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一章
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「ありがとう! お陰で想いが通じたんだ、婚約破棄してくれ!」
公爵家の応接間で、メルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていた。
「あら、おめでとうございます。わたくしもほっと致しましたわ」
そよかぜが鳴らす鐘のような声と共に、柔らかな表情でこてんと首を傾げながら、少女のほっそりと白い手はたおやかに頬に当てられた。
さして悲しげでもないのは、これをもう両手からあぶれた数経験したからだったー。
初めて婚約破棄されたのは十二の春。
三年婚約していた侯爵家の次男様がこう言った。
「好きな子ができたんだ、申し訳ないけど婚約解消してくれないか」
と。
家同士の取り決めで特に思うところもなかったので了承した。
お父様に地位があったので次の婚約者も割と早く見つかった。
ーーただ、そこからおかしなことになりだした。
また、好きな子ができたと婚約解消を申し出されてしまったのだ。
公爵家の娘である以上嫁ぐのは義務、次の婚約もなんとかみつけはしたが、二度あることは三度目もあってしまったのだった。
そうして噂は瞬く間に社交界に広がった、ーーエルンスタ公爵家の御長女と婚約すると良縁にめぐまれる、とーー。
公爵家の応接間で、メルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていた。
「あら、おめでとうございます。わたくしもほっと致しましたわ」
そよかぜが鳴らす鐘のような声と共に、柔らかな表情でこてんと首を傾げながら、少女のほっそりと白い手はたおやかに頬に当てられた。
さして悲しげでもないのは、これをもう両手からあぶれた数経験したからだったー。
初めて婚約破棄されたのは十二の春。
三年婚約していた侯爵家の次男様がこう言った。
「好きな子ができたんだ、申し訳ないけど婚約解消してくれないか」
と。
家同士の取り決めで特に思うところもなかったので了承した。
お父様に地位があったので次の婚約者も割と早く見つかった。
ーーただ、そこからおかしなことになりだした。
また、好きな子ができたと婚約解消を申し出されてしまったのだ。
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