【R18】どうか、私を愛してください。

かのん

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誠一VS誠二②

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『もし子供ができていたら…』



『子供ができていたら……それは…この家の跡取りになる。』



『子供がいたら……美緒に子供が20歳になったら必ず迎えにくるって言っておいて。』



『え…いいのか?』



まさか誠二が待つなんて思ってもみなかった。
今すぐにでも美緒を連れていきそうだったのに――



『俺は三歳で母さんと離れ離れで生活させられた。母親が恋しくて泣いても、温もりも声も聞くことはできない夜も何度も、何度も過ごしたんだ。自分の子供にそんな経験をさせたくない。』



『だけど……そんなに待てるのか?』



『紗英でさえ俺を求めてくることはなかったのに……美緒は俺を認めて、そして求めてくれた。俺は待てるよ。』



『もし、美緒が忘れてしまったら…?』



『それはそれでいい。紗英みたいに美緒が苦しまなくてすむなら……』



そんなにも美緒のこと、そして子供のことを考えているなんて――
俺は美緒のことや子供のことより
この家のことしか考えていなかった気がする。



誠二に与えられた月日を大事しなきゃいけない。
もしかしたら、こうやって一緒に過ごしたら
また美緒が以前のように笑いかけてくれるかもしれない。
そう思って過ごしてきたけど――



10年かけても美緒の心は俺に向いてくれない。
まだまだ誠二に囚われたままで――
だけど今は折り返し地点、まだまだ時間はあると思っていたのに……



あの時に誠二は本当に心から美緒と生まれてくる子供のことを愛していた。
だけど、今は――
言葉や態度は突き放しているのに
どうしてそんな悲しい目をするんだよ。



「言っていないならもう言わないで。約束と違うしさ。」



そう言ってその場から立ち去ろうと背中を向けている誠二をみたら
この10年美緒がどれだけ誠二のことを待っていたか……
美緒の悲しそうな表情が頭に浮かんだんだ。



「美緒はお前を待っていた。約束は言っていない。だけど誠二、お前をずっと待っていた!」



「……兄さんの嫁に好かれても困るから。ちゃんと兄さんが捕まえておきなよ。」



「誠二!」



この10年でお前に何があったんだ…?
本当に結婚のためだけに帰ってきたのか?
誠二の本当の目的は何なんだ……?



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