そういえばそれは本当なの?
「あの…誠一さんには言いません。でも何があったんですか?三人に…」
誠一さんの過去とか深くは聞いたことない
それに誠二さんが信じられる人間かもわからない
だけど、誠一さんがそばにいない今聞けるのは誠二さんだけ
誠二さんは答える代わりに本棚からアルバムを一冊とって渡してきた。
「これが誠一、これが紗英、そして俺……」
アルバムの中の三人はまだ3歳ぐらいだろうか?
紗英さんが真ん中だけどみんな悲しそうな顔をしている。
「次の日アメリカへ俺は行ったんだ。まぁ、行ったっていうより行かされただけどな。」
「三人は幼馴染…なんですか?」
「俺は三歳までしか紗英のそばにはいれなかった。だけど手紙やメール、テレビ電話で紗英と毎日話してたから寂しくはなかった……この家から追い出された俺にとって紗英は…家族だった。」
「そう……だったんですか。」
「俺は…アメリカで自由気ままに生きていたよ。お金には困らなかったし、自由になんでもできる。紗英には会えないし、家族は最低な人間でもそれでよかった……なのにッ!」
「誠二…さん?」
ビリビリとアルバムから三人が写っている写真を破り捨てて床に広げ、足で踏みつぶしだす姿は相当怒ッているのが伝わってきた。
「紗英が誠一と結婚してから……テレビ電話で映る紗英がどんどん痩せていって…見るからに不幸そうだった。」
「どうして…?」
「紗英は子供を望まなかったんじゃない。できにくいカラダだったんだ。」
「あ……」
「あの頃は……まだ今みたいに不妊治療が進んでいなくて。誠一も若かったから自分に原因があるなんて知らなかった。検査なんて受けていなくて、紗英だけが検査を…」
「俺はすぐさまアメリカから日本に帰ってきたよ。いても立ってもいられなくなって。テレビ電話より実際に紗英に会ったら、ガリガリに痩せていて病んでたよ。」
「紗英さん……」
「紗英は…誰よりも誠一との子供が欲しいって言っていた。だけど子供ができない自分は用済みだと親父や親せきたちに散々言われて離婚を迫られた。」
「そんな…話が違う。」
「本当のことをいったら、この家が悪くなるからな。紗英は……愛人を作っていいから別れたくないって懇願していたよ、泣きながら、この部屋で。」
置いて行かないで――
紗英さんの気持ちすごくよくわかる。
前の奥さんの話とか嫌がる人のほうが多いと思う。
だけど不思議と今は紗英さんの気持ちが痛いほどわかって
もっと紗英さんの話が聞きたい、そう思った。
あれからどのくらい時間が過ぎたんだろう。
たくさん泣いたから瞼が重くて開けにくい。
きっと顔は悲惨なんだろうな……
「朝…なんだ。」
カーテンの隙間から入ってくる光
外から聞こえる小鳥のさえずりで夜が明けて朝になったことに気付いた。
「え…?」
起き上がろうとした瞬間手に何か違和感を感じて左を見ると――
「誠二さん……」
違和感を感じたのは誠二さんが指を絡めていたから。
誠二さんの指は誠一さんの指みたいに長いけど誠一さんよりゴツゴツしている。
指を絡めるとどれだけゴツゴツしているか、私の指が柔らかいかが伝わってくる。
私のカラダに快感を与えるこの指
この指の関節が私の気持ちがいいところをついてくる。
指を離そうとすると誠二さんがさらに指を強く絡めてくる。
起きているんじゃないかっていうぐらい。。。
「紗英……」
「え…?」
誠二さんは一言呟いてまた寝息を立てて寝ている。
これは寝言……?
紗英って確か――
私の勘違いでなければきっとそう。
誠一さんの前の奥様の名前だよね?
「ん……」
寝顔は誠一さんにやっぱり似ている。
きっと顔も似ているのかもしれないけど
誠二さんには誠二さんで色々あって
形相が変わって違う人に見えるのかもしれない。
「涙…?」
誠二さんの眼尻からすっと涙が頬を伝って枕のほうへと流れていく。
「もしかして誠二さん、紗英さんのことを…」
指を離そうとすると誠二さんがさらに指を強く絡めてくる。
起きているんじゃないかっていうぐらい。。。
「紗英……」
「え…?」
誠二さんは一言呟いてまた寝息を立てて寝ている。
これは寝言……?
紗英って確か――
私の勘違いでなければきっとそう。
誠一さんの前の奥様の名前だよね?
「ん……」
寝顔は誠一さんにやっぱり似ている。
きっと顔も似ているのかもしれないけど
誠二さんには誠二さんで色々あって
形相が変わって違う人に見えるのかもしれない。
「涙…?」
誠二さんの眼尻からすっと涙が頬を伝って枕のほうへと流れていく。
「もしかして誠二さん、紗英さんのことを…」
「……昨日お前が泣いている姿と紗英が重なって。」
紗英さんもあんな風に絶望を感じて泣いていたの?
子供を望まなかったのが離婚の原因って聞いたけど
そういえばそれは本当なの?
「あの…誠一さんには言いません。でも何があったんですか?三人に…」
誠一さんの過去とか深くは聞いたことない
それに誠二さんが信じられる人間かもわからない
だけど、誠一さんがそばにいない今聞けるのは誠二さんだけ
誠二さんは答える代わりに本棚からアルバムを一冊とって渡してきた。
「これが誠一、これが紗英、そして俺……」
アルバムの中の三人はまだ3歳ぐらいだろうか?
紗英さんが真ん中だけどみんな悲しそうな顔をしている。
「次の日アメリカへ俺は行ったんだ。まぁ、行ったっていうより行かされただけどな。」
「三人は幼馴染…なんですか?」
「俺は三歳までしか紗英のそばにはいれなかった。だけど手紙やメール、テレビ電話で紗英と毎日話してたから寂しくはなかった……この家から追い出された俺にとって紗英は…家族だった。」
「そう……だったんですか。」
「俺は…アメリカで自由気ままに生きていたよ。お金には困らなかったし、自由になんでもできる。紗英には会えないし、家族は最低な人間でもそれでよかった……なのにッ!」
「誠二…さん?」
ビリビリとアルバムから三人が写っている写真を破り捨てて床に広げ、足で踏みつぶしだす姿は相当怒ッているのが伝わってきた。
「紗英が誠一と結婚してから……テレビ電話で映る紗英がどんどん痩せていって…見るからに不幸そうだった。」
「どうして…?」
「紗英は子供を望まなかったんじゃない。できにくいカラダだったんだ。」
「あ……」
「あの頃は……まだ今みたいに不妊治療が進んでいなくて。誠一も若かったから自分に原因があるなんて知らなかった。検査なんて受けていなくて、紗英だけが検査を…」
「俺はすぐさまアメリカから日本に帰ってきたよ。いても立ってもいられなくなって。テレビ電話より実際に紗英に会ったら、ガリガリに痩せていて病んでたよ。」
「紗英さん……」
「紗英は…誰よりも誠一との子供が欲しいって言っていた。だけど子供ができない自分は用済みだと親父や親せきたちに散々言われて離婚を迫られた。」
「そんな…話が違う。」
「本当のことをいったら、この家が悪くなるからな。紗英は……愛人を作っていいから別れたくないって懇願していたよ、泣きながら、この部屋で。」
置いて行かないで――
紗英さんの気持ちすごくよくわかる。
前の奥さんの話とか嫌がる人のほうが多いと思う。
だけど不思議と今は紗英さんの気持ちが痛いほどわかって
もっと紗英さんの話が聞きたい、そう思った。
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