51 / 194
第五十話 想像以上だったわ…
しおりを挟む
バタバタと慌ただしい日々が過ぎ、いよいよヘレフォード伯爵令嬢を迎える日がやって来た。
カイルはまた南の離れの塔に部屋を移すが、すでに事情を理解しているので、前回皇女様がやって来たときのような気まずさはなかった。
むしろあっけらかんとしていて、かえって心配になるほどだった。
「けいこばには行っていいって言われてるし、師匠のけいこも毎日してもらえるからだいじょうぶだよ!」
カイルは私を安心させるように笑った。
あれから3ヶ月ほどしか経っていないというのに、カイルはものすごく大人になったような気がする。
自分がどういう立場で、どういう危険にさらされているのかを理解して、少し強くなったのかもしれない。
「1日に一度は必ず顔を出すから。剣術の稽古、頑張ってね」
「うん。お母さんも、おきゃくさまの相手、がんばってね」
「う、うん、頑張るわ…」
ヘレフォード伯爵令嬢の情報は不安ばかりがつのるものしかなく、どう頑張れば良いのか分からなかったけれど。
予定では一週間の滞在というから、一週間だけ頑張れば元の生活に戻れる…はず。
(カイルだって寂しいのを我慢してるんだから…私も頑張らないと)
街に待機していた騎士から間もなく到着すると連絡が入り、私とラウル様はヘルフォード伯爵令嬢とその一行を出迎えるために城門に向かう。
「はぁ…」
気が重そうなラウル様のため息は、もう何度目だろう。
何だか気の毒になってくるほどだ。
ラウル様は5年前まで首都にいた間に、ヘレフォード伯爵令嬢からさんざんつきまとわれていたらしいから、その時のことを思い出しているのかもしれない。
城門に待機して十分ほど経つと、こちらに向かう馬車の列が見えた。
やがて馬車が止まり、中からヘルフォード伯爵令嬢らしき令嬢が降りてくる。
栗色のサラサラとした髪に、青い瞳、見た目はまるで人形のように美しい女性だった。
「ラウル様ぁ、ご無沙汰しておりますぅ」
私の方には目もくれず、令嬢はラウル様に挨拶をする。
ラウル様は明らかに令嬢と距離をとり、型どおりの挨拶をする。
「このたびは私どもの祝いのために遠路はるばるお越し下さり、ありがとうございます。こちらが妻のシャーレットです」
「始めめまして、シャーレットと申します」
私が挨拶をすると、ヘルフォード伯爵令嬢は青い目で一瞥し、そして口角をあげて笑った。
「グリーン侯爵家のアグネス様やドリス様のことは存じておりますが、あなたはお見かけしたこともございませんし、名前をお聞きしたこともございませんね」
アグネスとドリスは共にシャーレットの腹違いの姉だ。
彼女らは正妻の子として育てられ、デビュタント以降はさまざまなパーティーにも出席していた。
二人は現在、グリーン侯爵が見初めた相手と婚約中だ。
「申し訳ありません。私は公の場に出る機会なく、こちらへ嫁いで参りましたので」
「あら、そうでしたの」
わざと驚いたような口調で言ったが、暗に私が妾の子であることを明らかにし、貶めたい糸が感じ取れた。
(まあ、この程度のことは、想定していたからたいしたことではないわ)
「滞在頂くお部屋にご案内します、伯爵令嬢」
私がそう言うと、ヘルフォード伯爵令嬢は歪んだ笑みを浮かべる。
「私はラウル様にご案内頂きたいわ。5年ぶりに会うのですもの」
「ですが、ラウル様はこの後、まだお仕事が残っておりますので私が…」
なんとかして自分の役割を果たさなければと思ったのだけど、ヘレフォード伯爵令嬢は頑固だった。
「いいえ。ラウル様にご案内いただきたいです」
私を気遣うように、ラウル様が口を挟んだ。
「シャーレットさん、大丈夫です。私とロルフが案内します」
ロルフというのは、ラウル様の秘書の名だ。
ラウル様だけでは伯爵令嬢が滞在する部屋まで行くのは難しいので、秘書も連れて行くことにしたのだろう。
「シャーレットさんは先に戻っていてください。体も冷えたでしょうから、暖かくして。また風邪をひくと大変です」
「はい、ありがとうございます」
ラウル様が軽く私を抱きしめてくれる。
私を気遣う時、人目があろうがなかろうが、最近は自然とこういうスキンシップをしてくることが多かった。
私は素直に、ラウル様の言葉に甘えることにした。
無理に私が案内すると言っても、かえって彼女の機嫌を損ねてしまうだけだろう。
ふと気がつくと、ヘルフォード伯爵令嬢が恐ろしい形相でにらみつけていた。
私は慌ててラウル様の体から離れ、ヘレフォード伯爵令嬢に会釈した。
「では伯爵令嬢。私は先に失礼します。また夜の宴の時に」
私がそう告げると、ヘルフォード伯爵令嬢はぷいっと顔を背けた。
そして私が一歩下がった途端、ずいっとラウル様の元へと駆け寄ってくる。
「ラウル様ぁ、本当にお会いしたかったですぅ…」
ヘルフォード伯爵令嬢はラウル様の腕に手を回し、体をぴったりとくっつける。
常識のある人なら、妻の目の前でそんなことはしないだろう。
「すみません、離れていただけますか?歩きにくいですので」
ラウル様は迷惑そうな顔をして、きっぱりと言った。
「あら、ごめんなさい。つい、昔のクセで…」
「つかまる場所が必要なら、ロルフがお手伝いします」
指名されたロルフ卿は、あからさまに嫌な顔をした。
「いいえ、結構ですわ。自分で歩きます」
どうやらある程度の距離を取って歩くことをヘレフォード伯爵令嬢も受け入れることにしたようで、少しホッとする。
(すみません…後はよろしくお願いします…)
心の中でラウル様に謝って、私は逃げるようにその場を後にした。
「はー……想像以上だったわ…」
部屋に戻った私は、メイドが淹れてくれた温かいお茶を飲みながら、短時間のうちに疲れた心を回復させていた。
あからさまに私を「妾の子」と罵ることはしなかったものの、ヘルフォード伯爵令嬢が私を見下しているのは明らかだった。
(まぁ…見下されるのは慣れてるし…)
厄介なのは、ラウル様への想いを人が見ていようが全く隠す様子がないということ。
確かに、普通の神経ではできないことだった。
決して気持ちの良いものではないけれど、たった一週間程度のことだと思えば我慢できる。
前世でだって、結婚すれば嫁姑問題など、避けては通れない人間関係があった。
でもそれも、何とか乗り越えてきたのだ。
(カイルだって、いつもの生活が送れないのを我慢しているんだもの。私も我慢しなくちゃ…)
ラウル様がため息ばかりついていた理由がよく分かる。
リリア皇女様が、わざわざ手紙を送って忠告してくれた理由も。
カイルはまた南の離れの塔に部屋を移すが、すでに事情を理解しているので、前回皇女様がやって来たときのような気まずさはなかった。
むしろあっけらかんとしていて、かえって心配になるほどだった。
「けいこばには行っていいって言われてるし、師匠のけいこも毎日してもらえるからだいじょうぶだよ!」
カイルは私を安心させるように笑った。
あれから3ヶ月ほどしか経っていないというのに、カイルはものすごく大人になったような気がする。
自分がどういう立場で、どういう危険にさらされているのかを理解して、少し強くなったのかもしれない。
「1日に一度は必ず顔を出すから。剣術の稽古、頑張ってね」
「うん。お母さんも、おきゃくさまの相手、がんばってね」
「う、うん、頑張るわ…」
ヘレフォード伯爵令嬢の情報は不安ばかりがつのるものしかなく、どう頑張れば良いのか分からなかったけれど。
予定では一週間の滞在というから、一週間だけ頑張れば元の生活に戻れる…はず。
(カイルだって寂しいのを我慢してるんだから…私も頑張らないと)
街に待機していた騎士から間もなく到着すると連絡が入り、私とラウル様はヘルフォード伯爵令嬢とその一行を出迎えるために城門に向かう。
「はぁ…」
気が重そうなラウル様のため息は、もう何度目だろう。
何だか気の毒になってくるほどだ。
ラウル様は5年前まで首都にいた間に、ヘレフォード伯爵令嬢からさんざんつきまとわれていたらしいから、その時のことを思い出しているのかもしれない。
城門に待機して十分ほど経つと、こちらに向かう馬車の列が見えた。
やがて馬車が止まり、中からヘルフォード伯爵令嬢らしき令嬢が降りてくる。
栗色のサラサラとした髪に、青い瞳、見た目はまるで人形のように美しい女性だった。
「ラウル様ぁ、ご無沙汰しておりますぅ」
私の方には目もくれず、令嬢はラウル様に挨拶をする。
ラウル様は明らかに令嬢と距離をとり、型どおりの挨拶をする。
「このたびは私どもの祝いのために遠路はるばるお越し下さり、ありがとうございます。こちらが妻のシャーレットです」
「始めめまして、シャーレットと申します」
私が挨拶をすると、ヘルフォード伯爵令嬢は青い目で一瞥し、そして口角をあげて笑った。
「グリーン侯爵家のアグネス様やドリス様のことは存じておりますが、あなたはお見かけしたこともございませんし、名前をお聞きしたこともございませんね」
アグネスとドリスは共にシャーレットの腹違いの姉だ。
彼女らは正妻の子として育てられ、デビュタント以降はさまざまなパーティーにも出席していた。
二人は現在、グリーン侯爵が見初めた相手と婚約中だ。
「申し訳ありません。私は公の場に出る機会なく、こちらへ嫁いで参りましたので」
「あら、そうでしたの」
わざと驚いたような口調で言ったが、暗に私が妾の子であることを明らかにし、貶めたい糸が感じ取れた。
(まあ、この程度のことは、想定していたからたいしたことではないわ)
「滞在頂くお部屋にご案内します、伯爵令嬢」
私がそう言うと、ヘルフォード伯爵令嬢は歪んだ笑みを浮かべる。
「私はラウル様にご案内頂きたいわ。5年ぶりに会うのですもの」
「ですが、ラウル様はこの後、まだお仕事が残っておりますので私が…」
なんとかして自分の役割を果たさなければと思ったのだけど、ヘレフォード伯爵令嬢は頑固だった。
「いいえ。ラウル様にご案内いただきたいです」
私を気遣うように、ラウル様が口を挟んだ。
「シャーレットさん、大丈夫です。私とロルフが案内します」
ロルフというのは、ラウル様の秘書の名だ。
ラウル様だけでは伯爵令嬢が滞在する部屋まで行くのは難しいので、秘書も連れて行くことにしたのだろう。
「シャーレットさんは先に戻っていてください。体も冷えたでしょうから、暖かくして。また風邪をひくと大変です」
「はい、ありがとうございます」
ラウル様が軽く私を抱きしめてくれる。
私を気遣う時、人目があろうがなかろうが、最近は自然とこういうスキンシップをしてくることが多かった。
私は素直に、ラウル様の言葉に甘えることにした。
無理に私が案内すると言っても、かえって彼女の機嫌を損ねてしまうだけだろう。
ふと気がつくと、ヘルフォード伯爵令嬢が恐ろしい形相でにらみつけていた。
私は慌ててラウル様の体から離れ、ヘレフォード伯爵令嬢に会釈した。
「では伯爵令嬢。私は先に失礼します。また夜の宴の時に」
私がそう告げると、ヘルフォード伯爵令嬢はぷいっと顔を背けた。
そして私が一歩下がった途端、ずいっとラウル様の元へと駆け寄ってくる。
「ラウル様ぁ、本当にお会いしたかったですぅ…」
ヘルフォード伯爵令嬢はラウル様の腕に手を回し、体をぴったりとくっつける。
常識のある人なら、妻の目の前でそんなことはしないだろう。
「すみません、離れていただけますか?歩きにくいですので」
ラウル様は迷惑そうな顔をして、きっぱりと言った。
「あら、ごめんなさい。つい、昔のクセで…」
「つかまる場所が必要なら、ロルフがお手伝いします」
指名されたロルフ卿は、あからさまに嫌な顔をした。
「いいえ、結構ですわ。自分で歩きます」
どうやらある程度の距離を取って歩くことをヘレフォード伯爵令嬢も受け入れることにしたようで、少しホッとする。
(すみません…後はよろしくお願いします…)
心の中でラウル様に謝って、私は逃げるようにその場を後にした。
「はー……想像以上だったわ…」
部屋に戻った私は、メイドが淹れてくれた温かいお茶を飲みながら、短時間のうちに疲れた心を回復させていた。
あからさまに私を「妾の子」と罵ることはしなかったものの、ヘルフォード伯爵令嬢が私を見下しているのは明らかだった。
(まぁ…見下されるのは慣れてるし…)
厄介なのは、ラウル様への想いを人が見ていようが全く隠す様子がないということ。
確かに、普通の神経ではできないことだった。
決して気持ちの良いものではないけれど、たった一週間程度のことだと思えば我慢できる。
前世でだって、結婚すれば嫁姑問題など、避けては通れない人間関係があった。
でもそれも、何とか乗り越えてきたのだ。
(カイルだって、いつもの生活が送れないのを我慢しているんだもの。私も我慢しなくちゃ…)
ラウル様がため息ばかりついていた理由がよく分かる。
リリア皇女様が、わざわざ手紙を送って忠告してくれた理由も。
26
あなたにおすすめの小説
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
公爵夫人は愛されている事に気が付かない
山葵
恋愛
「あら?侯爵夫人ご覧になって…」
「あれはクライマス公爵…いつ見ても惚れ惚れしてしまいますわねぇ~♡」
「本当に女性が見ても羨ましいくらいの美形ですわねぇ~♡…それなのに…」
「本当にクライマス公爵が可哀想でならないわ…いくら王命だからと言ってもねぇ…」
社交パーティーに参加すれば、いつも聞こえてくる私への陰口…。
貴女達が言わなくても、私が1番、分かっている。
夫の隣に私は相応しくないのだと…。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる