【R18】堕ちた神父と血の接吻【完結済】

譚月遊生季

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第三章 煩悶の冬

第8話「正義とは?」※

「ん……っ、ヴィル……」

 神父様はオレに愛撫されながら、赤くなった瞳をこちらに向ける。

「私は、悪魔か」

 ……どうやら、酔ってても少しは聞こえてたみたいだ。だったら、それなりに傷ついたよな。酔ってるなりに、我慢してたのかな。

「神父様は、神父様っす、よ!」
「あぁっ!」

 すぐに忘れられるよう、前に触れながら挿入する。
 グリグリと先っぽを弄りながら、火照った内側を貫く。

「あっ、あぁっ、こ、えが……っ、こえが、する……っ」

 それなりに「当てられて」はいたらしく、神父様は顔を覆って苦しむ。前に刺されたのが、案外尾を引いているらしい。

「大丈夫っす。……オレは、そばにいます」
「……っ、ヴィル……っ」
「へへ……今日は名前、めちゃくちゃ呼んでくれますね。嬉しいっす」

 うねるナカを深く抉り、口付ける。
 神父様は気持ち良さそうに腰を揺らしつつ、オレに縋り付いて震えた。

「……ッ、あ……そ、そこに……いる……! 奴らは……私を……私を、犯し、嬲って……笑うのだ……!」

 一緒に逃げ始めた頃も、よくそんなことを言っていた。死にかけた日の記憶は、神父様の中で深い傷になっている。それでも神父様は、いつだって平気なフリをして、何でもないように振る舞う。虚勢を張って、あらゆる感情を押さえ込んで、痛みを噛み殺すんだ。

「大丈夫っすよ。誰もいないんで」

 優しく抱き返し、傷痕を撫でた。
 唇で乳首をみながら、深い場所に丁寧に、丁寧に擦り付ける。

「あっ! は……、んんっ! ヴィル……ヴィル……っ!」
「ここにはオレらしかいません。……だから良いんすよ。弱いトコ、全部見せて……」

 ずちゅ、ずちゅといやらしい音を立て、ゆっくりと、味わうようにナカを堪能する。
 繋がった部分がきつく締まって、精がこみ上げてくるのを感じた。

「……っ」
「あ……ッ」

 ずるりと竿を引き抜き、顔の前に持っていく。

「飲むっしょ?」

 神父様は待ち構えていたかのようにしゃぶりつき、溢れる精も残さず吸い尽くした。

「……っ、う、ぐ……ぅうううっ」
「……神父様?」

 どうも、様子がおかしい。
 そういえば、撫でた時の反応も、参ってた時と似ていたような……?

「……気に、するな」

 はぁ、はぁと息を荒らげ、神父様はオレの腹の上にまたがる。

「抱け」

 まだそそり勃ったままのオレを自ら後ろでくわえ込み、自分から奥へと挿れていく。

「……まさか……」

 呪い、まだ効いてるんじゃ?
 そう聞く前に、神父様は奥深くまでオレを咥え込み、腰を揺らした。自ら感じる場所に押し当て、熱っぽい吐息を漏らす。

「……は……ぁ……ッ、このまま……このまま、続けろ……っ」
「で、でも」
「いい。……おまえの手で私を壊せ。く、ぁ……っ、快楽で……っ、ンッ、狂わせろ……!」

 縋るような瞳が不安定に揺れる。
 マルティン達がオットーを倒せば、「呪い」は強まる。神父様は迫り来る「悪意」を快楽で塗り潰し、どうにか耐えようとしているんだ。

「……っ、たく……無理すんなっつったのに!」
「あぁあぁあっ!?」

 負けじと下から突き上げ、綺麗な身体をガクガクと揺らす。

「わかったよ……っ! アンタが……っ、悪意に潰される、はぁ……っ、前、に……ぃッ! オレがっ! 快楽でっ! ぶっ壊す……ッ!!」
「はぁっ、アッ、ぁ、う……ッ! んぁああっ!」

 背を仰け反らせ、神父様は縋るようにオレの手に触れる。オレはその手に指を絡め、胴体を起こす。抱き締めるようにして、弱い箇所を責め立てた。

「ンッ!? あっ、~~~~ッ! も、イ……ッ、あぁあっ!!」
「溺れてください……ッ、気持ちいいことだけ、考えて……」

 耳元で囁き、容赦なく突き上げる。
 神父様は全身を大きく震わせ、オレの背中に軽く爪を立てた。

「ぁあっ、いッ、~~~~~~ッ!!」

 それでも容赦せず突き上げ、勃ったままのソレを握る。
 神父様は声にすらならない声を上げ、透明な液体をその先端から噴き出した。

「──────ッ!?」
「は……ッ、潮、出てるじゃないすか……エロ……」

 力の抜けた身体を抱き締め、頬擦りする。
 神父様は安堵するように目を細め、続きをねだるように腕をオレの首に絡めた。

  

 ***


  
 神父様は一度トんだら落ち着いたらしい。

「……呪いがまだ効いてるって、なんで言わなかったんすか」

 ベッドに転がったまま押し倒すようにし、問い詰める。
 神父様は気まずそうに目を逸らしつつ、小さな声で語り始めた。オレの腕を振り払わないあたり、逃げるつもりはないらしい。

「暴走のことを、隠さねばならなかったからな」
「それでも、オレには言ってくださいよ」
「言えば、貴様はオットーを倒すより先に私の解呪を優先させただろう。それでは、余計な犠牲が増えかねない。『異形』を狩る専門職と連携できたのだ。封印を解いたオットーが猛威を振るうより前に、なるべく速く対処せねばなるまい」
「……ッ」

 確かに、神父様の言う通りだ。
 神父様の心に負荷がかかるってわかってたら、おとり作戦にはそりゃ反対したし、オットーの倒し方ももっと考えるように言ったと思う。

「……一瞬、オットーと意識が繋がった。倒されたことは間違いないだろう」
「そりゃ、良かったっすけど……大丈夫だったんすか」
「修道士テオドーロの解釈には、少しばかり語弊があったようだ。……オットー・シュナイダーは、あくまで『正義の男』であったらしい」

 神父様は複雑そうに眉をひそめ、淡々と語る。

「『善き人々が涙を流し続ける限り、何度でも蘇り、悪を駆逐くちくする。たとえ自分が朽ちても、志を引き継ぐものは何人もいる。この世に残るべきは善性のみだ』。……そう、恨み節を遺して逝った。私を攻撃しなかったのは、悪意よりも志が勝ったがゆえだろう」

 なるほどな。神父様に精神攻撃を加えることよりも、メッセージを伝えることを優先した、と。

「……正義、ねぇ。確かに、『一般市民』にとっては正義だったのかもっすけど……」

 神父様は顔を曇らせ、静かに首を振った。

「悪とは、なんだ。その判断基準はどこにある」

 苦しそうに呻き、神父様はオレの目を見つめる。
 変態野郎が言ってた。オットーは次第に「些細な不道徳行為」でも標的にした……って。
 ってことは、少なくともオットーの判断基準では、ヤツが「悪だと思えば悪」だったってこと……なんだろうな。

「駆逐されるべき悪とはなんだ。善き人々とはなんだ。喜んで祖父に石を投げ、その死をわらった者たちが『守られるべき善』なのか……?」

 神父様は唇を噛み締め、肩を震わせる。

「……あー……たぶん、考えない方がいいっす。ほら、大抵の人間って自分勝手なもんじゃないすか……」

 震える身体を抱き寄せ、背中を撫でる。
 歴史とか、思想とか、そういうややこしいことはオレにはよくわからない。……だけど、神父様はそういうの、考えちゃう方っぽい。別に、気にしなくていいのに……。

「誰がなんと言おうと、オレは神父様の味方です」
「……貴様は、強いな」
「単純なだけっすよ」

 神父様の髪を撫で、額にキスをする。
 神父様が背負っているものは、きっと、オレの想像以上に重たい。代わりに背負うことが無理でも、せめて軽くしてやらなきゃな。……いつか、ほんとに潰れちまうよ。

「単純、か……。そうだな。だからこそ、心強いのだ」

 えっ、直球で褒めてくれた!?
 どうしたんだよ神父様!?

「……えっと……大丈夫っすか? ほんとは精神攻撃めちゃくちゃ効いてるんじゃないすか?」
「……愚か者」
「えっなんで怒るんすか」
「うるさい。着替えるぞ」

 神父様はオレの腕を振りほどき、さっさとベッドから抜け出す。ううー……わかんねぇ。何に怒ったんだ……?

「オレなんか悪いこと言いました!? だったら謝りますからぁ~~」
「いいから着替えろ。そろそろ二人が帰って来る。……二人とも裸でいれば、禁忌を犯しているとバレてしまう」

 あっ、これ、まだバレてないと思ってる。変態野郎に混ぜてって言われたことは覚えてなさげか……?
 つっても、話聞く限り、マルティン達もセックスしてるっぽいんだけどな……

「神父様って、ヘンに真面目っすよね」
「……?」
「あ、いや、なんでもないっす」

 気付いてないんならいいや。そっとしとこ。
 ……さて、マルティン達が帰って来たら、今後について交渉しねぇとな。
 敵は、少ないに越したことねぇんだから。
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