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卵作り1
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シンを連れて外に出たものの、どこに行けばいいか分からない。立ち尽くしていると、シンが目の前でしゃがんだ。
「ほら、おぶされ。連れてってやるから」
「い、いいよ。ここは裸足でも大丈夫だから」
「そうか? じゃあ、こっちだ」
手をとられ、そのまま奥へと進んでいく。わざわざ手を繋ぐ必要があるのか、と思ったが、離すのも意識しているようで面映ゆい。手汗に気付かれていないか内心ヒヤヒヤしたが、シンはこちらをチラリとも見ずにズンズン進む。
洞窟は虫食いのように横穴が何個も開いていて、その入口にはいずれも布や藁がかかっていた。
「ここだ」
随分と奥に来たとことでシンが止まった。
入口は元は白だったのであろう薄汚れた布がかかっている。
中は二人寝られるのがやっとといった大きさの狭い空間だった。ただの横穴に藁を敷き詰めてあるだけで、部屋というのも憚れる質素なものだった。
「そうだった。ちょっと待ってろ」
そう言うと、シンはどこかに行き、すぐに腕いっぱいの布を抱えて帰ってきた。
「これで少しはマシだろう」
何をするのだろうと見守っていると、藁の上に布を敷き詰めた。どうやらこれが簡易的な布団ということらしい。
「俺は藁でも寝られるが、お前は布団だったようだから。卵作りは寝ながらするんだと、岩じいが言っていたからな」
意外な細かい気配りに驚いたが、シンの言葉に引っかかるものを感じ、まさかと思い尋ねてみた。
「一応聞くけど、その、卵作りの方法は、知ってるんだよな」
「岩じいは卵生と一緒に寝ればいいと言っていたが、違うのか」
「……寝るっていうのは、寝るってことだよな」
「寝る以外になにがあるんだ」
なにを当たり前のことを……といいたげなシンに向かって「あるんだよっ」と叫ぶのをグッと我慢した。
卵生以外の人間も、卵作りの真似事をするのというのが今までのスズの認識だった。
世話係が扉の外でやれどこぞの有望な一族と寝ただのなんだの、よく世間話をしていたのでそういった知識だけはかなりある。
だからそれが普通だと思っていたのだが、どうやらシンはそっちの知識が全くないようだ。
「岩じいは、他になにか言っていたか?」
「いいや」
「じゃあ、族長は?」
「別に。ああでも、卵生さえいれば卵を作るのは簡単だって言っていたのを聞いたことがある」
──やっぱりあのクソ親父、もっと悪口を言ってやれば良かった。
なにが『シンに身を任せればよろしい』だ。はなからスズに丸投げする気満々だったのではないか。
だが、スズだって基本は銀の言いつけ通りにして、事を済ませていたのだ。自分から導くとなると、どうすればいいのか途方に暮れてしまう。かといって、なにをするか口で説明するのも難しい。
「えっとな、シン。寝るだけじゃ卵は産めない」
「そうなのか」
まずは基本的なことから教えていくしかない。
無精卵しか産めないが、とりあえず卵は産んでおく必要がある。
シンは卵を見たことがないはずだから、スズが産んだ卵が無精卵だと分かるのは暫くかかるはずだ。
それまでの時間を稼ぐために、まずはこの男に性交を教えなくてはならない。
スズは腹を決めた。
「それで、まず、服を脱いで裸にならなきゃならない」
「裸に?」
シンが首を傾げた。なんだってそんなことを、と不審がっているのがありありと伺える。
「その、卵を産むためには、とある行為をしなきゃいけないんだ。それは単純なんだけど、なんというか、凄く大変なことだ。辛いし、恥ずかしいかもしれないけど。必要なことだと思って、オレに従って欲しい」
シンはスズの言葉を神妙な面持ちで聞いた。あまりにも真剣な顔をしているから、こっちまで変な汗をかいてくる。
「分かった」
端的にそれだけ言うと、シンはこちらに背を向け、なんのためらいもなく服を脱ぎはじめた。
「え、ちょっ」
いきなりのことに目を逸らす余裕もない。しなやかな筋肉に包まれたシンの体は、上着を脱ぐ仕草で肩甲骨が滑らかに隆起している。
銀はあまり服を脱いで性交することはなかったが、それでもたまに見る背中はこんなに大きくなかったし、盛りがってもいなかった。小麦色の見事な背中の肉体美に、思わず目が離せなくなる。
上半身だけ脱いだところで、シンがくるりと振り返りもの言いたげにこちらを見た。しまった見すぎたかと慌てると、顎をしゃくられた。お前も脱げということらしい。
仕方なく、スズも後ろを向いてしぶしぶ上着を脱いだ。チラリと横目で伺うと、向こうはすでに下半身もなにも身に着けていない全裸になってこちらを待っていた。慌てて目を逸らすが、一瞬目に入った中心にあったものが目に焼き付いて離れない。
(なんだあれ!?)
銀のものと全く違う。あんなもの、入るわけがない。
「どうした。早く脱げ」
スズの心中など知るよしもないシンが、痺れを切らして近づいてきた。
勝手に下着に手をかけられそうになったので、慌てて自分で脱いだが、正直内心それどころではない。
銀以外のものなど見たこともなかったが、アレはなんだ。同じものなのか。もしかして人間じゃないのか。だって、あまにも大きすぎ──。
「小さすぎないか」
思っていたことと全く反対なことを言われてびっくりした。見るとシンがこちらの股間をじっと見ている。
「あまりにも小さすぎる。お前はもしかて人間じゃないのか」
自分も同じことを思ったくせにあまりの言われようが腹立たしく、眉を釣り上げて言い返した。
「人間じゃないのは、お前のほうだろう。なんだそのブラブラとでかい大芋みたいなものは。オレはそもそも卵生だから、これは排泄以外に使わない。だから、このサイズは普通なんだよ。……多分」
「では卵生は人間じゃないんだろうか。というか、卵生とは、なんなんだ」
馬鹿にしているわけではなく、本気で疑問に思っている口調だ。
一瞬腹が立ったのも忘れて、スズはシンをまじまじと見た。シンはそれをまっすぐ見つめ返してくる。
「卵生は……卵を産むものだよ。昔は女というものが子供を産んだらしいけど、それが絶滅して人間自体がいなくなりそうになったとき。女の代わりに神が人間に卵生を与えたって聞いたことがある」
聞いたのは、全部ユーイからだが、先程岩じいも同じようなこと言っていたので間違えではないのだろう。
「では、やはり卵生は人間じゃないのか?」
「なんでだよ」
「卵生は神が与えたのだろう。ならば、元々の卵生は人間から産まれたわけではないはずだ。人間とは異なる者なのだろう」
そう言われてみるとそうだ。
スズは卵生がなんなのかなんて、考えたこともなかった、
いや、昔はそういうことも考えた気がする、いつの間にか、考えることをやめていたのかもしれない。
シンがまっすぐにスズを見下ろす。
あまりにも澄んだその瞳で見られて、初めて自分が何者であるのだろうという疑問がふつふつとスズに芽生えてきた。
そのことを考えたこともなかったことが恥ずかしいとさえ思えてくる。この男に答えてやれる十分なものがスズの中にはなにもない。
「神様なのかもな」
思いもしない言葉が出てきて、びっくりして聞き返した。
「卵生がってこと? そんなわけないだろ」
ならば自分は地下で何年も閉じ込めらていないはずだ。こんな役立たずの神様なんているわけない。
「なぜ否定する。人間のピンチに神が降臨することは、古代にはよくあることだと聞いたぞ」
「それは女がいた、ずっと昔の話だろう。いまどき神を信仰しているやつなんて、どこにもいない」
そもそも信仰自体が、天主から禁止されているはずなのでかなり危うい話題でもある。
「神はいるな。実際に」
「見てきたように言うんだな」
「見えないが、感じることは出来る。弓を射ると、神の力を感じる」
「弓?」
「言ったろう。俺の技芸の力だ。それに技芸の民は神の力を感じるものが多い。姿を見たものはいないが、絵画の技を持った者が、想像で描いたものがある。今度見せてやろう。とても美しい」
「へぇ」
珍しくシンが夢中で喋っているので、よほど素晴らしいものなのだろう。それは少し。いや、だいぶ見てみたい。
「神は美しいものなのだそうだ。だからきっと、お前も神なのだろう」
「ふーん……へ?」
あまりにもさらっと言うので聞き逃しそうになったが、ものすごい事を言われた気がする。返事に困って固まっていると、シンは不思議そうに顔を覗き込んできた。
「どうした。随分と顔が赤いぞ」
「ほら、おぶされ。連れてってやるから」
「い、いいよ。ここは裸足でも大丈夫だから」
「そうか? じゃあ、こっちだ」
手をとられ、そのまま奥へと進んでいく。わざわざ手を繋ぐ必要があるのか、と思ったが、離すのも意識しているようで面映ゆい。手汗に気付かれていないか内心ヒヤヒヤしたが、シンはこちらをチラリとも見ずにズンズン進む。
洞窟は虫食いのように横穴が何個も開いていて、その入口にはいずれも布や藁がかかっていた。
「ここだ」
随分と奥に来たとことでシンが止まった。
入口は元は白だったのであろう薄汚れた布がかかっている。
中は二人寝られるのがやっとといった大きさの狭い空間だった。ただの横穴に藁を敷き詰めてあるだけで、部屋というのも憚れる質素なものだった。
「そうだった。ちょっと待ってろ」
そう言うと、シンはどこかに行き、すぐに腕いっぱいの布を抱えて帰ってきた。
「これで少しはマシだろう」
何をするのだろうと見守っていると、藁の上に布を敷き詰めた。どうやらこれが簡易的な布団ということらしい。
「俺は藁でも寝られるが、お前は布団だったようだから。卵作りは寝ながらするんだと、岩じいが言っていたからな」
意外な細かい気配りに驚いたが、シンの言葉に引っかかるものを感じ、まさかと思い尋ねてみた。
「一応聞くけど、その、卵作りの方法は、知ってるんだよな」
「岩じいは卵生と一緒に寝ればいいと言っていたが、違うのか」
「……寝るっていうのは、寝るってことだよな」
「寝る以外になにがあるんだ」
なにを当たり前のことを……といいたげなシンに向かって「あるんだよっ」と叫ぶのをグッと我慢した。
卵生以外の人間も、卵作りの真似事をするのというのが今までのスズの認識だった。
世話係が扉の外でやれどこぞの有望な一族と寝ただのなんだの、よく世間話をしていたのでそういった知識だけはかなりある。
だからそれが普通だと思っていたのだが、どうやらシンはそっちの知識が全くないようだ。
「岩じいは、他になにか言っていたか?」
「いいや」
「じゃあ、族長は?」
「別に。ああでも、卵生さえいれば卵を作るのは簡単だって言っていたのを聞いたことがある」
──やっぱりあのクソ親父、もっと悪口を言ってやれば良かった。
なにが『シンに身を任せればよろしい』だ。はなからスズに丸投げする気満々だったのではないか。
だが、スズだって基本は銀の言いつけ通りにして、事を済ませていたのだ。自分から導くとなると、どうすればいいのか途方に暮れてしまう。かといって、なにをするか口で説明するのも難しい。
「えっとな、シン。寝るだけじゃ卵は産めない」
「そうなのか」
まずは基本的なことから教えていくしかない。
無精卵しか産めないが、とりあえず卵は産んでおく必要がある。
シンは卵を見たことがないはずだから、スズが産んだ卵が無精卵だと分かるのは暫くかかるはずだ。
それまでの時間を稼ぐために、まずはこの男に性交を教えなくてはならない。
スズは腹を決めた。
「それで、まず、服を脱いで裸にならなきゃならない」
「裸に?」
シンが首を傾げた。なんだってそんなことを、と不審がっているのがありありと伺える。
「その、卵を産むためには、とある行為をしなきゃいけないんだ。それは単純なんだけど、なんというか、凄く大変なことだ。辛いし、恥ずかしいかもしれないけど。必要なことだと思って、オレに従って欲しい」
シンはスズの言葉を神妙な面持ちで聞いた。あまりにも真剣な顔をしているから、こっちまで変な汗をかいてくる。
「分かった」
端的にそれだけ言うと、シンはこちらに背を向け、なんのためらいもなく服を脱ぎはじめた。
「え、ちょっ」
いきなりのことに目を逸らす余裕もない。しなやかな筋肉に包まれたシンの体は、上着を脱ぐ仕草で肩甲骨が滑らかに隆起している。
銀はあまり服を脱いで性交することはなかったが、それでもたまに見る背中はこんなに大きくなかったし、盛りがってもいなかった。小麦色の見事な背中の肉体美に、思わず目が離せなくなる。
上半身だけ脱いだところで、シンがくるりと振り返りもの言いたげにこちらを見た。しまった見すぎたかと慌てると、顎をしゃくられた。お前も脱げということらしい。
仕方なく、スズも後ろを向いてしぶしぶ上着を脱いだ。チラリと横目で伺うと、向こうはすでに下半身もなにも身に着けていない全裸になってこちらを待っていた。慌てて目を逸らすが、一瞬目に入った中心にあったものが目に焼き付いて離れない。
(なんだあれ!?)
銀のものと全く違う。あんなもの、入るわけがない。
「どうした。早く脱げ」
スズの心中など知るよしもないシンが、痺れを切らして近づいてきた。
勝手に下着に手をかけられそうになったので、慌てて自分で脱いだが、正直内心それどころではない。
銀以外のものなど見たこともなかったが、アレはなんだ。同じものなのか。もしかして人間じゃないのか。だって、あまにも大きすぎ──。
「小さすぎないか」
思っていたことと全く反対なことを言われてびっくりした。見るとシンがこちらの股間をじっと見ている。
「あまりにも小さすぎる。お前はもしかて人間じゃないのか」
自分も同じことを思ったくせにあまりの言われようが腹立たしく、眉を釣り上げて言い返した。
「人間じゃないのは、お前のほうだろう。なんだそのブラブラとでかい大芋みたいなものは。オレはそもそも卵生だから、これは排泄以外に使わない。だから、このサイズは普通なんだよ。……多分」
「では卵生は人間じゃないんだろうか。というか、卵生とは、なんなんだ」
馬鹿にしているわけではなく、本気で疑問に思っている口調だ。
一瞬腹が立ったのも忘れて、スズはシンをまじまじと見た。シンはそれをまっすぐ見つめ返してくる。
「卵生は……卵を産むものだよ。昔は女というものが子供を産んだらしいけど、それが絶滅して人間自体がいなくなりそうになったとき。女の代わりに神が人間に卵生を与えたって聞いたことがある」
聞いたのは、全部ユーイからだが、先程岩じいも同じようなこと言っていたので間違えではないのだろう。
「では、やはり卵生は人間じゃないのか?」
「なんでだよ」
「卵生は神が与えたのだろう。ならば、元々の卵生は人間から産まれたわけではないはずだ。人間とは異なる者なのだろう」
そう言われてみるとそうだ。
スズは卵生がなんなのかなんて、考えたこともなかった、
いや、昔はそういうことも考えた気がする、いつの間にか、考えることをやめていたのかもしれない。
シンがまっすぐにスズを見下ろす。
あまりにも澄んだその瞳で見られて、初めて自分が何者であるのだろうという疑問がふつふつとスズに芽生えてきた。
そのことを考えたこともなかったことが恥ずかしいとさえ思えてくる。この男に答えてやれる十分なものがスズの中にはなにもない。
「神様なのかもな」
思いもしない言葉が出てきて、びっくりして聞き返した。
「卵生がってこと? そんなわけないだろ」
ならば自分は地下で何年も閉じ込めらていないはずだ。こんな役立たずの神様なんているわけない。
「なぜ否定する。人間のピンチに神が降臨することは、古代にはよくあることだと聞いたぞ」
「それは女がいた、ずっと昔の話だろう。いまどき神を信仰しているやつなんて、どこにもいない」
そもそも信仰自体が、天主から禁止されているはずなのでかなり危うい話題でもある。
「神はいるな。実際に」
「見てきたように言うんだな」
「見えないが、感じることは出来る。弓を射ると、神の力を感じる」
「弓?」
「言ったろう。俺の技芸の力だ。それに技芸の民は神の力を感じるものが多い。姿を見たものはいないが、絵画の技を持った者が、想像で描いたものがある。今度見せてやろう。とても美しい」
「へぇ」
珍しくシンが夢中で喋っているので、よほど素晴らしいものなのだろう。それは少し。いや、だいぶ見てみたい。
「神は美しいものなのだそうだ。だからきっと、お前も神なのだろう」
「ふーん……へ?」
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