平蜘蛛と姫――歪んだ愛

梵天丸

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平蜘蛛と姫――歪んだ愛(16)

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 信長が義秋を伴って上洛するという噂は、夏の終わりになると現実味を帯びてきた。三好三人衆たちは入れ替わり慌しく信貴山城へとやって来ては、久秀と長い時間話をしてまた慌しく去っていく……そんなことを繰り返していた。
 今日もまた、長逸が苛立たしげな様子でやって来ていたようだった。
 その報告を聞いた久秀は顔を軽くしかめる。
「またですか……」
 前回が一昨日だったから、確かに日を追うごとに長逸がやって来る感覚は短くなっている。それだけ長逸をはじめとする三好三人衆たちが焦っているということかもしれない。
「可那姫、貴方は奥の部屋に行ってください」
「私も織田の状況が知りたい」
「ここにいても、大して有益な情報は得られません。それより奥の部屋へ。私が許可するまで出てこないように」
 まるで命じるように言われ、可那は奥の部屋へと押しやられた。
 やがて程なく、手前の部屋に長逸らが入って来る気配がした。どうやら今日は長逸だけではなく、三人衆の他の者らも来ているようだ。
 可那はそっと二人が話をしているところを覗き見た。
(ばれなければ……いいのよね……)
 襖は開けず、そっと聞き耳だけを立てる。
「もう限界だ。久秀殿。義栄様をこちらにお渡しいただきたい」
(え……?)
 可那は口から出そうになった悲鳴を、両手で口を塞ぐことによって抑えた。
(もうそんなに逼迫した状況になっているの?)
 久秀は相変わらず今の状況について詳しいことは教えてもらえないし、長逸たちも可那には直接その状況を話したりはしなかった。
 だから可那は状況がもうそこまで切迫しているとは思いもしなかったのだ。
「義栄様にはすでに多聞山城へお移りいただきました」
「なにっ!?」
(ええっ……?)
 久秀が静かに放った言葉に、長逸のみならず、可那もまた声をあげそうになってしまった。両手で口を押さえたまま、可那はそのまま部屋の会話に聞き耳を立てる。
 確か今朝も義栄は可那と一緒に食事をしたはずだ。今は自分の部屋にいるはず……。確かめに行こうかとも思ったが、二人の話の続きが気になってその場に留まる。
(一体どうして……久秀はあんな嘘を……?)
 そう思っていると、いきなり怒鳴り声が耳に飛び込んできた。
「勝手なことを! 誰がそんなことを命じた!?」
 声を荒げる長逸に対し、久秀はあくまでも冷静だ。
「義栄様のお命の安全を考えれば、当然のことです」
(長逸って……こんなに怖い人……だったかしら……?)
 可那の前の長逸は、いつも穏やかで、声を荒げるようなことは滅多になかった。それどころか、ここへやって来た当初は、久秀よりは長逸のほうが話しやすかったほどだ。
 だから彼がこれほど声を荒げるような場面を想像したことがなかった。
「可那姫は?」
「彼女も義栄様とともに多聞山城に送りました。義栄様お一人では、行ってくれないでしょうから」
「くそ、何てことだ!」
 長逸が『可那姫』と言った時の冷たい響き。彼が表面上は親切を装いつつも、実は可那のことをどう思っているのかが伝わってくるようだった。
(隠れていて良かった……)
 可那は息を殺して話に聞き耳を立てながら、胸をなでおろす。
「では、本当に義栄様は多聞山城にいるのだな?」
「ええ。もう到着している頃でしょう」
「これは裏切りだぞ、久秀!」
「裏切り? 何をそんなにお急ぎになっているのです?」
 久秀はあくまでも冷静に、激昂する長逸の言葉を受け止めている。
「信長が間もなく上洛する! 急がないわけがないだろう!」
「しかし、義栄様に総大将は務まりませんよ」
「務まらなくても、やってもらう!」
(総大将? お義兄さまが……? そんな……無茶だわ……)
 可那はまたも悲鳴をあげそうになったのを堪えた。
 驚いたことに、長逸は義栄を総大将にたて、織田家に戦いを挑むつもりだったのだ。義栄は戦に出たことはおろか、武器を持ったことさえない。
 戦場のあの空気に義栄が耐えられるはずがない。無茶苦茶すぎる……。
 おそらく、久秀は何度もそれを催促されてきたのだろう。だから彼は勘を働かせ、可那を長逸らの前に出さなかった。もちろん、義栄も。
「まったく……今日こそは二人を連れて京に入ろうと思っていたのに……勝手なことをしてくれたな」
「私に命じられたのは、お二人のお命を守ることですから。ここよりはあちらのほうが安全です」
(ど、どうしよう……絶対にここにいることがばれたら駄目……よね……)
 可那は息をするにも慎重にした。長逸は今日にでも義栄を連れて行くつもりだったと言っている。
 もしも今可那が出て行けば、そのまま捕らえられてしまいそうな様子だ。それに、可那がここにいるということが知れれば、義栄もまだここにいるということまで悟られてしまう。
 可那は息を詰めるようにして、身を潜めた。
(久秀は……一体どうするつもりなの……? 私もお義兄さまもいないって嘘をついて、それで彼らは納得してくれるの? 納得させられるの?)
「少し落ち着いてください、長逸殿」
 久秀が笑みを含んだような声音で言う。
「これが落ち着いてなどいられるか! 上洛はもう数日中には成るかもしれないのだぞ!」
「だからといって、義栄様が戦場に出るなど、出来るはずもないでしょう。それは貴方たちがもっともよく分かっているのではありませんか?」
「しかし、このままでは義栄様の将軍位が奪われてしまう。久秀、お前は何のためにあの将軍に取り入り続けたのだ?」
「私は貴方の仰せに従ったまでですよ。義栄様を守り、三好に従うように教育せよという命令にね」
「ならば三好家の長として命ずる! 今すぐ義栄様を呼び戻せ! そして戦に出るように説得しろ!」
(言っていることがめちゃくちゃだ……)
 長逸は相当に焦っているらしい。義栄の状態がどうであれ、引きずってでも戦に連れて行くつもりだ。
 可那は祈るような気持ちで胸に手を当てる。
(どうか……お義兄さまをお守りください……)
 戦場になど連れて行かれたら、義栄はどうなってしまうか分からない。絶対にあんな場所に連れて行っては駄目だ……。
 可那は幼い頃に見た戦場の光景を思い出していた。
 あちこちが焼け、死体が転がり、負傷者のうめき声が聞こえる。その焼けた戦場を、可那は兄の義輝に手を引かれながら逃げたことがあった。
 その時の戦で、父の義晴は可那を四国へ避難させることを考えたらしい。そして可那は、戦とは無縁の四国の田舎の屋敷へと送られたのだった。
 もう十年以上も前の話なのに、未だにあの戦の様子を悪夢としてみることがある。畿内の小規模な争いでさえ、そんな状態だった。今回、織田軍と三好軍が全面戦争となれば、どれほどの犠牲が出るか分からない。しかも、旗色は三好に良くないらしい。そんな場所に義栄を連れて行くなんて、絶対に出来ない。
「私は講和をお勧めします」
「講和だと!?」
「ええ。この戦、おそらく三好に勝ち目はありません。義栄様に退位していただき、義秋様を次の将軍に推薦するという形で、講和を結ぶのが最善かと思います」
「馬鹿なことを言うな!」
「馬鹿なことではありません。義栄様と義秋様、どちらが将軍に相応しいかと問われれば、やはり血筋的には前将軍の実弟である義秋様でしょう」
「よくもぬけぬけとそんなことを……!」
「久秀殿、本当に義栄様に退位をお勧めになるつもりなのですか?」
 傍にいた三好三人衆の一人、岩成友通の声がした。
「ええ。それがもっとも平和的な解決方法でしょう。三好の傷も最小限で済みます」
「久秀殿! 貴方は三好家を滅ぼすおつもりか?」
 久秀の返答に、友通もまた声を荒げた。
「私は三好が生き残るための方法を述べたまでです。もしも織田との全面戦争となれば、三好が壊滅的な打撃を受けることは目に見えています」
「将軍を……将軍を諦めろというのか……」
「はい」
 久秀の言葉はどこまでもそっけなかった。まるで他人事か何かのように。
「ここまで来て何ということだ……将軍まで殺して手に入れた将軍だというのに……」
「だから私はあれほど反対したではありませんか。義輝将軍を殺すことは三好家にとってあまり意味のあることではないと」
(え……今……何て?)
「あのまま義輝将軍を生かし、ある程度彼の言を受け入れ、共存を続けていれば、三好はもっと存在感を出すことが出来たはずです。織田の上洛にこれほど慌てることもなかったでしょう」
(久秀は……お兄様を殺すことに反対した……?)
 ずっと仇だと思っていた。けれども、今の話が本当なら、厳密に言うと、久秀は仇ではないということになる。
「しかし、あの公方は三好から実権を奪い続けた。長慶様が言いなりになっているのを良いことに」
「長慶様は罪悪感がおありだったのでしょう。一時的にとはいえ、将軍家と対立をしてしまったことに。ですが、長慶様は義輝将軍とは良い関係を築いておられた。義輝将軍も過去のわだかまりを捨て、三好を信頼しておられた」
(そう……だったの?)
 確かに、一時は悪化した三好と将軍家の関係も、義輝の上洛とともに修復されていったという話は、可那も聞いたことがあった。
 今の久秀の話が本当だと、死んだ三好長慶と義輝の間には、形式的ではない好ましい関係が築かれていたようだ。
 いずれにしても、京から離れた場所にいた可那にとっては、どれもこれも現実味を感じることは難しい話ばかりだった。
 義輝が殺されたというその事実以外には。
「長慶様がお亡くなりになられた後、我々は再びこの畿内を制圧した。傀儡の将軍を立て、今度こそ三好家による統治の基盤を築いたばかりだというのに」
「信長が上洛し、将軍が変わる程度で奪われる基盤ならば、それはそこまでのものだったということです」
「本気で言っているのか、久秀?」
 もう久秀に対し、すっかり呼び捨て状態だ。いつものように『久秀殿』ではない。
 おそらく、これが本当の長逸の正体だったのだろう。
 そしてこれが本当の久秀と三好三人衆との関係。
 久秀は多くのものを三好から与えられてはいるけれど、やはり一家臣に過ぎない。
 ただ、その才能があまりにも大きすぎるので、三好三人衆としても彼を頼らざるを得なかったということなのだろう。
「ええ、本気です」
「そのお言葉、後で悔いるようなことがなければ良いがな。友として御身を案じる」
「ええ、私も同じ言葉を貴方に返しましょう。残念ながら、今の私には講和以外の良策を思いつきませんので」
「講和はしない! 絶対に、だ! 三好は義栄様を総大将として、織田と戦う! そして久秀、貴殿ともだ!」
 三好三人衆と松永久秀の話し合いは決別した。
 三人衆は久秀に対し、宣戦布告をして城を出て行った。
 隣の部屋に人の気配がなくなり、可那は崩れ落ちるようにその場に膝を着いた。
(本気で……お義兄さまを戦場に連れて行くつもりだったんだ……)
 可那は心の中で久秀に感謝した。
 彼の咄嗟の機転が、義栄と可那を守ってくれた。
 しかし、ホッとしている猶予はないだろう。
 おそらく、長逸らはあの怒りのまま多聞山城に向かうのだろう。しかし、そこに義栄の姿はないはずだ。そうと分かったら、三好と久秀の全面戦争が始まる……。
(お義兄さまを戦場へ連れて行くなんて……無理……)
 けれども、久秀ならば、義栄を戦場に立たせたりすることはないだろう。それだけは信頼できる。
 さっきも三好三人衆に講和を進め続けた。義栄は退位させ、講和を成立させろと。一貫して久秀は彼らにそう説得し続けたのだ。
 しかしその説得は実らず、物別れに終わった。
 そして――。
 兄義輝の暗殺事件のこと。
 兄の義輝を殺すよう指示を出したのは、久秀ではなく長逸だったのだ。
 久秀はずっと否定しなかった。可那が義輝を殺したことを追求し、非難しても、微笑んで流すだけだった。
(どうして……自分は殺していないと言わなかったのかしら……)
 可那には分からない事だらけだった。
(これから……どうなるの……?)
 座り込んで呆然としていると、ふいに部屋の襖が大きく開かれた。
「ああ、そこにいたのですね」
 入ってきたのは久秀だった。
 さっき三好三人衆に宣戦布告されたばかりだというのに、いつも通りの涼しげな笑みを浮かべている。
「だ、大丈夫……なの?」
「何がです?」
「長逸たち……かなり怒っていたようだけど……」
「怒ってましたねえ」
 くすくすと笑いながら久秀は言う。
「今度ばかりは笑い事じゃないんじゃないの?」
「まあ……何となくこうなることは予想出来ていましたし」
「そ、そうなの?」
「ええ。のらりくらりと時間を引き延ばしていただけですよ」
「彼らが講和に応じると思っていた?」
「そうなってくれれば良いなとは思いましたよ。私としても余計な手間が省けますし」
 確かに、久秀は何とか長逸たちを説得しようとしていた。ただ、長逸たち三好三人衆にとって、講和は論外な方法だったみたいだけども。
「どうするの、これから?」
「何とかなるでしょう」
「お義兄さまに危険が及んだりしない?」
「それは心配ありません」
「本当に?」
「ええ。私を信じてくださらないのですか?」
 久秀はわざとらしく悲しそうな顔を作ってみせる。
「信じてるけど……というか、もうこの状況だと、貴方を信じるしか私に出来ることなんてないの……」
「だったら、それで良いではないですか。貴方が何も出来ないのなら、私を信じてください」
「わ、分かったわ……」
 何だか上手く丸め込まれた気がしたけれど、確かに今は久秀の手腕を信じるしかなかった。
 可那がじたばたしたところでどうしようもない。
 織田は上洛してくる。義栄に退位を迫っている。三好三人衆は久秀に宣戦布告した。
(どうやって乗り切るんだろう……この状況……)
 可那には久秀がとんでもなく不利な戦に、自ら乗り込んでしまったように見えた。
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