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第九十六話 追い返しても良かったのに…
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夜になったら手配していた宿に泊まったり、途中で休憩を挟んだりしながら、予定通り1週間後には首都に辿り着いた。
(この空気感は覚えてる…)
シャーレットはほぼ屋敷から出ることなく育ったけど、北部とは異なる空気感は少し懐かしかった。
馬車は真っ直ぐにファーレンハイト公爵家の本邸へと向かう。
当然ながら、私もカイルも、本邸に行くのは初めてのことだ。
「すごいねー!ひとがいっぱいいるよ!おうちも、いっぱいある!」
馬車が首都に入ってからというもの、カイルは窓の外に顔をくっつけて興奮状態だ。
目をまん丸に開いて、見えたものを報告してくる姿がとてもかわいい。
北部では、城の外に出ることはほとんどなかったため、カイルには人がたくさんいるということが珍しいようだった。
「お父さん、そとでたい」
カイルがねだるような目で、ラウル様を見つめる。
街には珍しい建物やお店がたくさん建ち並んでいて、外に出たい気持ちは私にもよく分かる。
ただ、今日はすでに予定が詰まっていた。
「今日はまず家に帰ろう。みんな待ってくれているから」
「うん…じゃあ、明日はいい?」
「明日は…別のところに行く予定だから、明後日ならマルティンかディルクに連れて行ってもらうといい」
「やった!」
カイルが納得してくれたので、ちょっとホッとする。
今日は本邸に戻ってすぐ、建国祭で着る衣装の仮縫いを行う必要があった。
すでに皇室デザイナーたちが本邸で待機しているはずだ。
おそらく彼らは今日から徹夜で、当日までに衣装を仕上げるつもりなのだろう。
それぐらいのスケジュール感だった。
そして明日は皇宮に呼び出されているので、カイルを連れて皇帝陛下に謁見しなくてはならなかった。
さらに明後日は、私とかラウル様だけが皇宮に呼び出されている。
(きっと今後のことについて、具体的に話をされるのだろうけど…)
私とラウル様だけが改めて翌日に呼び出されるということは、カイルがいる前では話せない内容などもあるのだろうと思った。
(本邸の人たちの顔や名前も覚えないといけないし、エルザさんに会う時間も作らないといけないし…)
建国祭の一週間前に着いたとはいえ、当日まで慌ただしい日々が続きそうだった。
馬車が本邸に着くと、たくさんの出迎えの使用人たちが待っていた。
私は彼らと顔を合わせるのが初めてだったので、少し緊張してしまう。
北部ではみんなによくしてもらったけど、自分の出自のこともあり、本邸で受け入れてもらえるかという心配もあった。
緊張しながら馬車を降りると、執事服を着た若い男性が一歩前に出た。
「お帰りなさいませ、旦那様、奥様、カイル様」
「その声はフリッツだな」
「はい」
ラウル様がフリッツと呼ばれた青年を紹介して売れる。
「シャーレットさん、彼が北部の城で執事をしていたジェイムスの息子のフリッツです」
「あ、ジェイムスさんの息子さんなのですね」
「はい。現在は本邸の執事を任されています」
「よろしくお願いします。シャーレットです」
「こちらこそ。奥様のお話は、父からの手紙でも伺っております」
フリッツは、父親に面影の似た温厚そうな青年だった。
「奥様、私の妻のアメリーです。今回の建国祭で奥様の臨時侍女としてお世話をさせて頂きます。数年ほどですが、皇女殿下の侍女もしていたので、宮中のことで分からないことがあれば何でもお聞きください」
マルティン卿の横には、赤髪の綺麗な女性が立っていた。
「アメリーと申します、奥様」
「シャーレットです。あの、赤ちゃんは大丈夫なのですか?」
「はい。主人の実家に預けておりますので、大丈夫です。両親からも、こちらは気にせずに、仕事をしてこいと言われました」
「そうですか。よろしくお願いします。心強いです」
私自身、今回の建国祭が社交界デビューの場になる。
皇女様の侍女もつとめていたというアメリーが側にいてくれれば、とても心強い。
(あれ…そういえばカイルは…?)
不思議に思って周囲を見回すと、アリスの手を引いて、本邸の使用人たちに囲まれて話をしていた。
人見知りをするかと思ったけど、まったくそんな様子がなさそうで安心した。
ここはラウル様の実家でもあるけど、カイルの本当の父親である大公の実家でもある。
だから使用人たちにとっても、カイルが帰還したことは特別な意味を持つのかもしれない。
(間もなくカイルはラウル様の正式な養子になって公子になるのだし)
「すみません…中で皇室デザイナーの方たちがお待ちですので…」
フリッツが恐縮しながら私とラウル様に告げてくる。
「追い返しても良かったのに…」
ラウル様が本気か嘘かわからないようなことを言うと、フリッツはさらに恐縮した。
「皇帝陛下が手配された方々なので、さすがにそんなことはできません…本当にお困りのようですので、早く行ってさしあげていただけると助かります」
ドレスの仮縫いが終わったのは、もう暗くなってからのことだった。
さすがに時間がなさすぎる上、皇帝陛下からの依頼ということもあり、皇室デザイナーの人たちはプレッシャーを感じて大変そうだった。
(それにしても、どうして皇帝陛下からの依頼ってことになってるんだろう…)
私はラウル様が『嫌な予感しかしない…』と言っていたことをふと思い出した。
(とりあえず、明日になれば分かる話よね…)
私は気分を変えるように、自分に与えられた部屋を見回した。
インテリアはもちろん、壁紙やカーペットに至るまで、重厚な雰囲気があった。
ただ、チェストやテーブルには可愛い花も飾られていて、気遣いも感じられる。
私たちが本邸に滞在することが決まってからの短期間の間に、それぞれの部屋の手入れを行ってくれていたのだという。
この部屋とは別に夫婦で使う寝室があるが、そこはまだリフォーム中ということで今回の滞在では使えない。
なので、今日はラウル様がこの部屋に来てくれることになっていた。
ただマルティン卿たちと今後のことについて話をしているので、少し遅くなるかもしれないと伝言があった。
そう思っていると、ドアをノックする音がして、私は慌てて扉を開けた。
「すみません、遅くなりました…」
「大丈夫です。私もまだ眠れそうになかったので」
ラウル様を部屋に招き入れ、家具の位置やベッドの位置などを一通り確認してもらう。
ラウル様にとっては、初めて入る部屋では必須の作業だった。
「カイルは大丈夫でしたか?」
「はい、興奮して眠らないのではと思いましたが、絵本を読んであげたらすぐに寝ました。疲れていたんだと思います」
「ありがとうございます。明日の謁見もあるので、さすがに夜更かしはさせられないから少し心配していました」
きっとマルティン卿たちと話をしながらも、そのことが気になって仕方がなかったのだろうと思う。
「たぶん、朝までぐっすりだと思います」
「良かった…シャーレットさんは大丈夫ですか?」
「私も皇帝陛下にお会いするのは初めてなので、少し緊張はしています」
「先代の陛下ならともかく…今の陛下はそれほど緊張しなくても大丈夫だと思いますよ。皇女も同席しますし」
「そうですね。眠れなくなるので、あまり考えないようにします」
大丈夫と言われても、まったく緊張しないというのは無理だろう。
背後から腕が伸びてきて、体を引き寄せられる。
「あなたをここへ連れてくる日が来るとは思いませんでした」
「ここがラウル様が育った場所なんですね」
「はい。自分の実家だと思って過ごしてください」
「ありがとうございます。私の本当の実家より明るくて温かくて心地よいです」
本邸の人たちは私に対してとても親切で、みんなが歓迎してくれていることが伝わってきた。
グリーン侯爵家で、透明人間のように扱われていたときとはまるで違う。
たぶん、ラウル様がいろいろと気遣ってくれたのだと思う。
「本当にありがとうございます。ここへ来るまでは緊張もしてましたけど、今はもう平気です」
「それは良かった」
気がつくとラウル様の唇の感触を感じていた。
すぐに離れようとしたその唇を追いかけるように、私のほうから唇を重ねた。
(この空気感は覚えてる…)
シャーレットはほぼ屋敷から出ることなく育ったけど、北部とは異なる空気感は少し懐かしかった。
馬車は真っ直ぐにファーレンハイト公爵家の本邸へと向かう。
当然ながら、私もカイルも、本邸に行くのは初めてのことだ。
「すごいねー!ひとがいっぱいいるよ!おうちも、いっぱいある!」
馬車が首都に入ってからというもの、カイルは窓の外に顔をくっつけて興奮状態だ。
目をまん丸に開いて、見えたものを報告してくる姿がとてもかわいい。
北部では、城の外に出ることはほとんどなかったため、カイルには人がたくさんいるということが珍しいようだった。
「お父さん、そとでたい」
カイルがねだるような目で、ラウル様を見つめる。
街には珍しい建物やお店がたくさん建ち並んでいて、外に出たい気持ちは私にもよく分かる。
ただ、今日はすでに予定が詰まっていた。
「今日はまず家に帰ろう。みんな待ってくれているから」
「うん…じゃあ、明日はいい?」
「明日は…別のところに行く予定だから、明後日ならマルティンかディルクに連れて行ってもらうといい」
「やった!」
カイルが納得してくれたので、ちょっとホッとする。
今日は本邸に戻ってすぐ、建国祭で着る衣装の仮縫いを行う必要があった。
すでに皇室デザイナーたちが本邸で待機しているはずだ。
おそらく彼らは今日から徹夜で、当日までに衣装を仕上げるつもりなのだろう。
それぐらいのスケジュール感だった。
そして明日は皇宮に呼び出されているので、カイルを連れて皇帝陛下に謁見しなくてはならなかった。
さらに明後日は、私とかラウル様だけが皇宮に呼び出されている。
(きっと今後のことについて、具体的に話をされるのだろうけど…)
私とラウル様だけが改めて翌日に呼び出されるということは、カイルがいる前では話せない内容などもあるのだろうと思った。
(本邸の人たちの顔や名前も覚えないといけないし、エルザさんに会う時間も作らないといけないし…)
建国祭の一週間前に着いたとはいえ、当日まで慌ただしい日々が続きそうだった。
馬車が本邸に着くと、たくさんの出迎えの使用人たちが待っていた。
私は彼らと顔を合わせるのが初めてだったので、少し緊張してしまう。
北部ではみんなによくしてもらったけど、自分の出自のこともあり、本邸で受け入れてもらえるかという心配もあった。
緊張しながら馬車を降りると、執事服を着た若い男性が一歩前に出た。
「お帰りなさいませ、旦那様、奥様、カイル様」
「その声はフリッツだな」
「はい」
ラウル様がフリッツと呼ばれた青年を紹介して売れる。
「シャーレットさん、彼が北部の城で執事をしていたジェイムスの息子のフリッツです」
「あ、ジェイムスさんの息子さんなのですね」
「はい。現在は本邸の執事を任されています」
「よろしくお願いします。シャーレットです」
「こちらこそ。奥様のお話は、父からの手紙でも伺っております」
フリッツは、父親に面影の似た温厚そうな青年だった。
「奥様、私の妻のアメリーです。今回の建国祭で奥様の臨時侍女としてお世話をさせて頂きます。数年ほどですが、皇女殿下の侍女もしていたので、宮中のことで分からないことがあれば何でもお聞きください」
マルティン卿の横には、赤髪の綺麗な女性が立っていた。
「アメリーと申します、奥様」
「シャーレットです。あの、赤ちゃんは大丈夫なのですか?」
「はい。主人の実家に預けておりますので、大丈夫です。両親からも、こちらは気にせずに、仕事をしてこいと言われました」
「そうですか。よろしくお願いします。心強いです」
私自身、今回の建国祭が社交界デビューの場になる。
皇女様の侍女もつとめていたというアメリーが側にいてくれれば、とても心強い。
(あれ…そういえばカイルは…?)
不思議に思って周囲を見回すと、アリスの手を引いて、本邸の使用人たちに囲まれて話をしていた。
人見知りをするかと思ったけど、まったくそんな様子がなさそうで安心した。
ここはラウル様の実家でもあるけど、カイルの本当の父親である大公の実家でもある。
だから使用人たちにとっても、カイルが帰還したことは特別な意味を持つのかもしれない。
(間もなくカイルはラウル様の正式な養子になって公子になるのだし)
「すみません…中で皇室デザイナーの方たちがお待ちですので…」
フリッツが恐縮しながら私とラウル様に告げてくる。
「追い返しても良かったのに…」
ラウル様が本気か嘘かわからないようなことを言うと、フリッツはさらに恐縮した。
「皇帝陛下が手配された方々なので、さすがにそんなことはできません…本当にお困りのようですので、早く行ってさしあげていただけると助かります」
ドレスの仮縫いが終わったのは、もう暗くなってからのことだった。
さすがに時間がなさすぎる上、皇帝陛下からの依頼ということもあり、皇室デザイナーの人たちはプレッシャーを感じて大変そうだった。
(それにしても、どうして皇帝陛下からの依頼ってことになってるんだろう…)
私はラウル様が『嫌な予感しかしない…』と言っていたことをふと思い出した。
(とりあえず、明日になれば分かる話よね…)
私は気分を変えるように、自分に与えられた部屋を見回した。
インテリアはもちろん、壁紙やカーペットに至るまで、重厚な雰囲気があった。
ただ、チェストやテーブルには可愛い花も飾られていて、気遣いも感じられる。
私たちが本邸に滞在することが決まってからの短期間の間に、それぞれの部屋の手入れを行ってくれていたのだという。
この部屋とは別に夫婦で使う寝室があるが、そこはまだリフォーム中ということで今回の滞在では使えない。
なので、今日はラウル様がこの部屋に来てくれることになっていた。
ただマルティン卿たちと今後のことについて話をしているので、少し遅くなるかもしれないと伝言があった。
そう思っていると、ドアをノックする音がして、私は慌てて扉を開けた。
「すみません、遅くなりました…」
「大丈夫です。私もまだ眠れそうになかったので」
ラウル様を部屋に招き入れ、家具の位置やベッドの位置などを一通り確認してもらう。
ラウル様にとっては、初めて入る部屋では必須の作業だった。
「カイルは大丈夫でしたか?」
「はい、興奮して眠らないのではと思いましたが、絵本を読んであげたらすぐに寝ました。疲れていたんだと思います」
「ありがとうございます。明日の謁見もあるので、さすがに夜更かしはさせられないから少し心配していました」
きっとマルティン卿たちと話をしながらも、そのことが気になって仕方がなかったのだろうと思う。
「たぶん、朝までぐっすりだと思います」
「良かった…シャーレットさんは大丈夫ですか?」
「私も皇帝陛下にお会いするのは初めてなので、少し緊張はしています」
「先代の陛下ならともかく…今の陛下はそれほど緊張しなくても大丈夫だと思いますよ。皇女も同席しますし」
「そうですね。眠れなくなるので、あまり考えないようにします」
大丈夫と言われても、まったく緊張しないというのは無理だろう。
背後から腕が伸びてきて、体を引き寄せられる。
「あなたをここへ連れてくる日が来るとは思いませんでした」
「ここがラウル様が育った場所なんですね」
「はい。自分の実家だと思って過ごしてください」
「ありがとうございます。私の本当の実家より明るくて温かくて心地よいです」
本邸の人たちは私に対してとても親切で、みんなが歓迎してくれていることが伝わってきた。
グリーン侯爵家で、透明人間のように扱われていたときとはまるで違う。
たぶん、ラウル様がいろいろと気遣ってくれたのだと思う。
「本当にありがとうございます。ここへ来るまでは緊張もしてましたけど、今はもう平気です」
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